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『あるいは裏切りという名の犬』本格ノワール

2007-04-15 08:56:11 | 犯罪/ノワール
あるいは裏切りという名の犬
36 QUAI DES ORFEVRES(2004年フランス)
 監督 オリヴィエ・マルシャル
 脚本 オリヴィエ・マルシャル
     フランク・マンクーゾ
     ジュリアン・ラプノー
 共同脚本 ドミニク・ロワゾー
 出演 ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、ヴァレリア・デュソリエ、ダニエル・デュバル、ミレーヌ・ドモンジョ、カトリーヌ・マルシャル、オリヴィエ・マルシャル

 ■ストーリー■
 パリ警視庁の2人の警視レオ・ヴリンクスとドニ・クランはかつて同じ女性を愛した過去があった。女性はレオと結婚、ドニとの確執が生まれるのだった。それぞれ2人が所属するBRI(探索出動班)とBRB(強盗鎮圧班)は、組織としてもお互いに反目していた。ここ1年半で9件の現金輸送車強奪事件が起き7名の被害者が出ていた。そんなときパリ警視庁のロベール長官の昇進が決まり、後任にはこの現金輸送車強奪事件を解決した方にすると決めたのだった。長官は、権力志向の強いドニではなく人望の厚いレオを後任にしたいと思っていたのだった。

 ■感想■
 ノワールの本場、フランスからきた本格派のノワール映画。
 ビデオスルー公開の警察物『ギャングスター』(02年)の監督で、元警官のオリヴィエ・マルシャルが監督、脚本のノワール物。
 
 ノワールと言えば、最近はフランス映画でなく、香港映画(の一部の監督の作品)にお株を奪われっぱなしですけど、さすがノワールの本場のフランス映画!
 「これぞ、ノワール!」って感じです。フランス映画のノワールの実力を観て!って感じですごく、魅力あふれた作品になってます。
 
 なんと、なんと、今作のストーリーは、1980年代に実際にフランスの警察で起きた事件をもとにしてるらしいです。
 映画的には、大エンターテイメント作品になっていて楽しく観れますけど、実際は、現実の事件を元にしてると思うと、ゾッとします!!
 
 「うわ~、イヤな国」

 って思っちゃいます!!

 この実際の事件を経験した元刑事のドミニク・ロワゾーが共同脚本で参加してます。その他、実際に起きた事件、人物をヒントに、ストーリー、キャラクターを作りだしたそうです。
 
 1980年代に起こった事件をもとにしたからってコトじゃないでしょうけど、本作のノリ的は完全に1980年代のノワール物って感じのノリです!
 でも、登場人物たちが絡み合うストーリーテリングが、すごくうまいです!また強盗団の襲撃シーンを始めとしたアクションシーンがすごく良くて、今風のアクション映画にもなってます!!フィルムノワールの雰囲気と今風のハードなアクションシーンの融合!!
 最高です!!
 
 なんでも、かんでもリメイクするハリウッドでは、ロバート・デ・ニーロ、ジョージ・クルーニー主演でリメイク化される話が持ち上がってます!!アメリカでもリメイクしないで良いから、ちゃんと公開すれば良いのに。外国映画は観ないんでしょうね!それでも、こんな最近の作品はリメイクしなくても良いのに。今作の場合、オリジナル版の完成度が高いので、まるっきり同じようなリメイクになっちゃったりして!!
 『インファナル・アフェア』(02年)は、アジア人が出演者だったからっていう気もしますけど、フランス映画でもダメなのね! 『インファナル・アフェア』も50分近く長くリメイクしちゃったハリウッドだから、今作も主人公たちの若い頃から描いて50分くらい長くなっちゃうかも??
 
 アメリカでも外国映画をちゃんと公開して!でも、日本だって、フランス映画(のアクション映画)や香港映画(の場合は作品数が多すぎだから??)は、あんまり公開してくれませんからね。フランス映画(のアクション映画)や香港映画(のアクション映画)をもっともっと公開して欲しいです。

 今作は、2005年の第30回セザール賞に8部門にノミネートされました。
作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、主演男優賞(ダニエル・オートゥイユ)、 助演男優賞(アンドレ・デュソリエ)、助演女優賞(ミレーヌ・ドモンジョ)、 音響賞 です。惜しくも受賞は逃しましたけど。
ギャングスター

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 オリヴィエ・マルシャル監督の前作『ギャングスター』も警察物!軽く観れます!(ちょっとだけ、オススメ)

 フランス映画のノワール物やアクション映画も1980年代までは、けっこう観れたのに、それ以降はどんどん観れなくなってさみしい限りです!
 1980年代あたりの作品でちょっと思いつくだけでも
 『ミュウ・ミュウの女刑事』『セリ・ノワール』(79年)、『ポーカーフェイスアラン・ドロン・ウィズ・ジャック・ドレー』(80年)、『危険なささやき』(81年)、『プロフェッショナル』(81年)、『最後の標的』(82年)、『愛しきは女ラ・バランス』(83年)、『チャオ・パンタン』(83年)、『』(83年)、『ブラック・ターゲット』(84年)、『パリ警視J』(84年)、『一匹の狼ロンサム・コップ』(84年)、『フレンチポリス殺しのムーブメント』(84年)、『ソフィー・マルソーの刑事物語』(84年)、『トレンチコートの女』(85年)、『野獣の街刑事クロス』(87年)、『私刑警察』(88年)等々、これでもかこれでもかと、傑作やら普通の作品が公開されたり、ビデオ化されたりしてたのに!(タイトルを見てるだけでも面白そうな感じがしますもんね!そんなことないタイトル負けのトンデモ作品もありましたけど)。90年初めあたりまではビデオバブル(やホントのバブル景気)の影響もあったんでしょうけど、90年代以降は、衛星放送や、たまにリリースされる作品を観るだけですからね!
 そんなこといっても結局、80年代の“LE CHOIX DES ARMES(武器の選択)”(81年)もお蔵入りして、その後、結局ソフト化もされませんでしたしね!みんなフランス映画が好きじゃないの??
 それにしても90~2000年代はさみしい状態です!フランス本国でも、アクション映画や犯罪物が作られなくなったのかな??

 で、話題を今作に戻すと、日本タイトル『あるいは裏切りという名の犬』も良いです!なんか、全然意味がわからないタイトルですけど、いかにもフランスの犯罪物って雰囲気のタイトルですよね!本年の“ベスト日本タイトル賞”かも!
 とにかく、最近、フランス映画の犯罪物を観てないなぁ!って思ってる映画ファン必見の映画です!アクションシーンはハデに!ラストは静かに!絶対にハリウッドでは、持って行かないラスト!フランス映画、好きです(アクションと犯罪物だけですけど)。でも、ハリウッド版リメイクって同じラストだったりして。80点
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