センチメント(sentiment)という言葉を使いたがる政治家や知識人たちがいる。「感情」という意味のフランス語で、センチメンタルなどと聞けば、「ああ、聞いたことある」という方も多いだろう。この言葉を語源とする英語である。
sentimental センチメンタルとは、「感傷的な,情にもろい,涙もろい,多感」 などという意味で、「おセンチ」などという日本語にもなっているようだ。
センチメント(sentiment)というフランス語に、ラテン語の「re-」という接頭辞をつけると、(ressentiment) という言葉になる。フランス語は語尾の子音は発音しないし、アクセントは後ろにあるようなので、「ルサンティメン」となる。
「re-」という接頭辞が付くことで、「再び」とか、「反対に」などと意味が変わる。例えば、 リコンファーム(reconfirm)や、レジスト(resist) などがそれである。
他に、この接頭辞はあとに来る言葉の意味を増幅することもあり、その例は、リゾルーション (resolution) solution(迷い事)を吹っ切って「解決・決意」となり、re + solve で、resolve となるのも同類である。
「ルサンチマン」という言葉は、近年ジャーナリストなどの間でよく使われているようだが、元来今から200年も前にデンマークの思想家が使ったのが最初であったらしい。一般的には、ドイツの哲学者・ニーチェがその著書で再定義して広まった。
日本語のこの言葉と同じであるとは簡単に言えないので、カタカナで言うしかないのだろうが、簡単に言えば、「復讐心」であるが、それは仕返しを意味する「報復」とは違う。
「(心理的な)傷つき易さ、不満、憎悪、憤懣(ふんまん)」、もう少し長い説明をすると、「「無力な者が抱く、権力を持つ者一切に対して、嫉妬から生まれる情欲」となるのだが、これが完璧な定義なのかは自信がない。
ルサンチマン??
権力者たちに専制支配されることに、日頃自尊心を傷つけられ、嫉妬心を抱き続けているのだが、無力がゆえにその心情が鬱積(うっせき)している心情、と言い換えると少しは分りやすいか。
難しいのは、その鬱積した感情は決してひねくれた物ではなく、「目には目を」でもって報復してやりたいといった先鋭的な心情ではないということだ。
あのヒトラーが合法的に政権の座についたのは、その情報心理戦に民衆の『ルサンチマン』を巧みに利用したためだということは、何かで読んだ事がある。
モヤモヤ漂っている民衆のルサンチマンに付け火することで、炎は広がっていき、どんどん大きくなる。『ルサンチマン』を解放させるのである。課題は、その付け火の仕方であった。
付け火を喜ぶ・・
ヒトラーは彼の著書の中でこう言っている。
【大衆の感情に基づく表象世界を理解し、心理学から見て正しい形式をとれば、注目を集めるばかりか、ひいては広範な大衆の心へ至る道を見出すのである。】
具体的にはどういう手法であったのか・・。その著書によると。
★ テーマや標語を絞る
★ あまり知性を要求しない
★ 大衆の情緒的感受性を狙う
★ 細部に立ち入らない
★ 信条に応じ、何千回と繰り返す
ここ数ヶ月の反安倍政権をテーマにした、新聞とその同系列の、週刊誌、テレビ局、ラジオ局の吐き気のするような一大キャンペーンは、見事に結果を産んだと言えよう。
メディア・リテラシーという言葉が語られては消えていくようだが、こういうカタカナ言葉が広く人口に膾炙することは、それほど簡単ではない。
しかし、日本人に今声を大にして訴えたいのは、このカタカナ言葉の流布である。
sentimental センチメンタルとは、「感傷的な,情にもろい,涙もろい,多感」 などという意味で、「おセンチ」などという日本語にもなっているようだ。
センチメント(sentiment)というフランス語に、ラテン語の「re-」という接頭辞をつけると、(ressentiment) という言葉になる。フランス語は語尾の子音は発音しないし、アクセントは後ろにあるようなので、「ルサンティメン」となる。
「re-」という接頭辞が付くことで、「再び」とか、「反対に」などと意味が変わる。例えば、 リコンファーム(reconfirm)や、レジスト(resist) などがそれである。
他に、この接頭辞はあとに来る言葉の意味を増幅することもあり、その例は、リゾルーション (resolution) solution(迷い事)を吹っ切って「解決・決意」となり、re + solve で、resolve となるのも同類である。
「ルサンチマン」という言葉は、近年ジャーナリストなどの間でよく使われているようだが、元来今から200年も前にデンマークの思想家が使ったのが最初であったらしい。一般的には、ドイツの哲学者・ニーチェがその著書で再定義して広まった。
日本語のこの言葉と同じであるとは簡単に言えないので、カタカナで言うしかないのだろうが、簡単に言えば、「復讐心」であるが、それは仕返しを意味する「報復」とは違う。
「(心理的な)傷つき易さ、不満、憎悪、憤懣(ふんまん)」、もう少し長い説明をすると、「「無力な者が抱く、権力を持つ者一切に対して、嫉妬から生まれる情欲」となるのだが、これが完璧な定義なのかは自信がない。
ルサンチマン??
権力者たちに専制支配されることに、日頃自尊心を傷つけられ、嫉妬心を抱き続けているのだが、無力がゆえにその心情が鬱積(うっせき)している心情、と言い換えると少しは分りやすいか。
難しいのは、その鬱積した感情は決してひねくれた物ではなく、「目には目を」でもって報復してやりたいといった先鋭的な心情ではないということだ。
あのヒトラーが合法的に政権の座についたのは、その情報心理戦に民衆の『ルサンチマン』を巧みに利用したためだということは、何かで読んだ事がある。
モヤモヤ漂っている民衆のルサンチマンに付け火することで、炎は広がっていき、どんどん大きくなる。『ルサンチマン』を解放させるのである。課題は、その付け火の仕方であった。
付け火を喜ぶ・・
ヒトラーは彼の著書の中でこう言っている。
【大衆の感情に基づく表象世界を理解し、心理学から見て正しい形式をとれば、注目を集めるばかりか、ひいては広範な大衆の心へ至る道を見出すのである。】
具体的にはどういう手法であったのか・・。その著書によると。
★ テーマや標語を絞る
★ あまり知性を要求しない
★ 大衆の情緒的感受性を狙う
★ 細部に立ち入らない
★ 信条に応じ、何千回と繰り返す
ここ数ヶ月の反安倍政権をテーマにした、新聞とその同系列の、週刊誌、テレビ局、ラジオ局の吐き気のするような一大キャンペーンは、見事に結果を産んだと言えよう。
メディア・リテラシーという言葉が語られては消えていくようだが、こういうカタカナ言葉が広く人口に膾炙することは、それほど簡単ではない。
しかし、日本人に今声を大にして訴えたいのは、このカタカナ言葉の流布である。