猫じじいのブログ

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イスラエル・ガザ戦争は、どれだけガザ住民を殺せば終わるのか

2023-12-06 00:28:21 | ガザ戦争・パレスチナ問題

イギリスの放送局BBCは、今回の戦争を、イスラエル・ガザ戦争と呼んでいる。

10月7日にイスラエルがハマスから奇襲攻撃を受け、すぐさま、イスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフがつぎのように表明した。

「治安当局の幹部を招集し、入植地から侵入したテロリストを一掃するよう指示した。この作戦は今まさに、実施されている」「同時に私は、予備役の大規模な動員と、敵がかつて経験したこともないような威力と規模の報復戦争を命令した」。

このあと、「報復」でなく、「ハマス壊滅」を戦争の目標に置いた。ハマスの本拠はガザにあるとイスラエル側は主張する。

「報復」ならば、日本では、「倍返し」という話しになる。ただし、ヘブライ語聖書(旧約聖書)の創世記4章24節に「カインのための復讐が七倍なら/レメクのためには七十七倍」とあるから、レメクの子孫の国イスラエルは77倍の報復となる。奇襲攻撃で約1,400人のイスラエル人が死んだとされるから、ガザの住民を107,800人殺すことになる。

「ハマス壊滅」となると、ハマスとガザ住民との区別がつかないから、ガザの住民約238万人を殺すことになる。

イスラエル・ガザ戦争は、ハマス側は戦闘機や戦車や戦艦などの近代兵器を持ち合わせていないから、イスラエル側の一方的攻撃が、ハマスの奇襲攻撃に後に続いている。そして、11月24日の戦闘一時休止までに、イスラエルはガザの住民を約1万5千人殺している。「カインのための復讐が七倍」をとっくに越えている。1週間で戦闘が再開されたから、ガザ住民はまた殺されていく。このままでは、すぐに2万人を超えるだろう。

電気も水も食料も供給されていないから、空爆や戦車攻撃だけでなく、このために死ぬ者も現れるだろう。実際、病人や新生児はすでに病院で死んでいる。

ヘブライ語聖書の『列王記下』の18章27節に、アッシリア軍がユダ王国の城を兵糧攻めを行い、王の使いと城壁の兵士に降伏しないと「自分の糞尿を飲み食いするようになるのだ」と告げたとある。兵糧攻めは昔からある残酷な手である。しかも、今回はガザ住民に降伏の道が用意されていない。あくまで、イスラエル側の一方的な攻撃で、ガザ住民の意思は問われていない。

戦争で非戦闘員を殺すことや食料攻めの行うことは、国際条約では禁じられているが、イスラエルは条約に参加していない。

現在、ネタニヤフ政権は「77倍返し」を口にしないが、「ハマス壊滅」を相変わらず宣言している。戦争を止める意思は全くない。

アメリカ政府がイスラエルへの軍事援助を止めるか、イスラエル国民がネタニヤフ政権を倒すしか、戦争を止める手立てはない。

アメリカ政府の立場を変えさせるのは、アメリカ国内や世界の世論である。

そもそも、イスラエルはシオニストのユダヤ人が1948年に武力で土地を奪って建国した国である。イスラエル国民自身が自分たちの祖父母の非に気づいて戦争を中止し、パレスチナ人の人権を認め、共存に持ち込むのが、本当は最善のシナリオだと私は思う。さもないと、反ユダヤ主義に火をつけることになる。

[追記]

12月11日、ガザの保健省は、10月7日の戦闘開始からの(ガザ住民の)死者が1万8205人、負傷者は4万9645人に上るとしている。〔朝日新聞12月14日〕

[追記]

12月19日、ガザの保健省は、10月7日の戦闘開始からの(ガザ住民の)死者が1万9667人、負傷者は5万人以上としている。同じ日、国連パレスチナ難民救済事業機関は、220万人のガザの人口の90%以上が自宅から非難し、「前例のない驚くべき水準の強制移住と破壊が目の前で起きている」と訴えた。〔朝日新聞12月21日〕

[追記]

12月27日、ガザの保健省は、10月7日の戦闘勃発からの(ガザ住民の)死者数が2万1110人、負傷者数が5万5243人にのぼったと発表した。〔朝日新聞12月28日〕

[追記]

12月29日、ガザの保健省は、10月7日の戦闘勃発からの(ガザ住民の)死者数が2万1672人に達したと発表した。約7割を女性と子供が占める。負傷者数が5万6165人にのぼる。〔朝日新聞12月31日〕

[追記]

1月4日、ガザの保健省は、昨年10月7日の戦闘勃発からの(ガザ住民の)死者数が2万2400人以上に達したと発表した。(BBC)

[追記]

1月21日、ガザの保健省は、昨年10月7日の戦闘勃発からの(ガザ住民の)死者数が2万5105人、負傷者数が6万2681人にのぼったと発表した。〔朝日新聞24年1月22日〕

[追記]

2月29日、ガザの保健省は、昨年10月7日の戦闘勃発からの(ガザ住民の)死者数が3万35人、負傷者数が7万2681人にのぼったと発表した。〔朝日新聞24年3月1日〕

[追記]

4月5日、ガザの保健省は、昨年10月7日の戦闘勃発からの(ガザ住民の)死者数が3万3091人、負傷者数が7万5750人にのぼったと発表した。〔朝日新聞24年4月7日〕



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