日本 3-0 ボスニア・ヘルツェゴビナ
得点)中澤佑二、山瀬功治2
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高原直泰 巻誠一郎
大久保嘉人
遠藤保仁 中村憲剛
鈴木啓太
駒野友一 内田篤人
阿部勇樹 中澤佑二
楢崎正剛
交代)巻誠一郎 → 山瀬功治
中村憲剛 → 今野靖幸
高原直泰 → 播戸竜二
大久保嘉人 → 羽生直剛
岡田ジャパン2戦目のボスニア・ヘルツェゴビナ戦を簡単に。
“チリとボスニア・ヘルツェゴビナの能力差とコンディション差を考えなければ”、
前回から格段の向上が見えた試合でした。
チリ戦では見えなかった、岡田監督のやりたい“形”が初めて見えたと思います。
バイタルエリアで最後にアイデアを出すところでは、ワンタッチパスの連続による細かい崩しを、
中盤以下では、大きく展開するサイドチェンジを有効に使って、引き気味に来た相手守備陣を揺さぶることに成功していました。
阿部、中澤、鈴木を残した以外の7人で攻め抜く姿勢は、日本代表と横浜F・マリノス時代に培われた「岡田監督=守備的」というイメージを覆すものでした。
また、前回のチリ戦を終えて、各メディアから、
「サイドチェンジが少ない。」
と批判を受けていましたが、まるでそれを受けての修正かのごとく、高精度なサイドチェンジの品評会を繰り広げていました。
右SB内田も、前回とは違い、攻撃参加の回数を増やして持ち味が出せていたと思います。 サイドでしっかりと高い位置を保てていました。
チリ戦・ボスニア戦の2試合を観る限りでは、中村憲剛がチームの攻撃のキーマンになっていると感じました。
中盤では、できるだけボールに触れる頻度を増やして、それをダイレクトで叩いて全体のパスリズムを作り出し、
SBがオーバーラップして来た際には、そのパス&ゴーの受け手役にもなり、
自分がいる位置と逆サイドにボール出た時は、相手ディフェンスを引き付けるなり、自らそこに飛び込むなりで、ラインの裏へと惜しみないフリーランニングを見せていました。
ちょうど、アーセナルで言うところのロシツキーの役割ですね。
山瀬も2得点と結果を出しましたし、中盤に、山瀬と中村憲剛という決定力があって尚且つ中距離砲が打てる選手が2人もいるのは大きいと思います。
山瀬と中村憲剛が活躍した分、遠藤の存在感の薄さには物足りなさを感じましたが。
ただ、最初にも言及した通り、これらのプラス部分は、
ボスニアがチリのように積極的に前線からチェイスを行うことはせず、自陣深い位置で体格の利を生かした対人プレーに重きを置いた守備を敷いてきたために、中盤以下では比較的自由にボールを持たせてもらえたことを考慮しなくてはなりません。
今後は、チリ戦のように、中盤でスペースと時間を与えられなかった時に、それにどこまで対処できるかが問題となるでしょう。
次のタイ戦は、ホームということもあって、先制点を取れば楽になるような今回と似た展開になるかもしれませんが。