『邪拳迫る!死守せよ少林寺秘伝』
達磨密宗血狸飄 SHAOLIN KUNG-FU MYSTAGOGUE(1980年台湾)
監督 チャン・ペン・イー
脚本 ワイ・スン
出演 カーター・ワン、シュウ・フェン
チャン・イー、ファン・チーク
ルン・フェイ
■ストーリー■
1646年清の皇帝トウ・オウカンはすでに滅亡した明の残党を討ち果たすべく将軍ベラ・パウロを北京から南方へ派遣した。明の皇帝ロン・ウーはすでに捕らえられ獄死していたが漢民族の新王朝にたいする反感はいまだ強かった。そんな空気にのり明を再興すべくロン・ウー皇帝の弟キン・タンはわずかな忠臣とともに南方へ急いだ。しかし、それはまさに危険極まりない敵中突破であった…
■感想■
1980年の台湾製の武侠映画です。
画面から察するに3D映画です。TBSの深夜放送で鑑賞しました!だから、もちろん3Dでなく観ました!3Dの立体映画でなくても、スゴク面白い武侠映画です。
TBSで1983年の12月17日の土曜深夜にTV放映されました!
もし、この映画を観ていなければ、自分は“武侠映画が好き”になっていなかったかも! っていうほど、自分にインパクトを与えた作品です。
この作品を観たころは、まだ“武侠映画”という言葉さえ知らなかったんです。当時、この作品に1番近い雰囲気の映画といえば、やはり台湾の立体映画の武侠映画『空飛ぶ十字剣』(1977年)でしょうか??
『空飛ぶ十字剣』も、登場するキャラクターたちが身に着けているものとかが、突然武器になったりする超ブッ飛び映画でした!!『空飛ぶ十字剣』は、不死身の敵ボス、かっこいい主人公、とてつもない武器等でかなり面白かったんですが、今作も負けず劣らず、本当に面白い作品です!!
もう出てくるキャラクターがスゴイ!!
“ブッダの奥義18番”を得とくした少林寺の盲目の老僧。
この“ブッダの奥義18番”という技は危険極まりない技で、得とくした者は途方もない力を得られるが、もし、しくじった者は死ぬことさえある!!という奥義です。
かつてブッダの奥義18番の巻物を盗もうとした泥棒を捕らえようとして盲目になったっていう設定です。
この老師のキャラクターが最高です!とにかくメチャクチャ強いです。ハッキリ言って主人公よりも強いです!
また、性格も最高!少林寺を探っていた清の将軍の密偵を、自らぶっ殺しといて
「ブッダの哀れみを。安らかに眠れ」って。
性格も行動もアクション映画度★★★★★で満点です!
敵方のボスの将軍のベラ・パウロの設定もスゴイです!
鍛えた身体で刀を一切通じないようななってます。
また、将軍が雇った殺し屋ユー・ミンはチベットのスウサというラマ僧が作った2羽で対になった3枚刃の金属の鳥を使ってます。この剣は木にちょっと触れただけで、太い木が切れちゃいます。その上、草むらや地面に投げるとなぜか爆発が!!!
「なぜ??なぜ??なぜ???)」
敵方だけでなく、主人公サウ・チェンの妹フェイ・ファンも鎖のついたモリを持ってて、突然モリの部分が、地球の物理法則を無視して敵に向かっていきます。
今ならワイヤーワークで人間が空飛んでてもそんなに驚かないですけど、1983年に今作を観たときはとにかく驚きました。
やたら濃いキャラクターたちや、異常な武器で十分インパクトありすぎです!!
一方、カーター・ワン扮する主人公の影が薄すぎって感じです。神谷明が日本語吹替えしてるところ1番ヒーローっぽい特長に!!
また、名前もないような脇のキャラクターも明の再興を信じて国のため、明の皇帝の弟キン・タンのために死んでいきます。
家臣もそうですけど、牢屋でキン・タンと偶然一緒になった男もウソをついて殺されます。
名前のあるキャラクターも無いキャラクターも、次々と死んでいきます。
主人公たちを助けるために颯爽と登場した白装束のイー・チェン・ファンとかも、登場した時はスゴク強そうだったのに、あの退場の仕方は!
まるで少年ジャンプの連載マンガのキャラクターのように、次の場面のために死んで行きます!
殺し屋ユー・ミンが使う武器“空飛ぶ金属の鳥”に対して、老師がヒロイン、フェイ・ファンに授けるビルマから持ち帰った剣、これも驚きの剣です。1度見たら忘れられない形してます。
「折れてます!!」
ホントに折れてます!
不死身の将軍の弱点って何??
この弱点にもビックリです!
みんなコミックに出てきそうなキャラクターばかりです。
映画のラスト、今まで、さんざん主人公たちの仲間を殺してきたユー・ミンが、クライマックスで老師の前で
「私の願いも明の再興です」
とか言って自殺しようとして、自殺を止めようと近づいてきた老師を襲います。
すかさず、老師に
「だまされないぞ」
と言われると「ばれてたのか。」って!!
おかしい、おかしすぎる。誰でもだまされないと思うんですだけ…。
ほとんど、戦うシーンばかりの作品ですけど、あまりのブッ飛びすぎの戦いに、興奮しっぱなし!!
とにかく、今作のおかげで、TVでカンフー映画を放映するたびに観て、その度にガッカリってことが、しばらく続いた記憶があります。
後年、カンフー映画と武侠映画が違うことを知ったんですけどネ。
今作はあくまでも個人的に武侠映画のブッ飛びぶりを知ったって言う意味でエポックメイキングだった作品です。
とにかく『空飛ぶ十字剣』以外で、今作に匹敵する驚きを得た作品はチン・シウトン監督の『妖刀・斬首剣』(1985年)を観るまで無かったです。
TV放映版の吹替え音源つきでDVD化されないですかねぇ。 120点
達磨密宗血狸飄 SHAOLIN KUNG-FU MYSTAGOGUE(1980年台湾)
監督 チャン・ペン・イー
脚本 ワイ・スン
出演 カーター・ワン、シュウ・フェン
チャン・イー、ファン・チーク
ルン・フェイ
■ストーリー■
1646年清の皇帝トウ・オウカンはすでに滅亡した明の残党を討ち果たすべく将軍ベラ・パウロを北京から南方へ派遣した。明の皇帝ロン・ウーはすでに捕らえられ獄死していたが漢民族の新王朝にたいする反感はいまだ強かった。そんな空気にのり明を再興すべくロン・ウー皇帝の弟キン・タンはわずかな忠臣とともに南方へ急いだ。しかし、それはまさに危険極まりない敵中突破であった…
■感想■
1980年の台湾製の武侠映画です。
画面から察するに3D映画です。TBSの深夜放送で鑑賞しました!だから、もちろん3Dでなく観ました!3Dの立体映画でなくても、スゴク面白い武侠映画です。
TBSで1983年の12月17日の土曜深夜にTV放映されました!
もし、この映画を観ていなければ、自分は“武侠映画が好き”になっていなかったかも! っていうほど、自分にインパクトを与えた作品です。
この作品を観たころは、まだ“武侠映画”という言葉さえ知らなかったんです。当時、この作品に1番近い雰囲気の映画といえば、やはり台湾の立体映画の武侠映画『空飛ぶ十字剣』(1977年)でしょうか??
『空飛ぶ十字剣』も、登場するキャラクターたちが身に着けているものとかが、突然武器になったりする超ブッ飛び映画でした!!『空飛ぶ十字剣』は、不死身の敵ボス、かっこいい主人公、とてつもない武器等でかなり面白かったんですが、今作も負けず劣らず、本当に面白い作品です!!
もう出てくるキャラクターがスゴイ!!
“ブッダの奥義18番”を得とくした少林寺の盲目の老僧。
この“ブッダの奥義18番”という技は危険極まりない技で、得とくした者は途方もない力を得られるが、もし、しくじった者は死ぬことさえある!!という奥義です。
かつてブッダの奥義18番の巻物を盗もうとした泥棒を捕らえようとして盲目になったっていう設定です。
この老師のキャラクターが最高です!とにかくメチャクチャ強いです。ハッキリ言って主人公よりも強いです!
また、性格も最高!少林寺を探っていた清の将軍の密偵を、自らぶっ殺しといて
「ブッダの哀れみを。安らかに眠れ」って。
性格も行動もアクション映画度★★★★★で満点です!
敵方のボスの将軍のベラ・パウロの設定もスゴイです!
鍛えた身体で刀を一切通じないようななってます。
また、将軍が雇った殺し屋ユー・ミンはチベットのスウサというラマ僧が作った2羽で対になった3枚刃の金属の鳥を使ってます。この剣は木にちょっと触れただけで、太い木が切れちゃいます。その上、草むらや地面に投げるとなぜか爆発が!!!
「なぜ??なぜ??なぜ???)」
敵方だけでなく、主人公サウ・チェンの妹フェイ・ファンも鎖のついたモリを持ってて、突然モリの部分が、地球の物理法則を無視して敵に向かっていきます。
今ならワイヤーワークで人間が空飛んでてもそんなに驚かないですけど、1983年に今作を観たときはとにかく驚きました。
やたら濃いキャラクターたちや、異常な武器で十分インパクトありすぎです!!
一方、カーター・ワン扮する主人公の影が薄すぎって感じです。神谷明が日本語吹替えしてるところ1番ヒーローっぽい特長に!!
また、名前もないような脇のキャラクターも明の再興を信じて国のため、明の皇帝の弟キン・タンのために死んでいきます。
家臣もそうですけど、牢屋でキン・タンと偶然一緒になった男もウソをついて殺されます。
名前のあるキャラクターも無いキャラクターも、次々と死んでいきます。
主人公たちを助けるために颯爽と登場した白装束のイー・チェン・ファンとかも、登場した時はスゴク強そうだったのに、あの退場の仕方は!
まるで少年ジャンプの連載マンガのキャラクターのように、次の場面のために死んで行きます!
殺し屋ユー・ミンが使う武器“空飛ぶ金属の鳥”に対して、老師がヒロイン、フェイ・ファンに授けるビルマから持ち帰った剣、これも驚きの剣です。1度見たら忘れられない形してます。
「折れてます!!」
ホントに折れてます!
不死身の将軍の弱点って何??
この弱点にもビックリです!
みんなコミックに出てきそうなキャラクターばかりです。
映画のラスト、今まで、さんざん主人公たちの仲間を殺してきたユー・ミンが、クライマックスで老師の前で
「私の願いも明の再興です」
とか言って自殺しようとして、自殺を止めようと近づいてきた老師を襲います。
すかさず、老師に
「だまされないぞ」
と言われると「ばれてたのか。」って!!
おかしい、おかしすぎる。誰でもだまされないと思うんですだけ…。
ほとんど、戦うシーンばかりの作品ですけど、あまりのブッ飛びすぎの戦いに、興奮しっぱなし!!
とにかく、今作のおかげで、TVでカンフー映画を放映するたびに観て、その度にガッカリってことが、しばらく続いた記憶があります。
後年、カンフー映画と武侠映画が違うことを知ったんですけどネ。
今作はあくまでも個人的に武侠映画のブッ飛びぶりを知ったって言う意味でエポックメイキングだった作品です。
とにかく『空飛ぶ十字剣』以外で、今作に匹敵する驚きを得た作品はチン・シウトン監督の『妖刀・斬首剣』(1985年)を観るまで無かったです。
TV放映版の吹替え音源つきでDVD化されないですかねぇ。 120点