2日前、人口戦略会議が、2050年までに自治体の4割で、20から39歳の女性が50%以上減少する可能性がある、との推定結果を公表した。会議がこれを「消滅可能性自治体」と名付けたのは、多少大げさの感があると私は思う。これは、あくまで、日本の少子化と大都市への人口移動の傾向を推定したものであある。
同じ2日前、私は、田舎の高校同期会に出席するために、8年ぶりに石川県の金沢に行った。
町を歩き回って思うのは、やたらと広い道路が多数できていて、大量の車が行きかっていることである。けっして、産業用自動車や観光バスではない。なぜ自家用車などが町の中心を走るのか、よくわからない。
幅広い道路を作ると、両側の商店街は滅びる。道路をへだてた住民の接触は減ってしまう。町の中心には駐車場が少ないから、車は通過するだけになる。
また、金沢駅のまわりに、地元のお土産屋ではなく、東京のアパレルや雑貨店や軽食店などの商業施設がずっと広がっていた。
金沢の住民が、町をテーマパークのように変えるのは、住民の勝手である。しかし、東京からの観光客が、東京で買えるものを、わざわざ、金沢に来て買いたいと思うはずがない。いままで地元の店に入っていた地元の客が、東京からの進出の店に吸い込まれる。近辺の市町村の商店街の客も、東京からの進出の店に吸い込まれる。
幅広い道路と同じく、東京から進出した商業施設が、町を崩壊させる。
ヨーロッパの町では、町のなかへの車の侵入を制限する。道路は歩く人のためのものである。歩くのが大変な人は公共交通機関を使う。何車線もあるような道路を町の真ん中に作らない。広い道路を作るのが地方行政の仕事だと考えるのやめるべきである。防災対策のため、消防車が走れる道路も必要だが、町の崩壊を防ぐため、限度を超えた幅広さはいらない。
日本も都市の中心への車の乗り入れを制限し、現在の幅広い道路を広場に変えるべきである。フリーマーケットにして地元の人が手作りのものを売るのも良いだろうし、そばのレストランやカフェーがテラス席(屋外席)を設けるのも良いだろう。季節の花を植えるのも良いだろう。
江戸も昔のロンドンも都市に女性が集中することはなかった。逆に、仕事を求めて、男性が過度に集中して、独身男性があふれた。いま、なぜ、大都市に女性が集中するのかが、わからない。地方は女性蔑視が多いのだろうか。そうなら、そうでないことを地方自治体は示せばよい。インタネットが普及した現在、地方にも女性の魅力的な仕事を創れると思う。
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