毎年の事だが、蜂放時期について悩む事が多い!!!
1年間の苦労を水泡に帰さない為だ。 早過ぎると、自然界の餌不足に出会い飢え死に・・・、遅過ぎると捕獲管理箱の中で栄養分を使いきり飢え死に・・・、そのタイミングたるや“ヘボ”ちゃんに聞かないと判らない部分が多い?
聞く?と、言っても、所詮、無理な話だ。
常識的に考えて山野の低潅木が芽吹き出すと適期を迎えたと考えていいだろう?
自然界は非常に良く出来ていて、動植物の活動期が完全にリンクしている。
即ち、植物の芽吹きを待つかのように虫達昆虫は、活動を開始する。
これは虫達の体内時計、光習性、環境温湿度が上手い具合にリンクしあい、同期化を実現しているのであろう?
遺伝的本能と言ってしまえばそれまでだが、そんなに単純なものではない!!!
今、昆虫達の脳を研究し出している学者が脚光を浴びている!!!
高が蟲ケラ!!!と、馬鹿にする御仁が多いように見受けられるが、最近の研究で、昆虫の脳神経系(微小脳)は、基本的に人間の脳神経系(巨大脳)と、略、同等である事が解明されている・・・ 夫々の脳神経系の働きを昆虫と人間(哺乳類)で対比していくと、同じである事が解明された!!!
敢えて言うなら、体の大きさが違う分、脳や神経系のニュウロン:詰り、神経細胞の数に違いがあるだけなのである。
ニュウロン:神経細胞の数を比較するなら、昆虫の100万個に対し人間は1000億個と桁違いに多い事だけなのである。人間の脳は、別に質的の優れている訳ではない!!!
動物は、地球36億年と言う膨大な年月の中で、夫々に進化してきた。そして、昆虫と人間の分かれ目は、旧口動物の道を歩むか?新口動物の道を歩むだけの違いとなって現れたのである。
ニュウロンの数が多ければ多い分、その精度は桁違いに良くなる事は言うまでもない!!!
人間の記憶、学習を掌る部分は、小脳であるのに対し、昆虫には『キノコ体』と言うキノコのような独特の形をした中枢脳がある。この『キノコ体』が、昆虫達の記憶、学習能力をコントロールしている。
昆虫の中でも『狩蜂』の仲間は、この『キノコ体』が良く発達していて、ニュウロンの数も多い!!!
我々蜂狂が“ヘボ”ちゃんと蜂追い、透かし等と称して遊べるのもこの優れた『キノコ体』のお陰であると言わざるを得ない!!!
昆虫の体は、非常に繊細な感覚毛、触覚等の感覚器官で覆われていて、夫々の体節が電光石火行動すると同時に、そのトータル的な指令は『キノコ体』から発せられると言う極めて効率的な体で構成されている・・・
昨日も、この働きをマザマザ見ていた!!! “ヘボ”ちゃん、暖かい外界空気に触れると、見る間に腹部をヘコヘコさせる。そして、触角を伸ばし、翅を広げ出す。
血液循環が巡らされると、前脚で、触覚をシゴキ、何度も触角を擦り捲る!!!
そして、体内温度が上がると、ブ~~~ンと低音の響きを轟かせ、出立の旅に出る。
“ヘボ”ちゃん達の出立行動は、諸感覚器官やキノコ体のこうした一連の働きによって促されると考えられる・・・
この一連の流れを『蜂放』等と言って、簡単にカタズケているが、極めて複雑な働きがあって成り立っている。
そして、“ヘボ”ちゃん達には、これから先、冬眠以上の苦難の道が待ち構えているのである・・・
生まれ育った世界が違うからとは言え、我々蜂狂共、もう少し労わってやりたいものである!!!