脳のドーパミンの分泌が低下して発症するパーキンソン病は、加齢に従って足取りのふらつきや身体のバランスがうまくとれなかったり、その他いろんな症状を発症し、最終的には車椅子生活や寝たきり状態になると報告されています。現在、ドーパミン(神経伝達物質であり、脳内ホルモンでもある)を補充するドーパミンの前駆体のL-ドーパが臨床に用いられていますが、今回は、パーキンソン病でホモシステイン値が上昇するので、その上昇を抑える作用がビタミンB群にあると報告されているので、そのビタミンB群について考えて行きたい、と思います。
Shen L博士によると、ビタミンB群は、ホモシステイン値の制御作用により、パーキンソン病と相関している可能性があります。パーキンソン病患者は、対照に比べて血中ビタミンB12濃度が低く、また、利用可能なデータでは、ビタミンB6の食事での高摂取は、パーキンソン病のリスクを軽減(オッズ比0.65,かつ95%信頼期間のconfidence intervalsが0.30,1.01)し、一方、対照に比べて、葉酸(ビタミンM)の食事性摂取では、対照に比べてはっきりした相関は観察されなかった、と報告されています。
一方、Lizarraga博士とLang博士らによると、L-ドーパとビタミンB6、それにビタミンB12との相互作用は、パーキンソン病の患者にとって複雑で、重要であると博士らは指摘しています。ちなみに、L-ドーパとビタミンB6は相互作用を示し、ビタミンB6の摂取量が多いほどL-ドーパのパーキンソン病への効果が弱まり、ビタミンB6の摂取量が50mg/日以上ではL-ドーパの効果が弱まり、また、牛乳など蛋白質食品でもL-ドーパの効果が弱まり、逆に、レモンやビタミンCなど酸っぱい食品は、L-ドーパの吸収が高まります。また、L-ドーパは亜鉛やビタミンB12の吸収を減少さす可能性があると、報告されています。これらの事を参考にしても、やはり、パーキンソン病患者は、ビタミンB6やビタミンB12を量に気を付けながら、摂取したほうが有益と考えますが、これら等に関して更なる研究の積み重ねが待たれます。
References
Shen L. Associations between Bvitamins and Parkinson's desease. Nutrients, 2015, aug27
Ana Sardoeira. Reply: VB6 and VB12, Levodopa, andtheir complex interaactions in patients with Parkinson's desease. Brain, Vol145, Issue9, Sept2022, pagee79-e80
Amit Akirov, MD. Therapeutic options for peripheral neuropathy in parkinson disese. Neurology ADUISOR. June15,2020
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