功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

格闘映画総特集(2)『ショウダウン』

2009-05-22 22:50:52 | マーシャルアーツ映画:上
「ショウダウン」
原題:SHOWDOWN
製作:1993年


●田舎から引っ越してきたケン・スコットは新しいハイスクールに入学するが、そこは荒んだ不良の巣窟だった。とりあえず同級生のジョン・マロリー・アッシャーにあれこれ話を聞くが、「女子のクリスティーン・テイラーにだけは近寄るな」と忠告を受けた。
クリスティーンは清楚な娘なのだが、彼女のボーイフレンドであるケン・マクラウドという男がとんでもなく凶暴な奴だという。しかしケンはうっかり彼女と接触してしまい、マクラウドに目を付けられてしまった。
 この男はパトリック・キルパトリックが主催する拳法道場のエースであり、パトリックが王者に君臨する格闘賭博でも活動している。当然ケンが敵うような相手ではなかったが、そんな彼の窮地を救ったのは元警官の用務員・ビリー・ブランクスであった。
クリスティーンの為にも強くなりたいと願うケンの思いに答え、ビリーは彼に格闘技を教え込む。次第に腕を上げていくケンだが、一方で彼を自陣に引きこまんとするパトリック側も動き出していた。
 格闘賭博の存在を知ったビリーは、青少年たちを食い物にしようとする連中に憤慨し、かつての同僚と協力して賭博の摘発に乗り出す。が、逆に敵の怒りを買って刺客(うち1人がジェームス・リュー)を差し向けられてしまい…。
そのころ、ケンはマクラウドと最後の対決を迎えつつあった。闘わないでと懇願するクリスティーンに、ケンは「これは僕自身の戦いだ」と言うとビリー不在のまま試合へ挑む。果たしてケンは憎きマクラウドを破り、平穏を取り戻す事が出来るのだろうか?

 “黒い楊斯(ヤン・スェ)”ことビリー・ブランクスが、イブシ銀の魅力で見せる注目の作品です。作品としては『ベスト・キッド』系のスポ根アクションではあるものの、話もアクションも抜かり無しの傑作で、『キング・オブ・キックボクサー』に並ぶビリーの代表作といっても過言ではありません。
本作におけるビリーは主人公を導く存在で、ケンの師匠として頼もしい姿を見せています。私はビリーとの初接触が『キング・オブ・キックボクサー』だったせいか、今まで正義の味方として活躍するビリーになんとなく違和感を抱いていました。
ところが本作でのビリーはとても格好良く、むしろ彼は主演よりもこういうサブキャストでの方が光るのでは?…と、本作を見て思った次第です(『キング・オブ~』を剛のビリーとするならば、本作は柔のビリーといったところでしょうか)。
 さて、本作でもビリーは豪快な格闘シーンを見せ、ジェームスとのバトルなどで美味しい活躍ぶりを発揮。もちろん主演のケン・スコットらも負けておらず、鋭い蹴りを繰り出してアクシーンを大いに盛り上げています(スタントコーディネーターを担当したのはジェフ・イマダ)。
愛する者や守るべき者の為に闘い、勝利を手にする主人公の姿に心打たれる快作。ビデオソフトが消え行く中、本作も入手にはかなり苦労させられましたが(苦笑)、探すだけの価値はある逸品です。マーシャルアーツ映画ファンなら必見の作品といえるでしょう。
 ところでこれは余談ですが、私が探しているビリー主演作がもう一本あります…それが『未来警察TC2000』です。ビリーを筆頭に楊斯やマシアス・ヒューズらが一同に介した作品で、どこのレンタルショップを探しても見つかりません!(※)
私にとっては、ゲイリー・ダニエルズの『ザ・フォース』やローレン・アヴェドンの『ブラッド・ブラザーズ』(※)と並ぶ入手困難ソフトとして、未だに頭を悩ませる存在となっています(涙

※…この記事を掲載して数年後、無事に上記のソフトはすべて入手することが出来ました。
  オークション等で快くソフトを譲ってくれた方々に、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
  本当にありがとうございました。(追記:2017年)

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6 コメント

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Unknown (Z)
2010-02-09 21:50:15
本作は「ベストキッド」の亜種としては出来の良い部類ですよね。
主要キャストが皆「動ける」のはこの手の映画では重要なポイントですし。
同じ亜種でもイタリア製「カラテキッド」なんて褒めたくても褒めようの無いゴミ映画でしたw

本作のリメイクかどうかは分かりませんがMMA
を絡めた「ネバーバックダウン」も青春格闘アクションの佳作だと思いますので未見でしたらお勧めします。

巨大掲示板の某スレがいつまでたっても書き込めないのでしばらくクダ巻かせて下さい。すいません。
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返信!(2) (龍争こ門)
2010-02-11 00:16:20
Zさん改めましてこんばんは!

>本作は「ベストキッド」の亜種としては出来の良い部類ですよね。
実は私、まだ本家本元の『ベストキッド』は通して見た事がないのですが(苦笑)、フォロワー作品としては充分良作だったと言えますね。
同種の作品で『シンデレラボーイ』も好きでしたが、『カラテキッド』というタイトルは初耳でした。調べてみると6本も続編が作られているようなので、今度チェックしてみようと思います。

>「ネバーバックダウン」
おお、いつの間にこんな作品が…!
出演者に知った人は出ていないようですが、面白そうなのでこちらも近い内に確認したいです。
ぶっちゃけると、私はあまり新作映画をこまめに調べるタイプではない(どっちかというと古い作品のほうが好き)ので、最新作などの話題は疎かったりします(爆
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Unknown (Z)
2010-02-11 00:45:16
「カラテキッド」「カラテキッド激闘編」のみ
日本でリリースされてます。出来は五十歩百歩ですが「激闘編」の方が心持ちアクションがしっかりしてますが期待する程ではありません。

最近は「ダイナマイト」とかMMA絡みの格闘技物が多いですね。まあブームとかあるんでしょうけど。
ちなみに「ダイナマイト」には「LAストリートファイターズ」や「ストリートソルジャー」でお馴染みのジョン・チュン出てますが面影ありません。

追伸 「CIA殺しの報酬」のクンフー使いの殺し屋トリガーことランディ・アンダーソンですが、ジューン・リーと韓国映画で共演しています。もしかしたらタイガー・ヤンかリーどちらかの弟子筋かも知れませんね。
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返信! (龍争こ門)
2010-02-12 00:53:46
Zさんこんばんは!

>「カラテキッド」「カラテキッド激闘編」のみ日本でリリースされてます。
数が結構出ているようなので、ドン・ウィルソンの『BloodFist』シリーズみたいにタイトルを変えて出てないかな~…と思っていましたが、やっぱりその2本しか無いみたいですね。
また、私自身イタリア製のマーシャルアーツ映画というものを見たことが無いので、殺陣が陳腐でも興味は十分にあります。

>「ダイナマイト」
そういえばこんな作品も出ていましたね。正直言って、総合格闘技系の裏社会トーナメントみたいな話は飽き飽きしているので、この手の作品はあまり期待していません(ストーリーがみんな似たり寄ったりなのがちょっと…)。
でもジュン・チョンが出ているのがポイント高いですね。『レッドベルト』にもダン・イノサントが出ているらしいので、彼ら目当てに見てみるのも一興かな?

>ジューン・リーと韓国映画で共演しています。
ただ者ではないと思っていましたが、韓国映画で李俊九と共演していましたか!これは初耳です。
出ているのは『新龍争虎鬥』(未見)のようですが、この作品へ彼が出演するに至った経緯も気になるところ。『CIA殺しの報酬』に楊成伍が関わっていた点を考慮するに、韓国サイドと何らかの繋がりがあった可能性は高いと思われます。
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Unknown (Z)
2010-02-12 01:52:13
「裏社会トーナメント系」の格闘モノは私も正直飽きてます。話が一番作りやすくて楽なのは認めますが。
ただ「シュートファイター2」はどうしても観たいですね。やはりキャストが魅力ですし、予告編観るかぎりではただ適当に打撃戦やってるだけでなく武器使ったファイトも豊富みたいですから。

でもラストがボロ・ヤンVS ジョー・サンなの
ちょっとw 
駄目元でもブライアン・ゲネシー(洪家拳やってるらしく「ザ・フォース」でもフルコン系のダニエルズと対比になってました)かジェフ・ファルコン辺りと闘って欲しかった気がします。
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返信!(1) (龍争こ門)
2010-02-17 01:16:16
Zさんこんばんは&お待たせしました!

>ただ「シュートファイター2」はどうしても観たいですね。
『シュートファイター』は1の方も2の方も当方未見なのですが、楊斯主人公のマーシャルアーツ映画ってだけで興味が湧きますよね。殺陣も割りと凝っているそうなので、いつかは見たいと思っています。
ジョー・サンという人を私は知りませんが、大物同士の対決をマーシャルアーツ映画に望むのは難しいですよ。なにしろ香港映画以上に「夢の対決」というものに消極的ですし…(涙)。
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