猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

最後のギフテッド・チャイルドはIQ143の小柄な男の子

2022-04-23 23:02:15 | 愛すべき子どもたち

最後に紹介したいギフテッド・チルドレンは、今年の4月に小学3年生になった男の子である。このような小さな子どもに本当に才能があるかどうかわかる筈がないと私自身は思っている。偶然の体験に左右されながら、才能はこれからしだいに育っていく。

私が気づいたのは頭の回転がほかの同年齢の子どもより早いのである。これは、神経細胞間の興奮伝達がスピードが速いのであろうか、そんな単純な話しではなさそうだ。その脳の仕組みを私は知らない。親によれば、WISC検査で IQ143である。IQ100が平均で、IQの幅15が標準偏差である。標準偏差の3倍も賢いということである。私自身はIQは目安であって大騒ぎしても意味がないと思う。

たぶん、天才科学者といわれるアインシュタインに、8歳のときにIQテストを行ってもIQ80ぐらいだろうと私は推定する。子どもときのアインシュタインは、家のお手伝いさんに軽い知的障害児と思われていた。のろまで、おしゃべりができなかった。算術も得意ではなかった。アインシュタインは、中学に進み、代数学に目覚めた。

親は、その子を「2E」、すなわち、「ギフテッドプラス発達障害」と思っていて、「ギフテッド応援隊」に入会している。月1回ほどのペースでzoomのお茶会をして、「知的に高すぎるがゆえの困りごと」について、そうだそうだと話しあっているという。ほかで、その話をすると、自慢と受け取られたり、いろいろ詮索されたりするから、ママ友に「困りごと」を話せない。

さて、その子は小学校1年で、不登校になった。1年の冬に私がいるNPOのフリースクールにやってきて、2年になって、登校を再開した。今年の3月からは、放デイで私が担当している。可愛い小柄な子で1週間に1度に教えるのを私は楽しみにしている。

1週間に1度 私のもとにくる以外に、学習塾にも通っている。学習塾で出される算数パズルの予習に私のところにくるのである。算数パズルとは、「虫食い算」のように試行錯誤を繰り返せば良いのであって、証明問題のような抽象的思考を要しない。どちらかというと一時メモリーが強ければ、試行錯誤を効率的に繰り返せる。ただ、もっと難しい問題に将来挑戦するときに備えて、思考過程を式や絵に表現することも教えている。

数学はまだ教えていない。そのかわりに、科学の話を好奇心に合わせて広くしている。その子は、温暖化ガスの1つの2酸化炭素ガスが大気中に0.03%あると知っていた。私は、そんなにたくさんあるとは知らなかった。家では元素の話の本を読んでいると言う。金属のような重い原子は、星が重力収縮したとき生成され、爆発して宇宙にばらまかれるのだと、さらに言う。

その子は図鑑を読むが絵本を読まないと言う。父や妹はマンガを読むが、自分は読まないと言う。じゃ、小説を読むのか、と私が言うと「うん」と答える。歴史を読むのか、と言うと「そう」と答える。

私は小学校低学年のとき、童話の本を読むのが好きだったのに、その子と会話しているとき、たまたま、「童話」という言葉が思いつかなかった。

才能は偶然が作った偏りかもしれない。価値観も偏りかもしれない。私は偏りを後押ししたようだ。

私はその子がよくしゃべるので、学校でオピニオンリーダなのかと思ったが、本人の口からは否定された。みんなと意見が違うのだが、自分を抑えて合わせているのだと言う。その子を見ていると、大人にも気遣う。相手の心がわかりすぎる。確かに、私もこの点で親の心配に共感する。脳に不必要な負担をかけている。自己愛が確立していくにあわせて、他人の気持ちがわかればよい。他人の評価が気になり始めると、自己愛の確立がうまくいかない、と私は考えている。



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