日本の選挙ですごいのは、投票の数がきちんと合うことだろう。
投票所は、交換券を出していて、二重にチェックしているので、投票所で数が合わないことはまずない。
だが、開票所は、多くの人が来て一斉に作業をするので、数が合わないこともあり、昔は、職員が「白票を持っていて、分からないように混ぜた」という話もある。
「今は、持ち帰り票で調整できるので楽だ」と彼は言っていた。
だが、私は、本当に「持ち帰りと思われる票」に遭遇したことがある。
それは、ある区の区役所で期日前投票をやっているときだった。
統一地方選で、県知事、県議会議員、市会議員の選挙。
投票所を閉めて、投票数を数えたが、県議会議員だけ、入場者数に対して1票少ない。
いろいろと考えてみて、すぐに分かった。
それは、公明党で、市会には候補がいて、県知事も推薦候補がいたが、県議会は、公明党の候補はいなかったのだ。
そこで、県議会選挙については、投票用紙は貰ったが、投票せずに帰ってしまったのだ。
その方の予測がだいたいできたので、その投票所では、その人と思われる人が来たら、投票権を渡さないように指示して終わったときは、夜中をすぎていた。
もちろん、その方と思われる人は来なくて、無事終わったのである。