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猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

広島平和公園とパールハーバー記念公園との姉妹協定の闇

2023-07-01 00:16:41 | 戦争を考える

きのう(6月29日)、広島市の平和公園とアメリカのパールハーバー国立記念公園が「姉妹公園協定」を結んだことをテレビで知った。

公園は人間ではないから「協定」を結ぶことはできない。この主語は人間であるべきだ。正しくは、東京のアメリカ大使館で、きのう、ラーム・エマニュエル駐日米国大使と松井一實広島市長が姉妹公園協定書に署名したということだ。エマニュエルはアメリカ政府を代表し、松井は広島市の地方政府を代表しているわけだ。

ここでも、日本語は不正確で、松井は「市」を代表しているのではなく、「地方政府」を代表しているのである。広島市議会でこの協定が承認されたとはまだ聞いていない。

この協定が結ばれるに至った背景を、NHKは6月22日にホームページでつぎのように書いている。

〈ことし4月、アメリカ側から広島市に対し、G7広島サミットをきっかけに協定を結びたいという打診があり、広島市は5月のG7サミットで出された核軍縮に関する声明「広島ビジョン」の実現に向けた機運の醸成につながるとして、受け入れることを決めました。〉

アメリカ側とは「アメリカ政府」である。アメリカ政府と広島市の地方政府とが協議するなんて、格が違うから不自然である。アメリカ政府が日本政府に「姉妹公園協定」を結ぶように働きかけたということであろう。日本政府が広島市の地方政府に協定を結ぶように迫ったのだろう。松井市長が協定を結ぶことにためらいがあったから、調印までに時間がかかり、調印式がきのうになったのであろう。

何か不愉快なものを私は感じる。

きょうの時事ドットコムニュースをみると次のようにある。

〈松井氏は両公園について「戦争の始まりと終わりを象徴する場所だ」と指摘した上で「平和を願う両国民の思いは同じだ」と述べた。エマニュエル氏は「かつて対立の場であった両公園は、今では和解の場となった」と強調した。〉

エマニュエルは、この協定は日本とアメリカとの「和解」の象徴であると言っている。ところが、松井は「平和の願い」の象徴と言っている。ずれがある。

広島平和記念公園は、戦争反対の象徴なのだ。核兵器だけを使わなければ戦争をしていいと言っているわけではない。核兵器を使わなくても戦争は殺し合いであり、悲惨なのだ。

中沢啓治の『はだしのゲン』は、原爆だけでなく、戦争中に日本で言論の弾圧があり、戦争反対をいうと暴力を受けたこと、戦後は被爆をしたということで同じ日本人から差別といじめを受けたことを描いている。

アメリカ政府の意図は何だろう。

バイデン大統領が広島平和記念資料館を訪れたのは、アメリカと日本の80年前の戦争の「和解」を演出するためであって、日本政府に無条件降伏を受け入れさせるために1945年に広島と長崎にアメリカ政府が核兵器を使用したという立場を変えていないとアメリカ国民に言いたいがためである。

私が感じた不愉快なものをここにあるのだ。岸田文雄はアメリカ政府と共に、広島の原爆ドームや記念資料館のもつ意味合いを変えて、軍事予算を倍増させ、軍備拡張競争に踏み込んでいる。人をバカにしている。不愉快を通り越して怒りを感じる。


日本政府のデマに騙されるな、北朝鮮の弾道ミサイル騒ぎ

2023-05-31 21:46:37 | 戦争を考える

日本政府は、軍事力拡大路線を走るために、北朝鮮のミサイルの脅威を誇大に語っている。そんなバカなことは止めて欲しい。北朝鮮の脅威はない。

2日前、TBSかテレビ朝日かのいずれかだったと思うが、午前11時台のニュースで、人工衛星打ち上げと称する北朝鮮の弾道ミサイルが日本を横断するので、官邸が自衛隊にそれを破壊するよう命令した、と報じた。

私の妻も一緒にニュースを見ていて、びっくりして私に人工衛星打ち上げロケットを日本が打ち落として良いものか、聞いてきた。私は、妻に、ニュースの原稿を書いた記者の言葉足らずだと答えた。人工衛星打ち上げと称するロケットを日本が打ち落として良いはずない。

正午のNHKのニュースで私の発言は裏付けられた。日本の領域内に落下してきたなら、迎撃しろと命令したという、いつもの破壊措置命令であった。

じっさいには、日本が落下してくる北朝鮮の飛行物体を迎撃したとは、これまで一度も聞いたことはない。迎撃できないからか、迎撃する必要がないからか、私には、わからない。しかし、結果的には、破壊措置命令は安倍晋三によってはじめられた北朝鮮脅威論の演出の1つにすぎない。

けさのニュースでは、北朝鮮の衛星打ち上げは失敗で朝鮮半島と中国の間の海に落下したという。日本を横断するというが、その軌道は沖縄と台湾の間の上空を通過するはずだった。ショボい話である。

北朝鮮の脅威は、軍備増強のために、誇大に語られているにすぎない。一部の日本人の朝鮮人蔑視の感情を利用した悪意に満ちたデマである。

               ☆          ☆               ☆          ☆

本当の北朝鮮問題は、70年前の朝鮮戦争が終結していないことである。朝鮮戦争は、アメリカ合衆国と中国・ソ連との代理戦争だった。今回のロシアのウクライナ侵攻と違って、アメリカ軍は、韓国の南端まで進撃した北朝鮮軍を、韓国に上陸して38度線まで追い返したのである。そして、休戦協定が結ばれたが、和平はしていない。

沖縄がアメリカの海兵隊の基地なのは、そのとき韓国に上陸したアメリカ軍の名残りである。

アメリカは、休戦協定を結んだ後、「共産主義陣営」の封じ込めをはかった。これを東西冷戦という。1989年のベルリンの壁崩壊以降、朝鮮半島でも、和平が求められたが、アメリカはそう動かなかった。

私は外資系に務めていたから、アメリカで韓国人の同僚と話す機会がよくあった。彼らが言うには、戦争が終わっていない、和平条約が必要だ、ということである。

韓国人の同僚によれば、朝鮮戦争を終結させない限り、韓国で軍人が政治的に強くなり、民主主義が実現できないという。

2017年のムン・ジェイン政権は、これまでのどの政権よりも安定した民主主義的政権であった。トランプ大統領に働きかけ、アメリカを巻き込んで、和平に持ち込もうとした。これに反対して動いたのが安倍晋三である。結果的にムン・ジェインの和平の試みは失敗した。

北朝鮮はアメリカを仮想敵国としている。しかも、一見矛盾して見えるかもしれないが、アメリカと貿易をしたがっている。どの国も豊かになりたいのである。アメリカの軍事力に怯えて、身の丈を超えた軍事力を持とうとしているが、本当はアメリカと戦争したくないのだ。

北朝鮮は別に日本と戦争したい理由はない。しかし、日本が北朝鮮を脅威だと言い続けて軍事力を拡張していくと、北朝鮮もいずれ日本を脅威と思うかもしれない。日本はバカなデマを言い続けるのを止めて、朝鮮戦争終結をはかる韓国の邪魔をするのをやめるべきだ。

岸田文雄も安倍晋三と同じく頭がイカレている。


私は沖縄県民に謝りたい、日本本土防衛のために沖縄を犠牲にしていることを

2023-05-16 21:36:30 | 戦争を考える

沖縄にミサイルを配置するという計画を日本政府が進めているが、私は沖縄県民に本当に申し訳ない話だと思っている。78年前に、日本帝国政府と軍部が沖縄を本土決戦の前の前哨戦と位置づけ、多くの沖縄県民が米軍に殺されたことを思い出す。沖縄県民が大量に死んだのだが、本土決戦は行われなかった。日本帝国政府と軍部は降伏したからだ。沖縄県民は無駄死にしたである。

日本政府(自公民政権)の方針、沖縄にミサイルを配置し、反撃能力をもつということ自体の意義がわからない。本当に反撃であれば、どこにミサイルがあるかわからない状態にすべきであろう。それを、沖縄の特定の島にミサイル基地を作れば、反撃する前に、真っ先に攻撃され壊滅状態になろう。島民は自衛隊の基地を作ったばかりに、巻き添えになって殺されるだろう。78年前の再現である。

反撃のミサイルは海に散在する大型潜水艦から発射するものである。北朝鮮は潜水艦からのミサイル発射や、陸上なら発射場所を大型トラックで山の中を移動してのミサイル発射訓練を繰り返している。

すると、沖縄にミサイル基地を作るというのは、単なる「こけおどし」にすぎない。しかし、こけおどしは相手を挑発しているから、戦争になるリスクを高めている。

ミサイル基地は反撃能力にならない。配備したミサイルが機能するとすれば、1941年12月8日の真珠湾奇襲攻撃、先制攻撃しかない。日本政府は敵基地攻撃といっているから、たぶん、真珠湾奇襲攻撃をマネたいのであろう。

しかし、自公に投票した人たちは本当にそれをしたいのだろうか。深く考えないで、安倍晋三の切り開いた積極的外交(武力の脅しで紛争を解決)に騙されて、踊っているだけではないか。本当に本土にミサイルが雨あられのように降るという事態を目前にしたら、沖縄を犠牲にしたまま、日本政府は降伏するのではないか。

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いま、日本政府が、中国、ロシア、北朝鮮を敵国として、ミサイルをはじめとする軍備を強化せんとするが、これは、日本政府がアメリカ政府の言いなりになっているからではないか。78年前に、日本帝国政府と軍部とは、本土防衛のために沖縄を犠牲にしたが、現在、アメリカ政府も、日本国民を犠牲にしてアメリカ本土を防衛しようとしているのではないか。

ウクライナの防衛戦争はもう1年と3カ月になるが、アメリカ政府はウクライナに戦う兵器をちょぼちょぼとしか供給しない。アメリカ政府は、戦争がエスカレートして、ロシアとアメリカの戦争になるのを避けている。だいたい、1年半前、アメリカ政府がウクライナからアメリカ人を引き揚げたから、ロシアは、ウクライナ侵攻をためらわず決断できたのである。

自公に投票した人たちは、日本を犠牲にして、アメリカ政府がアメリカを防衛している現実を真剣に考えるべきである。

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きょう、NHKが1976年のアメリカ映画『7月4日に生まれて(Born on the Fourth of July)』を放映していた。トム・クルーズの扮するロニーが、ケネディー大統領の「国があなたのために何かをするのではなく、あなたが国のために何をするのかだ」という言葉に愛国心を煽られ、ニクソン大統領の「共産主義者が攻めてくる」の言葉に騙され、ベトナム戦争に志願し、ベトナムで負傷し、下半身まひになって帰還してから、自分は騙されていたことに気づくという映画である。ハリウッド映画であるから、最後に希望を示す。それは、反戦運動に参加し殴られ踏みつけられ、4年たって、大統領選の集会で車いす姿でスピーチに壇上へ上がるところで映画は終わる。

NHKは、親切にも、あなたは自公政権に騙されていると、日本国民に、告げたかったのだろう。


国が軍需産業を支援するというのは戦争の準備そのものだ

2023-05-09 19:03:39 | 戦争を考える

5月9日、けさの朝日新聞で『防衛産業「国有化」可決へ』を見て驚いた。

法案の正式名称は「防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案」という。この法案が、4月27日の衆院安全保障委員会で自民、公明の与党のほか、立憲民主、日本維新の会、国民民主の野党も賛成に回り、共産党だけの反対で、可決されたという。きょう、衆議院本会議で可決される見通しだという。

公明党、立憲民主党が反対しなかったことに怒るとともに、日本の議会制民主主義が機能しているのかを疑う。

「国有化」が問題ではなく、この法案は、日本での軍需産業を是認し、政府が積極的に支援するというのが問題なのだ。これは、日本のこれまでの平和主義を全面的に否定するものだ。

「防衛省が調達する装備品等」というが、法案を見ると第2条で「装備品、船舶、航空機及び食糧その他の需品(これらの部品及び構成品を含み・・・)」と何でもありになっている。装備品と言っても鉄板やナットなどの部品を作るのではなく、「構成品」というから、戦車や戦闘機やミサイルなど兵器その物を含む。

「開発」で、最新鋭の兵器の研究開発を含む。また、「装備移転」という名目で、外国政府に対して、有償・無償で譲り渡すことができると、規定している。兵器の輸出にGOサインを出しているのだ。

兵器というものは人を殺すものである。政府と軍と軍需産業が一体となったとき、国が戦争に向かうのは当然の理(ことわり)である。

私が子ども時代、みんな、それを軍産コンプレックス(複合体)と言って、あってはならないことだ、言っていた。それが、「日本の平和主義」の了解事項だった。

日本だけではなく、1961年1月、米国のアイゼンハワー大統領も、退任演説で、軍産複合体の存在と、それが国家・社会に過剰な影響力を行使する危険性を指摘した。アイゼンハワーは第2次世界大戦でヨーロッパ戦線を指揮した将軍である。戦争の悲惨さをその目で見てきた大統領である。国が軍需産業を支援してはならない。

こんな法案に賛成する議会政党のいい加減さに幻滅するとともに、直接民主主義の必要性を痛感する。


統一教会のように 政府は戦争の不安を煽って 安保政策の大転換をはかっている

2022-12-18 23:10:17 | 戦争を考える

今日の朝日新聞1面のトップ見出しが『攻撃ドローン「日本製部品」』であった。私は、なぜこれがトップ記事なのかをいぶかしく思う。

攻撃ドローンは日用品を組み合わせて安く作ることのできるゲリラ用の武器である。小泉悠が『現代ロシアの軍事戦略』(ちくま新書)に書いていたように、弱点だらけで、製造コストの安さを無視すれば、近代兵器に大きく劣る。移動スピードは遅い。電波で操縦する必要がある。載せる爆弾は軽くないといけない。

あくまで、貧しい国や非正規軍が金持ち国の正規軍に対抗するための兵器である。アメリカ軍は これより はるかに高性能の無人兵器をもっている。アメリカ軍の無人兵器のほうが速くて電波妨害に耐え爆撃能力に優れている。

とすると、この記事は、日本の軍事産業の輸出を許すための地ならしか、日本の非軍事民間産業への輸出規制強化をもたらす前ぶれとしかならない。確かに、最近、日本の軍事産業は輸出規制によって経営が困難になっているという記事が新聞紙上をにぎわしている。

ジャーナリストの良心が問われる。

     *      *      *      *

今年の12月12日に自民、公明の両党は、政府の3文書「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略計画」「防衛力整備計画」に合意した。ついで12月16日に閣議決定され、現在、防衛省のサイトにそのpdfファイルが公開されている。

この3文書の改定は、今年の1月から政府が一部の官僚と非公開の有識者会合で作成してきたものだ。順に約2万9千文字、約3万2千文字、約3万2千文字にのぼる。私のような一般人には、即座に読み切れない量である。

メディアが 日本の安全保障政策の大転換であるというが、ジャーナリストは 国民に分かりやすく、かつ、見落としのない批判を展開しないといけない。

与党協議も、10月中旬からの毎週1〜2回のペースの計15回の実務者協議、両党幹部の親会議2回だけである。公明党は、統一教会問題で自民党の脅しをうけ、安易に合意したのではと私は疑う。

政府が1年間かけて作った安保政策なら、少なくても、1年かけて国会が審理せねばならない。

「国家安全保障戦略」は、策定の趣旨として、「自由で開かれた安定的な国際秩序は、冷戦終焉以降に世界で拡大したが、パワーバランスの歴史的変化と地政学的競争の激化に伴い、今、重大な挑戦に哂されている」と書いている。この「自由で開かれた安定的な国際秩序」とは何を意味するのか、はじめから言葉遊びである。これはソビエト連邦の崩壊で、アメリカ政府による世界支配の実現を指しているだけではないか。「自由」とはアメリカ政府による「かってきままな」世界支配のことではないか。「開かれた」も意味不明である。誰に開かれているのか。

「パワーバランスの歴史的変化」とは、GDP世界第2となる中国の経済力の発展のことではないか。中国だけでなく、韓国、台湾、インドネシアの経済発展も歓迎すべきことではないか。一国の政府による国際秩序(世界支配)が崩れたことは望ましいことではないか。

また、「地政学的競争」とは何を言っているのか。「地政学」とは日本が日米戦争で敗戦する前、他国を自国の利益に供するために論じる学問のことではないか。そんなこと、昔からあることで、「地政学的競争」を「協調」に変えることこそ、日本の安全保障の戦略ではないか。

政府自民党のやり口は、統一教会と同じく、人の不安を争って、軍事力増強の経済的負担(献金)を求めている。

私は、日本がキリがない軍拡競争に参加するより、排外的でない 経済の持続的発展に尽力し、幸せな社会を実現するのが、政府がなすべきことである、と考える。

円が基軸通貨にもならない日本が、アメリカに代わって世界の軍事的盟主になりえない。日本が中途半端な軍事力をもっても、かえってアメリカの軍事作戦の前衛となり、苦しくて損な思いをするだけである。「防衛」という言葉に騙されてはいけない。