功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

特集・50Movies(06)『The Impossible Kid』

2008-12-14 20:59:45 | 東南アジア映画
The Impossible Kid
制作:1982年

●(※…画像は本作を収録したDVDパックのものです)
『Martial Arts 50 Movie Pack』在庫セールも6回目となると、いよいよ功夫片も底を突いてきたところですが(苦笑)今回は一風変わったフィリピン映画の紹介です。

 本作で主演を務めたのはウェン・ウェンという方で、身長83cmの○人さんです。かつて世界一背の低い俳優としてギネスに記載された事もあり、フィリピンでは結構な人気を誇った大スターだった人でした。
ですが、残念なことに彼は1992年に34歳の若さでこの世を去っています。本作は、そんな彼の看板シリーズであったスパイアクション「エージェント00(Agent 00)」の一編。同シリーズの『For Your Height Only』では、『激突!ドラゴン稲妻の対決』のトニー・フェラーと共演しているそうです。

 インターポール捜査官のウェンは、上官からテロ組織壊滅を依頼される。首領は白い覆面を被った謎の男、ミスターXだ。犯行声明を各所に送っているミスターX…具体的にどんな悪い事をしているのか良く解らないが(笑)、テロリストなら放っておくわけにはいかない。
ウェン捜査官とその仲間たちは組織の幹部たちと熾烈な戦いを続けるが、その裏にはさらに大きな陰謀の影が渦巻いていた…。

…という感じの話ですが、本作の見どころはウェン・ウェン氏そのものにあります。彼はその体格ゆえにスタントダブルが使えないため、作中でのアクションはほぼ全て吹替え無しで演じています(ちなみに格闘シーンでは、身長差の都合で攻撃がほとんど金的オンリー・笑)。
また、彼にとって背の低さは弱点ではなく、逆に武器として活用しまくっている点も実にユニークでした。大人では隠れられないような場所に隠れたり、体格を生かして堂々と敵地に侵入したりするなど、ハンディキャップを逆用した際どいアクションも見せ場の1つといえるでしょう。

 作品としては、巨悪を追うウェン氏が七つ道具で困難に立ち向かい、エロいねーちゃんの裸も出てくる凡庸な『007』系のスパイ映画でしかありません。良くも悪くもまったり気味の作風、一本調子のBGM、なぜか異様にモテモテのウェン氏など、おかしな箇所もいくつかあります。
というか、少なくとも功夫映画や格闘映画と同列に語るには無理がありすぎる本作ですが、ここから先の『Martial Arts 50 Movie Pack』在庫セールも更にレビューしづらい映画が待ち構えているはずなので、そこらへんはご容赦のほどをお願いします(爆

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