「奪還2.0」
原題:HALF PAST DEAD 2
製作:2007年
●かつて、スティーブン・セガールが刑務所で戦う『奪還 DAKKAN アルカトラズ』という映画がありました。従来の監獄アクションの枠を超えようとした意欲作であり、香港から熊欣欣(チョン・シンシン)が武術指導として参加したことで知られていますが、本作はその正式な続編です。
この手の格闘映画の続編は前作を無視するパターンが多く、時には大幅な劣化を伴う場合もあります。『キックボクサー2』しかり、『タイム・コップ2』しかり、『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』しかり…。しかし、本作はそれなりに前作との繋がりを尊重した作りとなっていました。
まず主演の1人は前作で脇役だったクルプトですし、序盤には前作の舞台となった新アルカトラズが出てきます(例の鬼所長なども特別出演)。所々で回想シーンが流れたり、前作でキーポイントとなった大金塊が再登場するなど、前作と密接な関係が構築されているのです。
ただ、主役が『~ザ・リターン』でマイケル・ジェイ・ホワイトの見せ場を奪ったビル・ゴールドバーグ、そして監督が『リアル・ファイト 最強の鉄拳伝説』を監督したアート・カマチョなので、見る前は非常に嫌な予感がしていました…(爆
ストーリーは前作と同様に、監獄アクションの定番をヒネったものとなっています。通常、監獄アクションは「無実の主人公(あるいは潜入捜査官)が収監される→悪徳所長や牢名主と敵対する→同室の仲間が殺される→色々あって暴動が発生→悪が倒れて大団円」という流れが一般的です。
前作では「刑務所外から第三者が介入する」という新機軸を用意しましたが、本作は「早い段階で暴動が発生して刑務所が無法地帯になる」という手でパターンを崩していました。
ですが、あまりに早く暴動を発生させてしまったためか、ストーリーはかなり大雑把。話があっちこっちにブレまくるため、前作以上の大失敗を引き起こしています。まぁ、『リアル・ファイト』や『DRAGON BATTLE EVOLUTION』と比べたら随分マシではあるんですが…。
また、本作には熊欣欣がいないので格闘アクションは典型的なパワー押しのファイトばかり。プロレス技を取り入れたりと工夫は見られるものの、変わり映えしないザコ敵との闘いが延々と続きます(ちなみにアクション指導もやっぱりアート・カマチョ…)。
正直言って前作も大した映画ではなかったのですが(爆)、それでもセガールの存在感やキャラクター描写で随分と救われていました。しかし本作は状況設定などに凝ってみたはいいものの、アクションやストーリーを惰性で描ききってしまい、このような結果に陥ってしまったのです。
終幕のタイミングを決めかねて蛇足だらけになったラストといい、まさに失敗した続編映画の見本のような本作。やはりカマチョの監督としての腕前は油断ならざるものがあるようです(汗
原題:HALF PAST DEAD 2
製作:2007年
●かつて、スティーブン・セガールが刑務所で戦う『奪還 DAKKAN アルカトラズ』という映画がありました。従来の監獄アクションの枠を超えようとした意欲作であり、香港から熊欣欣(チョン・シンシン)が武術指導として参加したことで知られていますが、本作はその正式な続編です。
この手の格闘映画の続編は前作を無視するパターンが多く、時には大幅な劣化を伴う場合もあります。『キックボクサー2』しかり、『タイム・コップ2』しかり、『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』しかり…。しかし、本作はそれなりに前作との繋がりを尊重した作りとなっていました。
まず主演の1人は前作で脇役だったクルプトですし、序盤には前作の舞台となった新アルカトラズが出てきます(例の鬼所長なども特別出演)。所々で回想シーンが流れたり、前作でキーポイントとなった大金塊が再登場するなど、前作と密接な関係が構築されているのです。
ただ、主役が『~ザ・リターン』でマイケル・ジェイ・ホワイトの見せ場を奪ったビル・ゴールドバーグ、そして監督が『リアル・ファイト 最強の鉄拳伝説』を監督したアート・カマチョなので、見る前は非常に嫌な予感がしていました…(爆
ストーリーは前作と同様に、監獄アクションの定番をヒネったものとなっています。通常、監獄アクションは「無実の主人公(あるいは潜入捜査官)が収監される→悪徳所長や牢名主と敵対する→同室の仲間が殺される→色々あって暴動が発生→悪が倒れて大団円」という流れが一般的です。
前作では「刑務所外から第三者が介入する」という新機軸を用意しましたが、本作は「早い段階で暴動が発生して刑務所が無法地帯になる」という手でパターンを崩していました。
ですが、あまりに早く暴動を発生させてしまったためか、ストーリーはかなり大雑把。話があっちこっちにブレまくるため、前作以上の大失敗を引き起こしています。まぁ、『リアル・ファイト』や『DRAGON BATTLE EVOLUTION』と比べたら随分マシではあるんですが…。
また、本作には熊欣欣がいないので格闘アクションは典型的なパワー押しのファイトばかり。プロレス技を取り入れたりと工夫は見られるものの、変わり映えしないザコ敵との闘いが延々と続きます(ちなみにアクション指導もやっぱりアート・カマチョ…)。
正直言って前作も大した映画ではなかったのですが(爆)、それでもセガールの存在感やキャラクター描写で随分と救われていました。しかし本作は状況設定などに凝ってみたはいいものの、アクションやストーリーを惰性で描ききってしまい、このような結果に陥ってしまったのです。
終幕のタイミングを決めかねて蛇足だらけになったラストといい、まさに失敗した続編映画の見本のような本作。やはりカマチョの監督としての腕前は油断ならざるものがあるようです(汗
この映画まだ未見で気になっていたのですが、駄目映画
でしたかぁ(涙)。
でもWCW時代のゴールドバーグは本当にカッコ良かった。特に入場シーンはそれだけで銭が取れるほどでした。俳優としても頑張って欲しいです。
>この映画まだ未見で気になっていたのですが、駄目映画
>でしたかぁ(涙)。
ダメ映画でした(苦笑
一連のアート・カマチョ監督作の中でもマシな方ではあるんですが、セガール映画の続編という点を差っ引いてもキツいものがあります。
ゴールドバーグはレスラーとしての戦歴は輝かしいものがありますが、これといって凄い格闘映画に出ていないのは惜しいですね。
今からでも遅くはないので、いつかスクリーンで大暴れしてくれることを期待したいです。