グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

大先輩でした!

2016年03月10日 | ツアー
今日は日帰りでいらした、3名のお客様を案内しました。

「特に火口にこだわらない。大島らしい自然を歩きたい」というリクエストだったので、森~裏砂漠を2時間半ぐらいで歩き、残った時間で他を回る計画で出発。

皆さん、とても植物について詳しい方達で、立派なカメラを持参されていました。


そして大島の“サルトリイバラ”という植物が「敵がいないのでトゲをなくしたと言われている」というお話をしたところ、お客様は「ツル植物のトゲは、防衛よりも物に引っかけて上に這い上るために使われることが多いのです。だからトゲが下向きについているんですよ。」と教えてくれました。

「ほら、これとか」と、アズマノイバラのトゲを見せてくれるお客様。

…なるほど。
…しかしなんだか皆さん普通の人ではない感じが(笑)

不思議に思って、普段何をされているのか聞いてみました。

そうしたら、全員が自然保護協会の観察指導員で20~30年ぐらい活動されている方達だとわかりました!←この時点で私の感覚は完全に“ツアー”から“勉強会”に(笑)

…で、大島らしい火山の風景を見ていただこうと、またまた「黒い溶岩流」へ!

なぜか最近、足繁くここへ通っているような(笑)

火山の景色を楽しんだ後「あ、木が生えている!」と溶岩流脇にはえている常緑の木を観察。


「あ、シダが生えている」

…と、次々に発見、観察。

あれ?
普通は暗い森にはえるオオシマカンスゲが、この砂漠のような環境にはえていました。


「ここは他よりも枯れ葉の量が多く養分があるのではないか?」とお客様。

確かに、枯れ葉がかなり高く積もっていました。

まん丸いハチジョウイボタの実が…

本土ではもっと長細いということも教えてもらいました。

ススキの花が同じ方向に向いているのは「風をやり過ごすためではないか?」ということも話題になりました。


驚いたのは「(本土の)ヤシャブシの雄花には普通香りがあって近づいたらわかるのに、オオバヤシャブシの雄花は匂わない!」という言葉でした。

これもオオバヤシャブシが「敵が少ない島ぐらし」に適応した結果なのでしょうか??

ところで樹海の中には最近、新しい木の屑が散らばっていることがよくあります。
フレッシュな噛み痕をつけたのは誰?

「たぶんタイワンリスの仕業だろう」ということで意見が一致しました。もしかしたらタイワンリスが、キツツキのように枯れ木の中の虫を食べるように変化していたりして??

お客様は森の中の地面を観察しながら歩き…

ランの葉を、たくさん発見されていました。

メッシュ模様が入ったカゴメランの葉。

葉が綺麗で楽しめる、この手のランの仲間達は「ジュエリーオーキッド」と呼ばれているのだそうです。「あるところにはあるもんだね~」と、皆さんとても嬉しそうでした。

昼食には温泉ホテル駐車場で、お湯を沸かして味噌汁やコーヒーを作ってくれました。

私も島のお菓子やお茶は持ち歩いていますが、その場でお湯を沸かして飲むコーヒーはとても美味しかったです!(しかし、誰がガイドなんだか(^_^;)

下山中に見事なハチジョウキブシの木を見つけ、撮影しました。


「雌花と雄花が両方撮れる」「ここ良いね!」と全員で大絶賛しながら写真を撮りました。

大島らしい春の風景を、皆さんと一緒に楽しめて嬉しかったです。

ツアーご参加、ありがとうございました!
 
(カナ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする