功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ザ・サイレンサー』

2016-02-16 12:46:24 | 千葉真一とJAC
「ザ・サイレンサー」
「MAGNUM 357/ザ・サイレンサー」
英題:THE SILENCER: MAGNUM 357/CODENAME: SILENCER/BODY COUNT
製作:1995年

●ニューオリンズに居を構えるマフィアのボスが、凄腕ヒットマンの千葉真一に射殺された。刑事のロバート・ダヴィたちは彼の居場所を突き止め、どうにか逮捕に成功する。
それから一年半後、千葉は自分の情報を警察に漏らした裏切り者を始末すべく、情婦のブリジット・ニールセンと協力して脱獄。刑事の中に黒幕がいると知り、次々と殺しに手を染めていった。
FBI捜査官のシンディ・アンブエルと手を組んだロバートは、一連の事件に警察内部の横領疑惑が関与していることに気付く。謎が謎を呼ぶ中、大都会を舞台に男たちの死闘が始まる!

 『エイセス/大空の誓い』以降、海外市場を舞台に活躍していた千葉真一ですが、なかなか名作・傑作の類に巡り会えずにいました。本作は東映とアメリカのプロダクションが合作した作品で、こちらも例によって微妙な出来となっています。
物語としては、2人の男を主軸にしたサスペンス・アクションとなっていますが、その内容はスッカスカ。ひたすら千葉が刑事を殺し、ひたすらロバートが地味な捜査を続けるだけで、これといって大きなイベントが起こってくれないのです。
 私としては真相を知った主役2人が共闘し、裏のありそうなブリジットがいつ裏切るか期待しましたが、そういうサプライズ展開もまったくありません(爆
結局、千葉とブリジットは最後まで真実を知ることなく死亡。事件の黒幕もはっきりと末路が明示されず、モヤモヤした雰囲気のままストーリーは幕を閉じていました。

 アクションシーンの質についても問題だらけで、そのクオリティは凡百のマーシャルアーツ映画以下となっています。原因はJACの援護が得られず、受け手に動ける面子がほとんどいなかった点にあると言えるでしょう。
おかげで刑事が襲われるシークエンスでは、全員(計4名)が一方的に惨殺されてしまうため、千葉の得意とする体術がほとんど見られないのです。せめて1人くらいは食い下がって欲しかったなぁ…。
 ラストはロバートと路面電車をジャックした千葉のバトルが勃発。そこそこ身体を張ったスタントがあったりしますが、最後のがっかり爆破シーンに全てを持ってかれていました(苦笑
最初から最後まで不発だらけの本作。間違いなく千葉の海外遠征作品ではワーストの出来ですが、監督が『GEDO/外道』ダレン・スーでは無理からぬ話だったのでしょう。
その後、諸国をさすらった千葉は香港映画に流れ着き、『風雲 ストームライダーズ』でブレイクを果たします。もし本作が何かの間違いで大ヒットを記録していたら、香港で活躍する彼を見ることが出来なかったかもしれませんね。

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