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猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

予測不可能な時代に接待外交は通じない, 日本から安保を破棄

2019-06-26 23:09:47 | 戦争を考える
 
ドナルド・トランプは、予測不可能な大統領である。人類の歴史は人を約束の守れる人間にすることだ、とニーチェはどこかで言っていたが、トランプはまさに真逆である。いわゆる「良い子ちゃん」でない。「悪ガキ」なのだ。
 
トランプ大統領は、自分にとって損か得かで、激しく揺れ動く。彼は、常識にとらわれないから、ものごとの本質をつくこともある。
 
彼の言う通り、米日安全保障条約は、過去の遺物で、不要のものなのであろう。
 
トランプ大統領は、昨年、北朝鮮との軍事的対峙、戦争ゲームは、無駄にお金がかかる、と言った。北朝鮮の労働党委員長キム・ジョンウン(金正恩)と何か共同署名を行ったが、わかったことは、北朝鮮の脅威は大したことがないと、じつは、みんなが思っていたということだ。
 
トランプ大統領は、就任したとき、軍人出身者は勤勉で自分に忠誠を尽くすと思って、大量に閣僚メンバーにしたが、昨年から、次々と首にしている。じつは、軍人出身者が「やくたたずの木偶の坊」であることが、もはや、公然の事実となった。
 
トランプ大統領は、2年前に、突然、シリア政府の軍事基地にミサイル攻撃した。ところが、昨年の12月、IS掃討に成功したと宣言し、米軍をシリアから撤退させると言った。彼は、軍人が自分たちの組織をまもるために危機をあおるだけで、つき合っていられないと思ったのだろう。
 
トランプ大統領は、昨年6月、イランと欧米との核合意から、離脱を一方的に宣言した。イスラエルのためと言われている。昨年5月、アメリカ大使館をテレアビブからエルサレムに移した。アメリカの福音派の票を得るためと言われている。
 
今年の6月13日、ホルムズ海峡で日本のタンカーがイランの革命防衛隊の攻撃を受けた、と、トランプ政権は発表してイランを非難した。が、いっぽうで、トランプ大統領は、自国のタンカーは自分で守れ、アメリカの知ったことかと言った。
 
また、6月20日、米軍の無人偵察機がイランに撃沈されたから、その仕返しにイランの軍事基地に攻撃しようとしたが、(イラン人が)150人死ぬという軍幹部の予測を聞いて、無人偵察機のために150人を殺すわけにいかないから、直前に中止した、とトランプ大統領は言う。
 
たしかに、死人ゼロの仕返しのために150人を殺すわけにいかない。
 
しかし、思う通りに動かないトランプ大統領を動かすために、米軍幹部のなかに、わざわざ危機を作っているものがいるのではないか。ホルムズ海峡のタンカー攻撃事件も陰謀臭い。
 
トランプ大統領とアメリカ政府は混乱し、予測不可能である。
 
この際、日本も、対米従属で貿易不均衡を許してもらおうなどとのスケベ根性をサラッと捨てて、日米安全保障条約を破棄しよう。予測不可能な時代に、接待外交は通じない。軍事同盟はかえって危険を拡大する。

北方四島戦争発言での丸山議員辞職勧告の是非

2019-05-18 23:44:29 | 戦争を考える


私は、戦争で北方4島を取り戻すことに、反対である。
そして、戦争で北方4島を取り戻すしかない、と、丸山穂高衆院議員が北方四島ビザなし交流の訪問団の団長にせまったことを、非難する。

しかし、5月17日に野党6党共同で衆院に、議員辞職勧告決議案を、提出したことには、反対である。非難決議にとどめるべきである。

民主主義社会では、人に発言の自由がある。そして、その発言を非難する自由がある。しかし、トンデモナイ発言をした国会議員を多数派の国会議員が辞職させる権利はない、と私は思う。日本では、国会議員は、選挙区の国民によって選ばれたものである。

丸山議員がトンデモナイのは、大阪19区の選挙民の多数派が、トンデモナイか、彼のことをよく知らないで選んだか、どちらかだ。辞職を要求するのは選挙民であって、仲間の国会議員でない。

維新は党派であり、党員か否かは維新がきめることである。維新が丸山議員の戦争発言をトンデモナイと除名処分するのは、適切な判断である。

国会議員が国民によって選挙で選ばれたということを、国会議員は尊重すべきである。選挙民からの辞職要求署名が国会に送られるまで待つべきである。


軍人がいるから戦争が起きる、自衛隊は違憲

2019-05-16 21:18:09 | 戦争を考える


安倍晋三は、何かというと、「自衛隊を憲法違反とする共産党が」のワンフレーズを繰り返す。まったく、安倍晋三は不愉快な男である。自衛隊を良しとしないのは共産党員だけに限らない。

私の母親は軍人が嫌いだった。私の子ども時代の大人の多くは自衛隊をウサン臭いものと見ていた。だから、その疑いの目をそらすため、自衛隊員がやたらと災害復旧に駆り出されていた。
もし、自衛隊が災害救助や復旧のためなら、国土交通省の下に、災害救助隊、災害復旧隊、国土整備建設隊として、おけばよい。失業対策にもなる。

軍隊は戦争をするためにある。戦争は、利害からくる争いを解決するための、究極の暴力、組織的大量殺人である。

軍人と兵卒とは区別しなければならない。軍人は戦争の指揮と兵卒の訓練を行う職業人である。兵卒は権力者に駆り出されて殺し合う消耗品である。

私の母親の怒りは、人びとが殺し合うのを良しとしなかったからだけではなく、軍人と軍人の家族が戦中やたら威張っていて、人権を無視し、理屈に合わないことを彼女にしいたからである。妊娠していた私の母親は、空襲で燃える家を消火する訓練に駆り出され、夫は赤紙で中国戦線に一兵卒として連れていかれたのだ。

イノベーション論で有名な、資本主義大好きの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターは、軍人がいるから戦争が起きるのだ、と言っている。軍人は、自分の身分を守るために、危機を叫んで軍備を拡張し、結局、抑止力にならず、戦争を起こしてしまう。死ぬのは兵卒たちである。

実際、軍人がいかに危険かは、第1次世界大戦後のドイツにおいて、ドイツ帝国の再興を狙ったドイツ軍部の陰謀活動に見られる。アドルフ・ヒトラーは軍部の陰謀活動の駒であったが、軍部の意図を大きく越えて、独裁者になった。

市民戦争(いわゆる南北戦争1861-1865年)で大量の死傷者を出したアメリカ国民は、心の底では反戦である、と放送大学の名誉教授、高橋和夫は言う。市民戦争後のテキサスやハワイの併合は、アメリカの国軍が行ったのではなく、一部の失業軍人が勝手に行ったことである。アメリカ国民は第1次世界大戦のときも第2次世界大戦のときも参戦に反対であった。

ところが、第2次世界大戦後、ハリー・トルーマン大統領が国軍を縮小しなかったことから、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、反戦のはずのアメリカ国民が巻き込まれていく。

戦前の中国侵略も、当時の大日本帝国政府の承認なしに、関東の陸軍軍人が勝手に始めたものである。

不思議なことに、全方位恫喝外交をするトランプ大統領は、軍人の報告を信用しない。自分たちの組織とお金を確保するために、軍人は危機をあおっていると考える。この点だけは、シュンペーターと同じだ。

いっぽう、軍人でもないのに、安倍晋三は、なぜか、軍事的危機を叫んで軍備を拡張し、改憲を行おうとする。

現行憲法の第九条に次のようにある。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

憲法第九条は、まさに、戦前の軍国主義の完全なる復活を妨げる封印なのである。改憲させてはいけない。ウサン臭い自衛隊を白い目で見なければならない。