日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 何だかこの10日ばかりは非常に濃密で夢のような時間を過ごすことができました。いうまでもなく、李登輝・前台湾総統の来日によるものです。

 とはいえ仕事をしながら無理をしたのでさすがに消耗しました。よせばいいのに夜型生活で病弱なくせに芭蕉記念館や靖国神社へ出撃して取材活動をしたりして、それを当ブログで報告したりしていたので、2日間近く寝ない日もしばしば。さすがに副業までやる元気はなく、連載コラムは休ませてもらいました。休載理由に李登輝氏の名前を出さずに済むのは病弱者の利点です(笑)。

 ともあれ疲れました。きのう(土曜日)はさすがに爆睡!といいたいところですが、そこは悲しい習い性、4時間ばかり寝たところで香港紙の記事を拾う時間にパッと目が覚めてしまい、冴えてしまったので泣く泣くその作業をして、それを終えてしばらくしてからようやく眠くなりました。その後はまさに爆睡で、夜の記事集めの時間である午前1時直前までぐっすり寝ることができました。

 ところが私が寝ている間に事件が起きていたのですね。「90」さんからのコメントで知りました。



 ●李登輝氏にペットボトル投げる、成田空港で中国人を逮捕(読売新聞 2007/06/10/01:43)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070609it12.htm

 成田空港で李登輝・前台湾総統(84)にペットボトルを投げつけたとして、千葉県警成田空港署は9日、中国籍、千葉市美浜区高洲、自称エンジニア薛義(せつ・ぎ)容疑者(34)を暴行の現行犯で逮捕した。

 李前総統には当たらず、予定どおり出国した。

 調べによると、薛容疑者は同日午後3時30分ごろ、成田空港第2旅客ターミナルビルの出発ロビーで、保安検査場に向かっていた李前総統に向けて、ジュース入りペットボトル(280ミリ・リットル)2本を続けて投げた。同署員らが取り押さえた。




 中国国内でも速報されています。

 ●日本の空港で李登輝を襲撃した男は反台独者と判明(央視国際 2007/06/10/00:51)
 http://news.cctv.com/taiwan/20070610/100032.shtml

 ●李登輝の「台独」を憎悪、憤慨した男がペットボトルを投げつける(人民網 2007/06/10/07:54)
 http://tw.people.com.cn/GB/14810/5844408.html

 で、これについて「日本李登輝友の会」の永山英樹・理事がメルマガ「台湾の声」に発表した文章がなかなか的を得ていますので、「台湾の声」及び永山氏の同意を得てここに掲載します(強調部分は引用者によるもの)。



 ●成田空港の暴漢こそ「中国」だ(台湾研究フォーラム会長 永山英樹)

 本六月九日、李登輝氏が十一日間にわたる日本訪問を終えた。その間、岩手県平泉の中尊寺なる寺院が、脅迫を加える中国に阿り、李登輝氏への特別待遇の取り止めを受けると言う一幕はあったものの、それ以外においてはすべて順調に日程をこなすことができ、何よりであった。

 その間、李登輝氏は絶えず日本国民を激励した。奥の細道を散策しては、日本の伝統文化の美を国民に伝えた。靖国神社の参拝を通じては靖国神社とは何であるかを国民に教えようとした。これらが事実であることは、李登輝氏の来日前、来日後の諸発言をつぶさに見ればわかることである。そして記者会見や講演では、絶えず日本の覚醒を訴えた。「日本は再びアジアのリーダーになれ」と。

 つくづく「私」のない人だと思う。「私的旅行」だとは言っていたが、この人の念頭には「台湾」しかない。さらに言えば、かつて「残された時間で台湾のために働くとともに、日本を励ましたい」と述べたように、「台湾」以外にはその運命共同体である「日本」があるのだろう。そのことは、李登輝氏の今回の滞在中における以上の事どもを見るだけで明らかである。

 このように言えば、「個人崇拝」だの、「神格化」だのと即断する者もいるかもしれないが、「私」を捨て「公」についた観点からこれを見れば、日本国民は李登輝氏と言う日本のかけがいなき友、恩人に感謝するとともに、その覚醒の訴えに呼応しなければならないと言うことに気付くはずだ。

 そうでなくてはならないのである。そこで本日我々は、成田空港において帰国する李登輝氏を見送った。李登輝氏は「台湾万歳」を叫ぶ日本人に満面の笑顔で応え、一人ひとりに握手をして歩いた。だがそのときだ。一人の中国人の男が李登輝氏との至近距離まで走り、ペットボトルを二つ投げつけたのだ。それに対して李登輝氏は怒りの表情で睨みつけた。幸い男は警官に取り押さえられ、投擲物も李登輝氏に当たることはなかったが、夫人はSPに覆いかぶされた際、転倒して足を床に打った。

 男は取り押さえる警官隊に唾を吐きかけ、抗議する日本人に暴行を加えるなど、不敵の表情を見せた。それはそうだろう、これによって彼が本国で与えられるのは「民族英雄」の称号である。なぜなら日本に媚びて靖国神社を参拝した分裂(台独)主義の民族裏切り者に制裁を加えたのだから、中国の政府、国民がこれを称賛しないわけがない。

 つまり、この卑劣な男こそが「中国」なのだ。今回の事件を通じ、「中国」が日本人の前に顔を現したのだ。

 中国とはここまで薄汚い国である。日本人はなお、日中友好を求めるか。台湾統一の動きを黙認するか。

 「李登輝」と比較して「中国」を見れば、自ずと日本の敵がどこであるかがわかるはずだ。上述の中尊寺などは、明らかに敵国に従う売国寺だ。何としてでも李登輝氏の講演を妨害しようとした外務省などは売国省だ。彼らは道義のドの字も知らない国賊である。こう言った連中の存在を、これからもなお許容するか。



 この事件、保釣運動(尖閣防衛運動)などに従事していた中国の反日分子が、靖国神社の狛犬にペンキをぶっかけた事件と質的には似ているように私は思います。

 今回は暴行及び傷害未遂といったところでしょうか。検察及び司法にあっては、執行猶予などにせず、実刑判決の線でお願いします。あるいは今回の薛義という容疑者、狛犬ペンキ事件の犯人が執行猶予で無事帰国(帰国後は中国のネット世論が英雄扱い)したことを念頭に、犯行に及んだかも知れませんので。

 目下のところ、中国国内メディアの報道は論評抜きです。恫喝めいた言葉が中国側から飛び出した2004年末の李登輝氏訪日時ならともかく、中国政府の抑制された現在の対応ぶりからみて、中国国内メディアがこの薛義という容疑者を大々的に祭り上げるとは考えにくいでしょう。

 とはいえ永山氏の指摘通り、今回のニュースが浸透すれば、「中国民間保釣連合会」「愛国者同盟網」をはじめとする反日サイトで、この薛義を「民族英雄」と讃える動きが広がるでしょう。それでどうなるということもないでしょうけど。

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 基地外はどこの国にもいます。日本にもいるでしょう。

 ただ中国の場合は日本と違って、その基地外を賞賛する素地がある、ということです。久しぶりに「愛国無罪」という言葉が中国の掲示板に躍るかも知れません。

 「愛国」が断じて無罪ではないことを中国人に知らしめるべく、検察及び司法に改めて実刑判決をお願いする次第です。

 (1)基地外がいて、その基地外を賞賛することにためらいを持たない民度の国という点。

 (2)いかに近代的なビル群が建ち並んでいようと、所詮は一党独裁政権。言論の自由もなければ報道の自由、表現の自由から信教の自由もなく、普通選挙などもってのほか。デモももちろん許可制であるという点。

 この2点において明らかなように、いかに着飾ってみせてはいても、中国の本質はあの北朝鮮と何ら変わりがないということ、また各種の自由が当然のように保障され、普通選挙制が根付いた台湾とは全く別世界で、日本とは価値観を共有できないばかりか対話も成立し得ない蛮国であることを、私たちは肝に銘じておく必要があると思います。

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 21世紀最初の朝、2001年1月1日を私は台湾の台北郊外で迎えました。

 私を眠りから覚ましたのは、街宣車から流れる大音量の音楽でした。

 一瞬、耳を疑いました。驚くなかれ、それは中華人民共和国国歌だったのです。統一派の中でも過激分子の連中によるものなのでしょうけど、そのとき私は、台湾が民主国家であることを実感したものです。

 台湾は、中国や香港と違って、日本と価値観を共有でき、対話を成立させることもできる、東アジアでは得難い友邦です。

 台湾の統一・独立問題については「日本が巻き込まれそうで嫌だ」という考え方をする人もいるようですけど、日本が周囲を見回したとき、またシーレーンの確保という観点からも、日本と台湾は互いに「生命線」の関係であり、いわば一蓮托生という間柄であることを認識すべきだと思います。

 付言するなら、中国本土(香港・マカオ・台湾含まず)は日本における国籍別外国人犯罪件数において、平成元年以来、18年連続してナンバーワン。18連覇中の犯罪者輸出大国です。

「中国人を見たら110番」

 は誇張でも何でもありません。そしてこれは人種差別ではなく、警戒心を呼びかける言葉です。「入れ墨の人入店お断り」が通るなら「中国人入店お断り」が通っても何ら不思議ではありませんね。ちなみに日本における国籍別外国人犯罪件数で連覇中の状況に対し、中国大使館のコメントは、

「日本のマスコミが騒ぎすぎる」

 だったことを私たちは覚えておく必要があると思います。

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 ところで、中国政府の日本に対する再度の不満表明に関連して前回『毎日新聞』を血祭りに上げましたが(笑)、党中央機関紙『人民日報』の電子版である「人民網」に外交部報道官によるコメントの日本語版が掲載されましたので、改めてここで晒しageておくことにします。



 ●李登輝氏訪日、中国は日本に度重なる厳正な申し入れ(人民網日本語版 207/06/08/10:53)
 http://j.peopledaily.com.cn/2007/06/08/jp20070608_72108.html

 
(前略)

 ――李登輝氏は日本のメディアに対し、靖国神社参拝は兄を祭るためであり、政治的な活動ではないと語ったが、コメントは。日本側に申し入れを行うか。

 日本での李登輝氏のすることなすことから、あなた方は彼の目的が見て取れるだろう。中国は日本が李登輝氏の訪日を許可したことに、改めて強い不満を表明する。




 『毎日新聞』の記事はこちら。



 ●中国外務省:日本批判避ける 李氏の靖国参拝受け(毎日新聞 2007年6月8日東京朝刊)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/archive/news/2007/06/08/20070608ddm002030009000c.html

 【北京・堀信一郎】中国外務省の姜瑜副報道局長は7日の会見で、台湾の李登輝前総統の靖国神社参拝に関し「李氏が日本で行ったこと(靖国参拝)で、彼が何を考えているのか分かる。日本が訪日を許可したことに不満を表明する」と述べたが、日本政府への直接的な批判は避けた。8日の日中首脳会談を前に対日関係の安定を重視する姿勢を示したとみられる。
(後略)



 改めて指摘しておきます。『毎日新聞』のこの記事が、

「李氏が日本で行ったこと=靖国参拝」

 と断定している根拠はどこにあるのでしょうか。それから前回のコメント欄で「エミル」さんが指摘されたように、

「中国は日本が李登輝氏の訪日を許可したことに、改めて強い不満を表明する」

 とする中国外交部の声明に対し、

「日本政府への直接的な批判は避けた」

 という解釈はどういう思考回路から出てくるものなのか、是非とも知りたいところです。

 ちなみに、私は『毎日新聞』は結構好きなんです。スポーツ欄だけですけど(笑)。同紙の伝統ともいえる社会人野球の報道により撤してくれれば、絶対購読するんですけどね。……そういえば、都市対抗野球の予選がそろそろ始まりますね。今年は二次予選から観たいので、本業でも副業でも「病弱」が活躍しそうです(笑)。

 もちろん、本当にぶっ倒れたのでなければ当ブログは続けます。コソーリ活動同様、チナヲチ(素人の中国観察)は「ライス」ではなく「ライフ」なので。娯楽に過ぎませんけど。


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 ●永山英樹氏のブログ「台湾は日本の生命線!」

 ●メルマガ「台湾の声」

 ●日本李登輝友の会

 ●動画「高砂義勇伝」




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