グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオからみる椿・大島公園の取り組み

2015年12月10日 | 火山・ジオパーク
12月6日(日)「ジオからみる椿 国際優秀ツバキ園認定に向けた大島公園の取り組み」というジオパーク推進委員会主催の学習会が開催され、30数名が集まりました。

温暖で水はけの良い土壌を好み、火山ガスや海風にも強いツバキは、縄文時代から大島に自生。
椿油、防風林、炭、肥料、木工など、人の暮らしに余すところなく利用されて来ました。

同時に、色や形が変化しやすいツバキの花は、花を愛でる人達に愛されてきました。
大島公園は、園内に約1.000品種、3.200本のツバキの園芸品種と5.000本のヤブツバキが植えられている「日本最大級の椿園」と言われています。

ここで…というか、ここと大島高校と椿花ガーデンの3施設合同で「国際優秀ツバキ園」登録への取り組みが始まったのは昨年の夏だそうです。
(詳細はこちらへhttp://www.soumu.metro.tokyo.jp/11osima/window/cameliaindex.html

申請に当たっては、園内のどこに何が埋まっているかの地図がなければならず、それを作るのが大変だったそう。

配布された資料には、全ての木の学名や和名などをまとめた何枚もの表や…


それを一つ一つ記入した地図が入っていました。

1つの区画だけでも48本あるのに、それが53区画あります!

1区画がちょうどリンゴ1個ぐらいの大きさの、巻物のような地図です!(1の区画に本物のリンゴを置いてみました)

この作業、大変だったでしょうね~(感心)

ネームタグは全部色分けされ、野生種が黒、園芸品種が茶、外国で品種改良されたものが緑、江戸ツバキが白なのだそうです。


花のない時期にも花を楽しんでもらうため、スマホをかざすと花の写真と説明が出てくるQRコード(?)も配置。


実演して見せてくれました。


早いものは11月ぐらいに咲き始め、5月頃まで約半年、花が見られるツバキ。

ツバキは虫のいない冬に花を開き、鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花。
鳥は虫ほど数が多くないので、受粉できるよう長い期間かけて咲くのだそうです。

園内を細かく調べた結果、樹高20m位の巨木になるスダジイ(野生種)などの下では、光不足で元気がなくなる木が多いが、ヤブツバキのような野生種は生きていけることがわかったのだそうです。


そして「スダジイが点在しているのは、もしかしたら噴火が作った地形に関係があるのではないか?」と「国際優秀ツバキ園」の仕掛け人でもある大島支庁土木課長が、火山地質図と航空写真を比べながら持論を展開。

丁寧な説明と共に質問もいっぱい出るので、なかなか前へ進みません(笑)

花のない時期に葉を楽しんでもらえるようにと、変わった葉の生えている木の周囲はロープ柵を外し、自由に入れるようになっていました。

金魚のような葉や…


葉が2段になっている様子も、目の前で観察できるようになりました。

踏み荒らすことの影響を少なくするよう、様子を見て順次公開する場所を変えていくのだそうです。様々な新しい試み…スバラシイです。

他にも様々な説明がありましたが、全部は書き切れないので今日はこのへんで…。

最後に、同じ「国際優秀ツバキ園」に申請した「大島高校」の農林科2年生から挨拶がありました。高校生のエコ活動を発表する場で「椿の島のエコ活動」として発表してきます」という内容でした。

高校生、カッコいい~!

やることで、関わることで学び、学べば学ぶほど楽しくなるのは、日々のジオパーク活動で実感していることです。

「伊豆大島ジオパーク」みんなで楽しんでます!

(カナ)



コメント
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