猫じじいのブログ

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ロシア大統領プーチンはクリミア大橋爆発を機に戦争の新しい段階に踏み込んだ

2022-10-10 22:46:50 | ロシアのウクライナ軍事侵攻

いま、ウクライナ・ロシア戦争が新しい段階にはいった。10月8日のクリミア大橋の爆発に対する報復としてロシア軍はウクライナ全土にミサイル攻撃を行った。

新しい段階とは、これまで、ロシア軍のミサイル攻撃は、建前上、軍事施設を狙ったものと発表していたのに対し、軍事施設と限定しない無差別の報復としたことである。

クリミア大橋は、ロシアのクリミア併合の後 建設されたクリミア半島とロシアと結ぶ約18 kmの橋である。クリミアの軍事基地の補給路であると同時に、クリミア併合の象徴である。

今回の爆発で、ロシア本土から日帰りで働きに来ている人たちが、橋の手前で大渋滞に巻き込まれているとの報道があった。橋は全壊でなく、片側は無償だった。ロシア大統領のプーチンの報復は、メンツを潰されたことへの怒りと同時に、この9月に起きたロシア軍の敗退への回答である。

20世紀の戦争は国家の総力戦であった。

第2次世界大戦時に、ドイツ空軍はイギリス本土を攻撃し、1941年5月末までに4万3000名以上の民間人(半分がロンドン市民)が爆撃で死亡、100万以上の家屋が損害を受けた。その仕返しか、戦争末期に、イギリス軍とアメリカ軍はドイツの都市に無差別爆撃を行った。また、アメリカ軍は日本とブルガリアの都市に無差別爆撃を行った。

今回の戦争でも総力戦である。ウクライナ政府は、2月24日のロシア軍の侵入とともに、総動員令を発し、18歳から60歳までの男性の国外脱出を禁止し、ロシア軍との戦争への参加を求めた。ロシア政府は、ウクライナ侵攻を特別軍事作戦(限定的戦闘)として志願制をとっていたが、ロシア軍の敗退を前に、プーチンは9月21日に総動員令を発した。

それでも、ロシア軍は、建前上、民間人を攻撃の対象としていなかった。それが、クリミア大橋の爆発を契機に、ロシア軍はウクライナ全土への無差別ミサイル攻撃を行った。

ウクライナ政府はこの事態にどう対処するのか。私が思うに、これまでは、ロシア軍の侵略に反撃するという建前で、アメリカやヨーロッパから軍事物資の援助を受けてきた。この援助のおかげで優勢に立てたのだから、民間人を攻撃しないという建前を守らざるを得ない。ウクライナ側は戦争の新しい段階に踏み込めない。

ウクライナ側の残されている戦争の新しい段階は、プーチン個人を狙ったテロしかないように思える。プーチンが核兵器を使用したとき、あるいは、使用しようとしたとき、プーチン個人の暗殺が試みられる気がする。

しかし、テロで戦争に勝ったという過去の事例はない。すると、結局は、ウクライナ国民はミサイルの全土攻撃に我慢、我慢しかないようである。



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