goo blog サービス終了のお知らせ 

グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

春の兆し

2010年02月09日 | 哺乳類、爬虫類、他
 今日は風が強い一日でしたが、南西から吹いてくる風は生暖かく、なんだか2月とは思えない一日でした。

 さて、昨夜妻から「ヒキガエルの卵を見たよ」と教えてもらいました。
早速、今日行って写真を撮ってきました。
 ヒキガエル自体は1月31日に冬眠から目覚めて歩き回っていたり抱接していたりしているところを目撃していたのですが、他のガイドスタッフは1月28日に初認したそうです。

何匹写っているかわかりますか?4匹は写っています。


ちょっと暗いですが、抱接しているペアです。



 その後、数箇所の産卵場所を時々見ていたのですが、なかなか産卵には至っていないようでしたので、おそらく一昨日の夜に産卵したものと思われます。

こちらの長いのが卵です。泥をかぶっていて見えませんが、透明のヒモ状の寒天質のなかに黒い胚がたくさん入っているのです。



 ところで、一口にヒキガエルと言っても日本には3種類の在来のヒキガエルと、1種類の外来のヒキガエルが確認されています。

 伊豆大島に居るものは東京都内などに居るものと同じアズマヒキガエルという東日本に分布する種類です。西日本には別亜種のニホンヒキガエルが居ますが、見た目は非常によく似ています。

 伊豆大島は暖かいのか東京本土などに比べて繁殖シーズンが早いようです。冬眠に入るのも遅く、比較的低温や乾燥に強いカエルなので12月半ばごろまで歩き回っているのを見ていましたから、実際に冬眠しているのはわずか1ヶ月ほどの期間しかありません。

もっとも、産卵を終えてからもう一度冬眠し直しているのだと思いますが…。

 日本国内のあちこちでヒキガエル類の集団産卵は「カエル合戦」などと呼ばれ、この時期の風物詩のように親しまれていますが、伊豆大島にヒキガエルはもともと居なかったのです。

 以前の日記で、伊豆大島にはモリアオガエル、ツチガエル、アズマヒキガエルの3種類のカエルが生息していると書きましたが、これら全てが移入種です。
 正しく言えば「国内移入種」と言います。例えば、食用ガエルとして有名なウシガエルは、1980年代には伊豆大島にも一時居たようですが、北アメリカから持ち込まれた国外移入種。それに対し、日本国産の生物が、国内のその生物が本来生息しなかった地域に持ち込まれたものを「国内移入種」といいます。広い意味では、どちらも「外来種」と言われるものです。

いつ頃、何の為に持ち込まれたのかのかはわかりませんでしたが、先日島で生まれ育った方とお話していた時に、「ヒキガエルは小笠原返還後2年くらいしてから見られはじめた」と聞きました。なので、おそらく持ち込まれたのはそれよりも2,3年前のことなのでしょう。小笠原返還は1968年のことだったので、おそらくその頃ヒキガエルたちは伊豆大島に連れてこられたのだと思います。今から42年前になります。意外と最近だなぁ…。
 
 島の生態系を大きく乱したであろうこのヒキガエル君たちですが、彼らが悪いわけではないのでなんともやりきれない気持ちです。

 そんな春の兆しを感じつつ帰宅すると、ナナホシテントウが地面を歩いていました。この生暖かさにつられて冬眠から目覚めてしまったのでしょうか。



写真を撮っていると迷惑そうに飛び立ちました。



なんだか春が来たような錯覚にとらわれました。
あと2回くらいは寒くなるんだろうな~(^▽^;)

(あまの)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まいまいの殻 

2009年12月27日 | 哺乳類、爬虫類、他

今日も風もなくいいお天気でした^^
泉津の遊歩道を少しお散歩。


ヤブニッケイ??
赤の色素を出しながらのかわいい芽生え、目立っていました^^

そして

勲章グサを見つけて喜んで胸に貼りつけ遊びました・・・^^
アップにするとこんな感じ↓

小さな葉っぱの面から柄からすべてがギザギザしているのがわかりますね!
これならひっつくはず♪
それにしても花のようにかわいい葉っぱですね!
(花もかわいいらしいです!)



そして、今度はイヌマキ?と思う古い木に目がとまりました。
表皮がボロボロで「どうしたんでしょう?」と話しながら、その剥がれかけた皮の一部をペロっとめくってみました。
すると、皮の中には小さなカタツムリが休んでいました!

木の皮の中でぬくぬくと冬眠しようと思ったのでしょうね~^^
眩しくしちゃってごめんね。
あら素敵な殻ですね~、ちょっと見せて♪


なんと殻を作っている最中のようですね!
出口に一番近い部分が半透明なのがわかりますか?!

カタツムリさん、冬眠の間にかなり成長するらしいのです。
きっと、暖かくなってくると今日見たサイズよりもっとビッグになって表に出てくるのですね^^
こうやって成長する段階ごとに、殻に横線がつくのだそうです^^

カタツムリを調べてビックリしたのが2つ。
1つ目は、カタツムリの殻は汚れないのですって!!
すごいですね~っ、どんな仕組みなのでしょう?!

そして2つ目は、1ミリぐらいの小さな卵を土の中に産卵して、海の貝と同じように孵化してクルリンとかわいい貝になっていく、という成長過程・・・!
わぉ~、そんなシーン、まだ陸上で見たことがないな!!

と、えらくわくわくしましたので、暖かくなってからの産卵シーズンにはちょっとカタツムリさんの生態にも目を向けてみようかと思いましたっ。

報告、楽しみにお待ちください!!

(友)





コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

移行中?!

2009年09月27日 | 哺乳類、爬虫類、他
今日の日記のジャンルは「海」にするかどうか?と悩みました。
写真をみて分かるように、これはヨコエビの仲間。
普通に考えたら、海の生物です。
(少し前に山ガイドをしていて見つけました)
だけど、見つけたのは、なんと三原山のカルデラ内なのです!

どういうこと?!
気になったので、持ちかえって海スタッフに聞いてみました。
ん~~、ヨコエビの仲間だろうねぇ。
と言いながら、あっという間に、「これだこれ!」という写真を図鑑から引っ張り出してきてくれます^^

どうやらこれはハマトビムシと言って、砂浜をピョンピョンしてるヤツではないかと。

やっぱり海のものっ。山にいるはずがないのだとすると、誰かが運んだのかね~・・。

「No! No!」
もっと読み進めると、ちゃんと書いてありました!
なんと彼らは今、海から陸へ、その生存域を移行中のようです^^
アマゾンの山奥では、岩の下などで彼らのピョンピョンする姿を確認できるのだそうです!

私が三原山で見つけたのは、残念ながら死後時間のたったものでしたが、気をつけて見ていけばそのうち、生きているハマトビムシに山で会えるかもしれませんね♪

生活の場所を移行する生物だなんて、すごくワクワクしますね!
続報を楽しみにしていて下さい^-^

さて今日は、ナイトツアーも行ってきました。
もう気候も寒かったので、カエルもヘビも出ず・・
気温がすでに下がっているので、虫もあんまり飛ばず、おかげで
コウモリが観察できなかったです(T_T)

漁港も小さな波がバチャバチャしているので魚さんも見づらかったです--;
でも辛うじて夜光虫の光を確認することができました。
公園の光に寄ってきたゴマフボクトウを見る事が出来ました!
綺麗な星と月と、天然記念物のオカヤドカリさんを見て今年最後かと思うナイトツアーを無事終了しました!

また来年もさらに歩きを重ねて、夜の見どころをご案内したいと思います!

(友)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

性は温度で決まる

2009年09月18日 | 哺乳類、爬虫類、他
 美しいシュスランの花の次に、ちょっと気が引けるなあ・・・失敗したタコ焼きみたいな・・・発泡トレーにのっているけど、実はこれウミガメのタマゴです。左側8個は生きていません。

 先週の日記に書いた産卵巣(さんらんそう)調査観察会の時、初参加の方から孵卵途中で除去した「生きていない卵」って、どうして分かるんですか? と、ご質問を受けたので、この場をお借りしてご覧頂きます。

 私たちが普段食べているタマゴ---鶏卵(玉子)は、カラが硬くて、中で胚が生きているのか?いないのか? 分からないですね。分からないから良いんでしょうか?! カメの卵のカラは、薄くてやわらかでマンマル。

 未受精卵(無精卵)や、胚発生が途中で停止して死んでしまった卵は、日数が経ったものなら、こんなふうに外見で分かります。

 産卵地点が波打ち際に近く、台風の接近で何度も波をかぶって砂が堆積したので、卵を掘り出してもう少し安全な場所へ移しました。浜が侵食されて卵が流出してしまいそうな場合や人間の盗掘や動物の食害の危険がある場合などに行なう保護の方法で、「卵の移植」と言います。移植の時に、明らかに生きていない卵8個を除去しました。

 先週、孵卵温度と期間の関係を書きましたが、これには続きがあります。ウミガメ類は卵の時の温度---孵卵温度で♀♂(雌雄:性)が決まります。温度に依存して性決定がされるので「温度依存性決定(TSD:temperature-dependent sex determination)」と言われる現象・様式です。このことがあるので、移植は慎重にしなくてはいけません。生まれる子ガメの性別を変えてしまう可能性があるからです。

 孵卵期間の中程の期間、温度が約29度で、生まれてくる子ガメはオス50%メス50%になるそうです。これが26~28度ではオス100%、32~34度ではメス100%とのこと。地温が高くなりがちな大島では、メスの子ガメが多く生まれているということですが、子ガメの時には外見上で雌雄が判別できないんですー。(苦!)

 8月上旬までずっと雨が多く地温が低めでしたので、見送った6匹の子ガメは男の子だったはず、と地温計測から推察してます。

 北上中の14号、台風一過、秋晴れが続いて欲しいなあ・・・次の孵化のために。


 なお、ウミガメの卵の採取は、東京都の漁業調整規則などで禁止されています。東京都漁業調整委員会から特別な承認を得た東京都農林水産総合センターに調査協力して活動しています。
   
(なるせ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子ガメの出発

2009年09月11日 | 哺乳類、爬虫類、他
 写真は先週の土曜日、夕日の中を海へと出発する子ガメを見送ってくれた方々のシルエットです。鮮度が良くない話題ですが、ウミガメの卵のその後をご報告します。

 この夏は、梅雨がいつまでも続いたので、6~7月と8月上旬の地温が低めでした。そのため、カメの卵の孵化日数が例年に比べ延びました。ウミガメの卵は積算温度で孵化するため、孵化させる地温が低ければ長期化し、地温が高ければ短期になります。

 砂浜の地表下40~60センチくらいの所に、平均110個程の卵(ピンポン玉大)が
埋められています。この深さが卵の孵化に必要な適度な温度と湿度が維持される絶妙な設定なのです。その産卵巣の穴は、母ガメが後ろ足を交互に使って器用に掘ったものです。

 砂浜に卵をあずけて(薄情にも!)置き去りにしてしまうのですが、そうだからこそ慎重に産む場所選びをして「ここだ!」と決めて上陸・産卵しているはずです。そこが大島だというのが、いいじゃないですか!

 丁度、台風11号が伊豆諸島の東側を通過した翌日の9月1日、朝の見回りに行ってみると、保護柵の中から7本の足跡のスジが波打ち際まで続いているのが確認できました!7月8日の夜、母がメが産卵してから、54日が経ちました。

 大島で産卵するウミガメ2種(アオウミガメ・アカウミガメ)は、通常夜間に上陸します。そして子ガメたちも、だいたい夜の内に砂の中から脱出して海へと旅立って行きます。昼間の浜辺や陸の近くには外敵(捕食者)などの危険が多いから、こんな隠密行動の習性が身に付いたのでしょうね。

 夜の暗い内に出来るだけ陸地から離れて、うまく黒潮の流れに乗れれば、流木や流れ藻に身を隠しながら・・・遠くアメリカ大陸沿岸の美味しい大好物がたくさんの海域まで辿り着けるかも知れません。小さな子ガメの長旅を思うと無事を願わずにはいられませんね~。

 9月2~5日の間、毎朝見回っていましたが、子ガメが脱出した跡がないので、5日の夕方に産卵巣を掘って調べました。それで分かったのは、台風が接近してきた30日の夜に荒れた海へ出て行った子ガメもいたことです。そして、自力で脱出できずに生き埋めになっていた6匹の子ガメを夕日が沈む頃、みんなで見送りました。



 今度は子ガメの写真を上手に撮って載せたいものです(汗)   (なるせ)
 

 

  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウミガメの上陸・2

2009年08月21日 | 哺乳類、爬虫類、他
 写真は、今朝の浜辺に残されたウミガメの上陸痕跡です。メジャーで足跡の幅を計ったところ、80センチ程で、小さい(若い?)個体と思われます。幅の広いものになると、1メートル30センチもあります。当ブログ7月10日に書いたカメは、約95センチでしたから、別の母ガメだと分かります。足跡のパターンの違いで、種の違いも分かり、これはアカウミガメです。

 同じ母ガメが、同じシーズンに数回産卵することは珍しいことではないようですが、今季の大島では2頭の産卵を1回ずつ確認したのみです。去年は全国的にウミガメの上陸・産卵が多かったのですが、その反動で(?)今年は全国的に少ないようです。

 PCに疎いもので、このページの「最新記事」の項目をクリックして、大きな写真と文を一緒に見られることをつい最近知りました。5ヶ月近くも・・・(汗!)

 「ウエルかめ」は、NHKで9月下旬にスタートする朝の連続ドラマの題名だそうです。舞台は徳島県美浜町田井ノ浜周辺とのこと。地方出版社で働くヒロインがウミガメの取材を通じて、故郷を見つめ直し、成長して行く姿を描くストーリーらしいです。どうでもいいことですが(笑)、ウミガメが全国的に注目されそうで嬉しいです。

 舞台の美浜町の日和佐地区には、アカウミガメの産卵地として有名な大浜海岸があり、ウミガメ博物館や国民宿舎うみがめ荘などと、ウミガメでの町おこしが盛んです。一度見学に行ったことがありますが、小中学生によるウミガメの調査・保護活動が早くから取り組まれたことで、地域の方々にとってウミガメがかけがえのない生き物になっているようでした。

 北太平洋のアカウミガメは、日本列島だけにしか産卵地がありません。世界自然保護連合(IUCN)版のレッドリストで、絶滅の危険度を他の動物にたとえると、ジャイアントパンダと同ランクです。専門家は、最も危険な状況にある個体群の1つとして、「世界のウミガメ保護における10の緊急課題」に数え上げています。

 産卵地の保全のためには、周辺も含め、暗くて静かな浜辺の維持が必要です。ウミガメが指標生物と言われる理由です。自然の豊かさのバロメーター。ウミガメが産卵に来るということは、その浜の自然度の高さの証明。大島の自然の1つの象徴ですね。

(なる)

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オカダトカゲ

2009年08月18日 | 哺乳類、爬虫類、他
 天気がいい日は真夏の陽射しがギラギラ!ちょっと動けば汗だくだくです。

 しかしそんな中でも気持ち良さそうに昼寝をしているヤツがいます。
オカダトカゲです。午前中はかならず日当たりの良い場所に陣取って夜の間に冷えた体を温めています。

 伊豆大島ではカルデラから海岸線の人家周辺まで至るところに居ますが、警戒心が強くてなかなか近寄らせてくれません(^▽^;)

 このオカダトカゲは4月ごろから姿を現しますが、真夏の7月中旬ごろから8月いっぱいまではかなり活発に活動しているのを目にすることが出来ます。
 しかし9月に入り気温が下がると徐々に姿を見る機会が減ります。
 
折りしもこの時期は今年生まれのとても小さいオカダトカゲをよく見かけます。
生涯で最も尾の色が美しい時期です。オカダトカゲを見るなら今ですね~。

 しかも、見た目は本土に普通にみられるニホントカゲとほとんど変わりませんが、体鱗の数などに違いがあるとされ、このオカダトカゲは伊豆諸島固有種です。
かつては伊豆大島から青ヶ島までの各島に分布しているとされていましたが、最近の研究によって伊豆半島南部にも生息していることがわかりました。

三宅島や青ヶ島では絶滅の恐れがあるとして保護の対象となっているようです。

(あまの)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然の掟

2009年07月28日 | 哺乳類、爬虫類、他
 今日はヘビの話題です。(苦手な方ごめんなさい。)

 数日前、車で集落の近くを走っているとき舗装道路の上にアオダイショウの子供が居るのが目に入りました。

 はじめは向こう向きでしたが、なんだか体型が変。車に轢かれたのだろうか?と思い車を停めて寄って行くと、なんと口から何かの尻尾が出ているではないか!

 はじめはオカダトカゲでも食べたのかと思ったのですが、近くで見てみるとネズミの尻尾です。さすが小さくてもアオダイショウ…。体の前半は大きな獲物ではちきれんばかりにぱんぱんになっていますが、体をくねらせて獲物をさらに飲み込もうとして悪戦苦闘しています。

 食べられたネズミ君には気の毒ですが、これも弱肉強食の自然の掟。場所が舗装道路上だったことから轢かれて死んだネズミをこの子が見つけたのかもしれませんが、その一生懸命に生きている姿になんだか感動してしまいました。

 このアオダイショウも、大型のヘビ類やカラス、ネコなどに食べられてしまうかも知れません。生まれたときからちょっとした油断で命を落とすかもしれない毎日を過ごしているこの子が車にひかれたりしないように、とちょっとだけ老婆心で道路から路肩のほうによけてやり、その場を離れました。

 野生動物には懸命に生きているからこその美しさがあり惹きつけられるものがあるのだと思います。毎日がこんなにも驚かされる出来事でいっぱいの自然の中に飛び出してみれば、きっと新しい世界が見えてきますよ! 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いぬのなかのくま

2009年07月18日 | 哺乳類、爬虫類、他
今日の大島は一日中ぐずついた、まるでまた梅雨に逆戻りしたかのような天気でした。
南西の風が強く、三原山は中腹から上が霧で真っ白でした。

それでもホオジロやウグイス、オオルリがまだ元気にさえずっています。

アオスジアゲハやモンキアゲハ、ナガサキアゲハ、ジャノメチョウなどのチョウ類もたくさん飛び交っています。

ヒメハルゼミの大合唱も今が盛りです。



さて。


      

         いぬのなかのくま





タイトルをご覧になって「?」と思った方も多いと思います。
一体どういうことでしょう。

これは犬に見えるけど、まさか犬の毛皮を被った熊だとか・・・?
この、ころがっている犬の中に熊がいるのでしょうか!?




そうなのです。






犬はどの犬も、その体の中にクマがひそんでいるのです。






それもとっておきのかわいいテディベアが!!
















ほらね!!



クマは意外と身近にいるのです(笑)


  

   がんま




コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウミガメの上陸

2009年07月10日 | 哺乳類、爬虫類、他
 ダイビング中にウミガメに出会った経験がある方も多いと思います。水中で悠々と泳ぐ姿や岩陰で休んでいるところ、あるいは、人影に気付き慌てて逃げて行く場面でしたでしょうか?

 この写真は昨日撮影した、アカウミガメの上陸跡です。重機のキャタピラか小型トラクターのタイヤ跡のようにも見えます。

 一生のほとんどを海の中で過ごすウミガメは、泳ぐことに適した体に進化し、陸上を移動するのは苦手なようです。産卵に来た母親ガメの足跡を見る度に、気の毒に感じてしまいます。外敵に見つかりにくいよう夜の闇に隠れて上陸し、産卵して帰ります。その証拠が、朝になって浜に残された移動跡と産卵巣を埋めて隠した砂のカモフラージュです。

 北太平洋でのアカウミガメの繁殖は、毎年4月頃に沖縄など南西諸島から始まり、桜前線のように徐々に北上してきます。伊豆諸島や関東沿岸は、繁殖地の北限域で、5月下旬~8月頃に産卵します。大島では、もう1種アオウミガメも産卵します。北太平洋最北限の産卵が2回確認されています。

 今、イタリアで開催されているG8ラクイラ・サミットのロゴマークに描かれているのは、4頭のウミガメです。ラクイラの東側のアドリア海は、アカウミガメの生息地として知られているからでしょう。

 太平洋の島々--ハワイ諸島やミクロネシア、ポリネシアなど--では、古来からウミガメを「神」や「神の使い」と云って幸運のしるしとして崇めてきました。私たちの暮らす列島ヤポネシアでも、先住民族アイヌの人々の伝説には、人間界を守るのはフクロウの神フフンボカムイ、海中の魚介のすみかを守るのはウミガメの神エチンケカムイで・・・という物語があります。ウミガメをアイヌ語では、アトウイ・コロ・カムイ(海を支配する神、海を所有する神)とも言うそうです。
 
 不思議な物事は神に通じると考えたのでしょうか? 浦島太郎の話も不思議なことばかりです。

 IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは、国内で産卵するウミガメ3種の内、アカウミガメとアオウミガメを「絶滅危惧種」に、タイマイはより厳しい「近絶滅種」に指定しています。ウミガメの減少の原因は、海洋汚染、漁業の混獲、そして繁殖地の砂浜の破壊などが上げられています。

 自然の砂浜は、波や風が砂を絶えず移動させ、洗浄し、乾燥させ、やわらかく清潔に保たれています。夜は夜らしく暗く静かな海岸は、ヒトが夕涼みをしても心地よく感じられるはずです。そんな浜に、そっと上陸して来るウミガメだから、自然度の高さを表すバロメーター(指標生物)と言われるのでしょう。

 ヒトにも、他の生き物にとっても、気持ち良く利用できる砂浜をいつまでも残せますように。 Think Globally,Act Locally!
  
なるせ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする