コンサルティングは自転車に乗って⇒企業年金総合プランナーのブログです。

企業年金・退職金制度全般に関するご相談を行っています。
お気軽にご連絡下さい。

適格退職年金の移行が進まないのは。。。

2008-06-05 08:51:54 | 適格退職年金

今年3月末で、適格退職年金まだ32,825件も残っています。適年の制度廃止
までもう4年もありませんので、毎年8,207件以上のハイペースで移行手続き
をしていかないと、間に合わないことになります。
移行先を中小企業退職金共済と考えてる場合には、実質あと3年しかありま
せん。中退共への移行においては最低6ヶ月は掛かるので、遅くとも制度廃
止の2012年3月末の6ヶ月前には、移行手続きに入らないと間に合わないこ
とになります。
他の制度への移行でも同じことが言えます。確定給付企業年金や確定拠出
年金への移行でも最低6ヶ月は必要ですので、企業としての意思決定には、
やはりあと3年しか余裕がないことになります。

では、3年あれば十分なのかというと、そうもいえないと感じています。
なぜ移行が進まないのか?移行が進まない企業は、担当者に任せている
ケースが多いように思います。事業主も担当取締役もあまり関与しておらず、
担当の部長、課長に任せていると、全然進みません。

適年を他の制度へ移行するということは、定期預金をA銀行からB銀行に移す
ということとは、全く違います。そもそも適年の移行先には、適年と同じ制度は
ないのです。企業の適年の移行担当者は、総務担当者が多いのですが、総務
担当者は総務人事の担当であっても、企業年金・退職金の専門家ではないか
らです。

そして、企業の担当者が適年の移行を検討する場合に、「適年の移行先はど
の制度がいいか、何が一番安くて済むか、事務手が掛からないのはどれか」と
いった点からの検討になってしまうと、金融機関からの提案をいくら聞いても
結論に到達しないで、迷路にはまってしまうことになります。

適年の移行に当たっては、「適年の移行後の企業年金・退職金制度を、企業は
どうしたいのか」が重要です。
担当者に任せていないで、事業主の積極的な関与が必要です。
企業年金・退職金制度は企業決算へ与える影響も大きいですから、事業主が
責任を持って取り組むべき問題です。