日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 土曜日なので短信を何本か御紹介します。まずはこのニュース。

 ●「六四」広告掲載依頼主、逮捕される(東方日報 2007/06/23)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c07cnt.html

 以前、当ブログでも扱った事件ですが、おさらいをしておきましょう。



 ●「天安門犠牲者の母に敬意」中国紙に広告、当局が調査(読売新聞 2007/06/07/00:54)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070606id26.htm

 【香港=吉田健一】天安門事件から18年にあたる今月4日、中国四川省の夕刊紙・成都晩報の紙面に、事件の犠牲者の母親に敬意を表する内容の一文が掲載され、公安当局が同紙幹部ら関係者2人を拘束、調査に乗り出した。6日付の香港紙・蘋果日報が伝えた。

 掲載されたのは「六四(天安門事件)犠牲者の不屈の母親に敬意を表する」との中国語で13文字の文章。広告ページに1行広告として載った。天安門事件について、厳しい報道管制を敷く中国の新聞上で、こうした文章が公になるのは異例。香港メディアは、成都晩報が停刊処分となる可能性もあると指摘している。

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 ●NEWS25時:中国 天安門事件広告掲載で処分(毎日新聞東京朝刊 2007/06/09)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/china/news/20070609ddm007030086000c.html

 中国四川省の夕刊紙・成都晩報で今月4日、民主化運動が武力鎮圧された89年の天安門事件の遺族に敬意を表する一行広告が掲載された。これを理由に、同紙の編集長と広告局責任者が更迭されたと、香港英字紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が8日、報じた。【上海支局】




 さて問題の「六四広告」の依頼主が逮捕されたとの新展開。捕まったのは「馮」さんという姓と「さきごろ成都市の警察に逮捕された」という情報のみで続報がほしいところです。ちなみにこの『東方日報』の記事は暴動などの際、現地レポートや現場写真などのタレ込みサイトとして重宝している「博訊網」などをソースとしています。

 この記事によると、事件後はメディアに対する成都市当局の政治的チェックが厳重になっているとのこと。目を引くのは馮さんの罪状です。

 「博訊網」や海外の反体制サイト「民主論壇」そして法輪功系ニュースサイト「大紀元」にデモのレポートを寄稿し転載されたりした中国国内在住のライターが逮捕されて「国家政権転覆煽動罪」とか何とかで懲役9年といった前例がいくつかありますけど、今回の記事が伝える馮さんの行為に対する当局の位置づけは、

「国内外の敵対勢力と互いに結びつき、計画的に行われたもの」

 と、ひどく毒々しいものになっています。チェックの甘さを衝かれた成都市当局が「面子を潰された」として、いきり立っている側面もあるでしょう。実際にどういう罪状になるかはわかりませんけど、「国内外の敵対勢力と結びつき」という一節からして「国家政権転覆煽動罪」より重い判決になるかも知れません。

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 ●国家信息中心:消費者物価指数の上昇率、今年は3%突破か(新華網 2007/06/20/07:15)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-06/20/content_6265128.htm

 おー不吉な予測が出て参りました(笑)。分析によると上昇率は通年で3.3%になる見通しで、今年3月の全人代(全国人民代表大会=立法機関)で温家宝・首相の「政府活動報告」は、

 ●GDP成長率は8%前後
 ●消費者物価指数(CPI)の上昇率は3%以内

 との目標を掲げていましたが、いずれも裏切られることになりそうです。まあGDP成長率が目標値を大きく上回るのは毎年のことでして、今年も第一四半期11.1%成長と飛ばしに飛ばしています(笑)。

 さて物価の件、これも以前当ブログで扱っていますが、トータルでは3%でも食品価格の上昇が突出しているのが問題です。具体的には穀物及び家禽類。要するに主食と肉と卵が高騰している訳で、文字通り庶民の台所を直撃する状況となっています。

 中でも値上がり著しい豚肉と卵は「秋口には落ち着く」と国家統計局は説明していたのですが、今回の予測によると高騰局面は第四四半期に入るあたりまで持続し、年末にようやく価格が安定するとの厳しい見方を示しています。秋口に落ち着くどころか、値上がりのピークは9~10月あたりになる見込みです。

 5月の上昇幅を季節要因やら何やらを勘案して通年計算すると4.4%ペース。しかも食品価格が引っ張る物価上昇です。その引っ張りぶりを数字でみてみましょう。以下は今年3月以降の食品価格類上昇率をCPI全体と非食品価格類とそれぞれ比較したものです。

 ●3月:7.7%(CPI全体値より4.4ポイント高、非食品価格類より6.6ポイント高)
 ●4月:7.1%(CPI全体値より4.1ポイント高、非食品価格類より6.1ポイント高)
 ●5月:8.3%(CPI全体値より4.9ポイント高、非食品価格類より7.3ポイント高)

 毎日三度の食事のコストが高騰しているのですから庶民はたまったものではないでしょう。しかもそれが落ち着くのは年末だというのですから不穏です。

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 それを別の調査が裏付けています。中国人民銀行による第二四半期の消費者アンケートです。

 ●中央銀行の第二四半期生活調査:物価に対する市民の満足度が低下(新華網 2007/06/20/16:36)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-06/20/content_6268510.htm

 この調査によると、都市部住民は物価上昇、特に低・中所得層は肉や卵の急騰にピリピリしており、第三四半期もこの状況が続くだろうという悲観的な回答が半数を占めました。

 正確には「都市部住民当四半期物価満足度指数」という指標になります。今年第一四半期に2ポイント下落したのに続き、今回の第二四半期はさらに5.2ポイント低下するという下降線。調査開始以来最悪の数字である-21.1%という新記録をたたき出してしまいました。

 やや具体的にみますと、「物価に満足している」は5四半期連続のマイナスで、2006年第一四半期の13.0%が今回は8.4%。これに対し「物価高すぎでやってらんない」は2006年第一四半期の22.1%から今回は29.5%へと上昇しています。それをならしてみると物価に対する庶民の満足度が過去最低、という訳です。

 ●中央銀行:月収2000元以下の家庭、4割が「物価高すぎ」(新華網 2007/06/21/07:02)
 http://news.xinhuanet.com/politics/2007-06/21/content_6270191.htm

 同じ調査ながらこの部分、いわゆる低・中所得層の物価に対する厳しい見方が本体とは別に独立した記事になっているというのは、それだけインパクトがあるということでしょう。記事標題通り、月収2000元以下の世帯は「物価高すぎでやってらんない」が約40%に達し、富裕層との開きは20ポイントにも達しています。たぶんこうした状況が「狂乱株踊り」の一因になっているのでしょう。

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 最後にこのニュース。

 ●李登輝にペットボトル投げた中国国民薛義、20日に釈放(新華網 2007/06/22/20:48)
 http://news.xinhuanet.com/tai_gang_ao/2007-06/22/content_6279069.htm

 薛義は略式起訴されて罰金20万円の判決。これを払ったのが薛義なのか中国大使館なのかは興味深いところです。

 とは、この記事によると大使館員は薛義が逮捕されるや成田警察署に面会に行き、また日本側に何度も善処を要請していたそうです。「善処を望む」とは外交部定例記者会見でも報道官が口にしていました。

 薛義は確か暴行容疑。日本において中国人が暴行容疑で逮捕されたケースは数多くあるかと思いますが、大使館員がどうとか日本政府に善処を要請するといったことが毎回行われているのでしょうか?

 それから気になる薛義のその後。政治的事件であり中国政府の対応からしても国外追放にして然るべきところでしょうけど、そのあたりはどうなっているのか。

 だいたい中国政府がこの事件に介入していたなんて報道は、日本ではほとんど行われていないでしょう。もう一切を明らかにした上で強制送還にした方が安倍政権の支持率も少しは上がると思うんですけどねえ。

 ●基地外と基地外を賞賛する民度、これぞまさに中国。(2007/06/10)
 ●お、ひょっとして非主流派の反胡錦涛ビーム?(2007/06/16)

 ともあれ私が『警察白書』で調べた限りでは、平成元年(1989年)から昨年(2006年)までの18年間、「在日外国人国籍別犯罪件数」では「中国人」(中国本土)がずーっと第1位の座を譲らず目下18連覇中。

「中国人を見たら110番」

 というスローガンを心に刻み付けておきましょう。毎度のことですが、これは警戒心を高めよということで、差別ではありません。「入れ墨の方入店お断り」が通用するなら「中国人は入店お断り」が通って当然な訳で。


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 このまま終わるのは胸くそ悪いので楊枝削りを少々。どちらも興味のある人にとっては「へーそうなんだ知らなかった」的内容が盛り沢山の良書です。文庫本なのもいいですね。

新選組二千二百四十五日

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神風特攻の記録―戦史の空白を埋める体当たり攻撃の真実

光人社

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 それから個人的にはこれも良かったです。故・司馬遼太郎氏の知られざる短編集。読み出したらやはり魅き込まれて、気がついたら読了しておりました。

侍はこわい

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