適格退職年金の移行先に確定給付企業年金を選択した場合、その後の
運用環境の悪化により、積立不足が膨らみ、掛金の追加負担が発生して
いる企業も多いと思います。
これにより、DB(確定給付企業年金)から企業型DC(確定拠出年金)へ
変更しようという動きがでてきています。
適年からDCへの移行では、積立不足があっても、移行できましたが、DB
からDCへの移行では、積立不足があると移行できません。
DBの積立不足とは、積立金が最低積立基準額以下のことを言います。
DBの積立金が最低積立基準額以下の場合は、その差額を一括拠出して
DCへ移行することになります。
さて、DBの負担を軽減するためにDCを採用する場合、まず考えるべきこと
があります。
それは、現状の退職給付制度そのものを見直すということです。
これは適年の移行でも、同じことが言えました。
適年から他の制度に移行するのは、企業年金・退職金制度の積立手段を
変更することではないのです。(なかったのです。)
DBの負担が重いからDCにしようということで、ただ単に金融機関に依頼す
るというやり方を取った場合、たぶん失敗すると思います。
なぜなら、とりあえず、積立手段を負担の少ない方法に変えようとしている
だけだからです。
まず、現状の退職給付制度そのものの見直しから行ってください。