グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

白い虫の物語

2010年07月14日 | 
水曜の海情報に代わり、今日は虫のお話です。

実は先週雨の中のナイト下見で、土手の上におかしな光景を見たのです。
黒い土の上に白い虫が何匹も見つかりました。

白い虫はこれ。

アオバハゴロモの幼虫です。

(アオバハゴロモについては昨年の8月1日の日記で願法が報告しているので
興味のある方はご覧ください。)

ジッと止まって雨に打たれている者、ソロソロと移動する者、様々ですが
私が不思議だったのは「一体なぜこんな場所に出てきているの?」という事でした。

何しろアオバハゴロモの幼虫と言えば集まって植物の茎にとまっているか
葉についている状態でしか見た記憶がありません。

それが何でわざわざ雨の日に、土手の上に散らばっているのでしょう?
「樹液だけでは足りなくて、土でも舐めているのだろうか??」と想像を膨らませたのですが… 
色々調べたけれど、どこにもそんな記述はありませんでした。(笑)

翌日の昼、同じ場所へ行ってみたら、白い幼虫たちは1匹も土手にはいませんでした。
そして、いつものように植物の葉や茎にしがみついていました。

「では、あの日は雨粒に打たれて落下したのかな?なにしろ幼虫には翅が無いし…?」

何だかスッキリしないので、夜またその場所へ行ってみました。
この日1日雨は降らず、土も乾いていました。
そして、白い幼虫は…。

いました!
雨の日ほど数は多くないものの、黒い土の上を活発に歩きまわっています。

体が濡れていないので、白いロウ物質の衣装もなかなか華やかです。

こんな華やかな衣装で、昼間黒い土の上を歩きまわったらアッという間に捕食者に見つかってしまうでしょう。

アオバハゴロモの幼虫たちは、捕食者からのがれ、夜の闇を利用して、
よりおいしい樹液の出る場所へ移動しているのかもしれませんね。

さて、こんな風にアオバハゴロモ幼虫観察に夢中になっていたある日の夕方。
家の玄関付近に居るアオバハゴロモの幼虫達のそばに、同じ質感の白い塊を見つけました。

ちょっと大きくて、妙に丸い変な形です。
「??」不思議に思って手に取ったら…足が出てきて動き出しました!!!


ちょっとつついてみたら、ひっくり返ってバタバタ暴れています!

「こ、これはクサカゲロウ幼虫?」

クサカゲロウの幼虫ってアブラムシだけじゃなくて、ロウ物質に包まれたアオバハゴロモも食べるのでしょうか?

調べてみたら、クサカゲロウも何種類もいて、中にはアオバハゴロモの幼虫の体液を吸い取り、
死骸を背負って暮らす者もいるようです。

しかし、これは積み上げすぎですよね?
動く時もヨロヨロしていました!


そして今日、車で走っていたらフロントガラスにアオバハゴロモ成虫が飛んできて張り付きました。
(今年初の成虫です。)

これは労力を使わずに、楽に新天地に移動する新たな戦略でしょうか~?
(そこまで考えてないか!)

今年は何だかこの虫達と縁がありそうな予感がします。
楽しい夏になるといいな~。

(カナ)



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