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『戦慄!昆虫パニック』1970年代SF!

2005-09-23 23:56:19 | 動物パニック
戦慄!昆虫パニック 砂漠の殺人生物大襲来
PHASE Ⅳ(1973年アメリカ)
 監督    ソール・バス
 脚本    メイヨ・サイモン
 出演    ナイジェル・ダベンポート、マイケル・マーフィ
        リン・フレデリック

 ■ストーリー■
 <フェイズ1>
 その春、宇宙で起こった異変の影響は小さな生物“アリ”に出た。アリ同士の種族間の争いが無くなり、アリを餌とする虫たちカマキリ、カブト虫、クモが激減した。
 このままではアリが異常に増殖してしまう。異変に気がついた科学者アーネスト・ハップス博士はゲームの得意なサンディエゴ海軍海底センターのジムを助手に選び、アリが増えている砂漠に研究所を建設、研究を始めるのだった。アリたちは畑で不思議なミステリーサークルを作り、ジャマな生物を殺し、近隣の家も破壊していった。ハップスたちは近隣の1軒家の居住者に避難命令を出すのだった。
 <フェイズ2>
 研究成果を急ぐ博士は異様なアリ塚を破壊した。しかし、アリたちは近隣の1件家に侵入、人間たちを襲ってきた。また研究所の車を破壊しアリたちは研究所にも攻撃をしかけてくる。研究所に逃げ込もうとする近隣の居住者たちは研究所がアリ攻撃用に散布した黄色い猛毒で死んでしまうのだった。地下室に偶然隠れた1軒家の娘ケンドラが生き残り研究所に保護されるのだった。アリたちは黄色い猛毒の耐性をもった黄色いアリを生み出し研究所の周りに太陽光線を反射させ気温を上げる攻撃をしかけてくるのだった。
 <フェイズ3>
 ケンドラは研究所の外へ出てアリに襲われ砂漠へ消えていくのだった…。

 ■感想■
 1970年代後半、TV東京の映画枠で放映された未公開SF映画。

 タイトルからすると、アリが人間を襲う『鳥』(1963年)や『ドッグ』(1976年)系みたいな動物パニック??と思わせつつ、超低予算の制作費をアイデアでカバーした1970年代のハードSF映画です。
 TV題だと、動物パニック映画と思われると思ったのかビデオ題は『フェイズⅣ戦慄!昆虫パニック』とSF映画っぽいタイトルに変わりました。
 
 1970年代も、1977年の『スターウォーズ』の世界的な大ヒットまで、SF映画というと、どちらかというと、他のエンターテイメントのジャンルと比べても、1ランクか2ランク低いジャンル扱いでした!製作スタッフが“どうしてもSF映画を作るぞ!”っていう強い意志を持ってSF映画を作らないと、どうしようもない作品になりがちですけど、今作はしっかりとしたSF映画になっています!
 監督、脚本家に「絶対にSF映画を作るぞ!」という強い意志を感じます。
 
 監督のソール・バスは、グラフィックデザイナー出身で、数多くの映画のタイトルデザインに関わっています。『攻撃』(1958年)、『大いなる西部』(1958年)、『スパルタカス』(1960年)等々でタイトルデザインをしています!
 ソール・バスの最も有名なエピソードは、『めまい』(1958年)、『北北西に進路を取れ』(1959年)でも仕事をしたアルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』(1960年)での仕事でしょう!『サイコ』ではタイトルデザイン以外に、例のシャワーシーンの絵コンテまで描いたってことです!
 
 脚本家のメイヨ・サイモンは、1976年に、やはり傑作SF映画『未来世界』の脚本を書いています。
 ユル・ブリンナー演じるロボットガンマンが暴走するSF映画『ウエストワールド』(1973年)の続編ながら、まるっきり違うアプローチの作品に仕上げた傑作でした!

 
 今作は“人類vs進化したアリ”という壮大な侵略テーマのSF映画ですが、低予算だけに、主な登場人物はわずか3人です。
 主人公の博士と助手、助けられたヒロインです。あとは、すぐに退場になってしまうヒロインの家族3人が出てくるくらいのシンプルさ。
 
 低予算なら低予算で、アイデアを使えばいくらでも映画を作れる!
 という見本みたいな作品です。
 実は、出だしのドキュメンタリー映像が長くてちょっとテンポ悪いんですけど、1970年代前半という製作年度を考えると、B級映画なんで、こんなテンポかな??って感じです。
 
 今作は、ビデオバブルの1980年代中盤に、VHSでソフト化されましたけど、未だにDVD化されていません!
 今作は、TV東京の「火曜ロードショー」(あれ、火曜洋画劇場かな??)で放映された未公開傑作映画です。
 ぜひ、TV東京の放映版の吹替え音声つきでDVD化して下さい!!
 どこかのマーカーさんよろしくお願いします!

 同じ映画枠でオンエアされた作品と言えば
 『愛欲の魔神島 謎の全裸美女虐死体』(1972年)やら
 『悪夢の地底遭難 血を吸う斧連続襲撃の恐怖』(1973年)やら
 『ヘルショック』(1972年)とかとかを、地上波の21時からのゴールデンタイムで放映していたんですもんね。良い時代でした!また観たいです!
 85分枠(実質約69分)でもいいから吹替えで観たい!観たい!ゴールデンタイムなんて言いません。深夜枠でいいから放映して下さい!
 
 今作もTV放映版は、オリジナルは84分だから、実質70分だと10分強はカットされちゃいますけど、逆にテンポが良かったりして。
 それにしても、こんなマニアしか喜ばないようなハードSF映画を、TVでごく普通に観れたなんて本当に良い時代でした!低予算でもアイデア勝負の作品に甘いので、 85点
コメント
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