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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

霧と雲と溶岩

2014年08月05日 | ツアー
今日は、化石や石が大好きな小学生の兄弟とお母さんの1日ツアーをガイドしました。

化石堀りが大好きで、何回か化石堀りツアーに参加したり、茨城硯北ジオパークのジオツアーにも参加したことがあるというご家族。お母さんは、大学で天文学を学び、解説の仕事をしていたこともあるそうです。

山は今日も濃霧でしたが、子ども達には足もとの石で次々に色々なものを見つけ、とても楽しそうでした。

縄模様の溶岩を見ながら…

「こうやって(溶岩が)回ったんじゃない?」とクルクル回転。

「あ、ここで流れが曲がってるよ。」

確かにカクッと曲がっていました。
観察力あるなぁ~と思っていたら、さらに…

「この溶岩、色が違うよ。(この写真の)下は穴が大きいからゆっくり流れた溶岩で、上は穴が小さくてつぶれているから速く流れたんだね。」

…何という推察力!
彼は将来、火山の研究者になるのではないか?と、本気で思いました(笑)。

そして、持っていたコーラを横において「コーラ溶岩だよ」

ヒエ~、マグマの発泡とコーラの泡が同じような理屈で生じることを、たった1回の説明でシッカリ理解してくれています!もう、ビックリです。

「これ、すごい美味しそう。まるでチョコレートだ!」

本当に、溶けたチョコレートそっくりな岩を見つけてくれました。
「溶岩チョコレート作ればいいのに。」と提案がありました~。

「この岩、犬に見えるよ。」
「耳つけてみた。」

…とっても楽しそう。
霧は全く問題ではないようです。

溶岩チューブに開いた穴の中に、小さな葉っぱが開いていました。

「ビニールハウス…いや、溶岩ハウスだね。」と、お母さん。
素敵な家族だぁ~。

1986年に三原山を流れ下った溶岩の上で、逞しいハチジョウイタドリが最初に生えて栄養を作り、そこに他の植物が入ってくるという話しをした時には…

「民宿だね。」と弟君。

葉の形で一度でイタドリを覚えたらしく、以後違う場所で、人の背丈ほどに伸びたイタドリを見ても「あ、民宿だ。」と言っていました。(感心)

霧の山を下り、1986年に元町に向かって流れた溶岩の上を歩いた時も…
「これ、お月様みたい」


「これは武器になるよ」

と、アイデアは次々。

ここで、天文学を学んでいたお母さんが「あ、あそこで雲ができていますよ」と教えてくれました。

濃霧の山を歩きながら、海水が蒸発し、南西の風に吹かれて山を登ると冷えて水滴になる「島曇り」の話しをしていたのを、覚えていてくれたのです。

青空の一点で生まれた雲は、次々に山の上を流れていきました。

「さっきまで、あの中にいたんだね~。」と、みんなで雲に見とれました。

丸くてコロコロの「火山豆石」を見に、筆島海岸にも行きました。
2色になった小石を見つけ…


“2色の石のアパート”を作成する弟君。

激しい噴火で火山灰にめり込んだ石が、まるで置物のようになっている景色を「面白いなぁ」と思って見てはいましたが、何かのアパートだなんて、発想はありませんでした。

立派なアパートに見えてきましたよ~。


お兄ちゃんは、青い海に向かって石投げ。

「届いたよ!」と嬉しそう。
このあと、トビウオのジャンプも見つけていました。

さて最後は「再び雲の中へ行きましょう。」と言うことで、裏砂漠を目指しました。
道中で地層好きのご家族にあわせて、寄り道してみました。

一昨年、道路工事で出てきたシマシマの地層。
セミの声が大音響でこだまする森の中。

久しぶりに訪れたら、コケがシマシマを作っていました。
「同じ層にコケが生えるんだね」と全員。

で、ついに裏砂漠に到達しました。

ここは、下から山を見上げた時に、次々にできていた雲の中。
黒と白の不思議な世界を楽しみました。

あ~、面白かった。

(カナ)

コメント (2)
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