標高1100mの八ヶ岳・清里の雑木林は、新緑の息吹に満ちている。
コナラの新葉は青銀色に輝き、清々しい美しさだ。
伐採樹木の太い枝、細い枝が、炉の周りに集まってきた。
これらは、燃やすか、40㎝に切って薪にするかしなければならないが、他の作業で追われてしまって、まだ処理できていない。
北側の森、左が緑が濃くなったシラカバ、右は新葉を展開するウリハダカエデ。
庭の中にある背の高いヤマザクラは、他のヤマザクラが散ってしまった後、今が満開になっている。
それを眺めながらのランチは行動食、おにぎりとカップ麺だ。
南側に、ヤマブキが咲いている。ヤマブキについての有名な話がある。
戦国武将、太田道灌は鷹狩りに出ていたが、急に雨が降ってきたので、近くの民家に入り蓑を貸してもらえないかと所望すると
出てきた少女は、黙って一輪の山吹の花を差し出した。これがどういうことかわからぬ太田道灌は、花がほしいのではないと怒ってその場を去った。
屋敷に戻り、このことを近臣に語ると、
「七重八重花は咲けども山吹の(実)みのひとつだになきぞかなしき」(後拾遺集 醍醐天皇の皇子・中務卿兼明親王)
の歌に因んで、貧しくて蓑がないということを山吹に譬えたものではないでしょうか、と答えた。
それを聞いて太田道灌は自分の不明を恥じ、その後歌道に精進したとのことだ。
この歌が広くいきわたって、ヤマブキは実が成らないと思われているが、実際は実=種ができる。
ヤマブキ(山吹)
学名:Kerria japonica
バラ科 ヤマブキ属