ちょっと前までは、師走と言えば、「忠臣蔵」だった。
テレビ時代になる前は、映画会社各社が競って忠臣蔵の映画を作ったものだったようだ。判官贔屓の日本人には、赤穂浪士の話はたまらない。
実際にあった事件だが、歌舞伎や浄瑠璃や講談として演じられるたびに、創作のキャラクターが登場したりしてきた。
また、その脇役たちが極めて心憎い役割を演じていて、「忠臣蔵」のエピソードを面白くしている。
その中でも、私の好きな脇役ベスト3を紹介させていただく。
まずは、日野家用人・垣見五郎兵衛 ・・・・
大石内蔵助一行は、討ち入りの武器と一緒にいよいよ江戸に向かった。(東下り)
ただ大石たちが荷物と一緒に江戸に向かっているとなると、関所が通過できない。丁度その頃、日野家の垣見五郎兵衛たちが、今でいうところの、宮内庁御用達品を江戸まで運ぶ予定であるという情報を入手した。
大石たちは、この垣見の名前をかたって、東海道を江戸に向かった。
途中の宿場で、運悪く玄関に「垣見五郎兵衛御宿」という表示を見つけてしまう。他人の名前をかたる不届き者め、と垣見は大石の部屋に押しかけ、「けしからん奴だ。」と言うと、大石は「何をたわけた事を。私が本物の垣見五郎兵衛である。」と言う。
「本物ならその証拠を見せろ。御用達品の目録を拝見したい。」と垣見。
大石が書状を渡す。しかし、渡された書状を広げると、それは白紙だった。
目録は白紙だった
大石の脇に置かれた書状を包んでいた袱紗の家紋を見ると、それは「丸に違い鷹の羽」。間違いなく、浅野家の家紋であった。「確かに本物である。大変失礼を致した。」といって本物の垣見はすべてを察して引き下がるのだった。
歌舞伎の「勧進帳」をモチーフにしたフィクションだが、日本人はこれがたまらない。
その時、大石たちが運んでいた討ち入りで必要な武器は、大坂の商人である天野屋利兵衛が調達したものだった。
赤穂義士たちのために武器を製作したという疑いで、役人に捕縛され拷問によって自白を強要された天野屋利兵衛は、それにとことん耐え決して白状しなかった。その時吐いた一言が、有名な「天野屋利兵衛は、、男でござる。」であった。
男、天野屋利兵衛
最後の一人は、俵星玄蕃(たわらぼしげんば)という槍の達人である。
これは、三波春夫の十八番「元禄名槍譜 俵星玄番」という歌謡浪曲を聞けば、どういう話なのか簡単に分かる。YouTube で検索して、是非一度聴いてほしい。
討入りの最中、「一人の浪士が、雪をけ立てて、サク、サク、サク・サク・サク・サク・・・、先生!」「おう!そ~ば~や~かぁ~!!」
おう!蕎麦屋かぁぁ!!
一番感動するところである。一人の浪士とは、討入り前に吉良邸の前で夜泣き蕎麦屋になって、様子を探っていた四十七士のひとり、杉野十兵次であった。
蕎麦屋の常連であった俵星と懇意になったのだった。その俵星玄番は赤穂浪士を贔屓にしていたので、陣太鼓を聴いて吉良邸に馳せ参じて、助太刀を申し出たのだが、丁重に断られたため、門外で吉良邸に入ろうとする侍を通せんぼしたようだ。
「元禄名槍譜 俵星玄番」は、その作詞を三波春夫本人が担当していて、その出来栄えはすばらしいものだと思う。これこそ、立派な文化遺産ではないかと思うのだが・・・。
テレビ時代になる前は、映画会社各社が競って忠臣蔵の映画を作ったものだったようだ。判官贔屓の日本人には、赤穂浪士の話はたまらない。
実際にあった事件だが、歌舞伎や浄瑠璃や講談として演じられるたびに、創作のキャラクターが登場したりしてきた。
また、その脇役たちが極めて心憎い役割を演じていて、「忠臣蔵」のエピソードを面白くしている。
その中でも、私の好きな脇役ベスト3を紹介させていただく。
まずは、日野家用人・垣見五郎兵衛 ・・・・
大石内蔵助一行は、討ち入りの武器と一緒にいよいよ江戸に向かった。(東下り)
ただ大石たちが荷物と一緒に江戸に向かっているとなると、関所が通過できない。丁度その頃、日野家の垣見五郎兵衛たちが、今でいうところの、宮内庁御用達品を江戸まで運ぶ予定であるという情報を入手した。
大石たちは、この垣見の名前をかたって、東海道を江戸に向かった。
途中の宿場で、運悪く玄関に「垣見五郎兵衛御宿」という表示を見つけてしまう。他人の名前をかたる不届き者め、と垣見は大石の部屋に押しかけ、「けしからん奴だ。」と言うと、大石は「何をたわけた事を。私が本物の垣見五郎兵衛である。」と言う。
「本物ならその証拠を見せろ。御用達品の目録を拝見したい。」と垣見。
大石が書状を渡す。しかし、渡された書状を広げると、それは白紙だった。
目録は白紙だった
大石の脇に置かれた書状を包んでいた袱紗の家紋を見ると、それは「丸に違い鷹の羽」。間違いなく、浅野家の家紋であった。「確かに本物である。大変失礼を致した。」といって本物の垣見はすべてを察して引き下がるのだった。
歌舞伎の「勧進帳」をモチーフにしたフィクションだが、日本人はこれがたまらない。
その時、大石たちが運んでいた討ち入りで必要な武器は、大坂の商人である天野屋利兵衛が調達したものだった。
赤穂義士たちのために武器を製作したという疑いで、役人に捕縛され拷問によって自白を強要された天野屋利兵衛は、それにとことん耐え決して白状しなかった。その時吐いた一言が、有名な「天野屋利兵衛は、、男でござる。」であった。
男、天野屋利兵衛
最後の一人は、俵星玄蕃(たわらぼしげんば)という槍の達人である。
これは、三波春夫の十八番「元禄名槍譜 俵星玄番」という歌謡浪曲を聞けば、どういう話なのか簡単に分かる。YouTube で検索して、是非一度聴いてほしい。
討入りの最中、「一人の浪士が、雪をけ立てて、サク、サク、サク・サク・サク・サク・・・、先生!」「おう!そ~ば~や~かぁ~!!」
おう!蕎麦屋かぁぁ!!
一番感動するところである。一人の浪士とは、討入り前に吉良邸の前で夜泣き蕎麦屋になって、様子を探っていた四十七士のひとり、杉野十兵次であった。
蕎麦屋の常連であった俵星と懇意になったのだった。その俵星玄番は赤穂浪士を贔屓にしていたので、陣太鼓を聴いて吉良邸に馳せ参じて、助太刀を申し出たのだが、丁重に断られたため、門外で吉良邸に入ろうとする侍を通せんぼしたようだ。
「元禄名槍譜 俵星玄番」は、その作詞を三波春夫本人が担当していて、その出来栄えはすばらしいものだと思う。これこそ、立派な文化遺産ではないかと思うのだが・・・。
話変わって、今年も孫二人様の骨のあるビシッとした記事に色々と学ばせて頂きました。有難うございました。来年もまたどうぞ宜しくお願い致します。新年が良いお年でありますように。
忠臣蔵の放送はまったく無くなったわけではないようで、かろうじて年末の定番であるようです。
昨年、俵星玄蕃をカラオケで歌ってみましたが、途中からグチャグチャになっちゃいました(笑)
平成30年は、八方ふさがりの歳でしたので、それを無事乗り越えたのが何よりうれしいです。
お互いの新年がすばらしい一年になりますよう、祈念します。