グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

地球はスゴイなぁ。

2014年07月22日 | ツアー
今日の朝9時過ぎに、ガイド依頼の電話が入りました。
山頂口駐車場の看板を見ての申し込みとのこと。

山頂口駐車場には、今年に入ってから新しい看板が立っています。

今までの看板よりもずっとシンプルになり、「楽々コース」「山頂コース」「探険コース」に分けて紹介されています。

そして探険コースの説明にはこんな言葉が…。

これを読んで、観光協会に問い合わせてくれたようです。

「説明付きで歩きたい。待っていますから。」とお客様。
こういうリクエスト、うれしいですね~。

で、海に行く予定を変更し、バタバタと慌ただしく支度をして10時には山頂口駐車場へ。
自宅周りは青空だし天気予報も晴れマークだったので、炎天下を歩くつもりだったのですが…

三原山の周りだけでした(笑)。
(写真の白い部分に、三原山があります。)

いつものように、近くのものを観察しながら歩き始めました。
溶岩がドクドク流れ出した様子がわかる景色の前でのお客様の会話は…

「赤い時に触ってみたい!」by男性。(その気持ち、わかります。絶対やけどしますけど。)
「これが島になったんだよね。」by女性。(そうなんです。噴火が島を作ってきたんです~。)

男性はインド出身で、26年前に日本に来たとのこと。

遊歩道に落ちていた馬糞を見て「インドには馬を南向きに置いておくと金運が良くなるという言い伝えがある。馬糞や牛糞は役に立つ。燃料になる他,家の材料にもなる。竹板を重ね隙間に牛糞、馬糞を塗ると、乾いて固まり、涼しいし虫除けにもなる。」と教えてくれました。

なんて素敵なリサイクル!

1986年の溶岩流の上では、ユリの花が一輪、咲いているのを見つけました。

昨年までは、ユリは咲いていなかったような気がします。
噴火後27年の歳月が、ユリが花を咲かせるための土を作ったのでしょうね。

ゴマダラカミキリは子孫を残すために懸命だし…


黒っぽい色のトノサマバッタ(たぶん)も発見。

以前見た黒いバッタが成長したのでしょうか?

27年前に火口から溢れた溶岩が、冷え固まってできた平原も霧で幻想的な雰囲気でした。

「これは神様にしか作れない風景だ。人間にできることじゃない。」by男性。

神様が作った風景…

本当にそうだなぁと思いました。

さて火口展望所も真っ白でしたが、ここでお客様は腰から下げていた「ティンシャ(チベットの密教法具)」を取り出し、火口の方向に向かって打ち鳴らしました。

ティンシャは人を癒し、場を浄化する効果があるそうです。

高温の澄んだ音色が鳴り響き…そして一瞬、火口の縁が見えました!

今日は本当に霧が濃かったので、火口の縁が見えたのは、この時だけでした。
もしかしたらティンシャの美しい音色が、三原山に聞こえたのかもしれません。

一昨日命名した「癒しの岩」

この位置から左手の外輪山も見えないほどの濃い霧に包まれるのは久しぶりです。

霧と大地だけの世界。

まるでクーラーをかけているかのような涼しさでした。

ところで、ツアー中の会話で「なるほど」と思ったお客様の言葉がいくつかありましたが、そのうちの1つがこれでした。

「地球はスゴイなぁ。自分を冷やすことも燃やすこともできるんだから。」

確かに地球は、マグマの熱で地上のものを焼き払ったり、雨や霧や風で冷やしたりしながら、生きていると言えるかも…。こんなふうに感じられるお客様の感性を、「素敵だなぁ」と思いました。

(カナ)
コメント (4)
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