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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者虐待、過去最多の3544人 29年度は相談件数も最多

2018年12月27日 15時54分28秒 | 障害者の自立

 家庭や福祉施設、職場で虐待を受けた障害者が平成29年度、計3544人(前年度比346人増)で過去最多になり、うち1人が死亡していたことが、厚生労働省が26日発表した調査で分かった。市区町村などへの相談・通報数も計7714件(同248件増)で、過去最多となった。

 調査は24年10月に施行された障害者虐待防止法に基づき、今回が6回目。厚労省によると、家庭での障害者虐待は1570人(同16人増)、施設での虐待は666人(同6人減)、職場の雇用主や上司らからの虐待は1308人(同336人増)だった。

 家庭での虐待相談・通報は、警察からが1312件で最も多く、全体の約3割を占めた。件数が過去最多だったことについて、厚労省の担当者は「警察による早期発見の数が多くなった」と説明した。

 家庭での虐待行為(複数)として、身体的虐待が61%と最も多く、次いで心理的虐待33%、放棄・放置(ネグレクト)16%、性的虐待4%。虐待を受けた人は、知的障害者が55%と最も多かった。そのうち知的障害の40代の男性が、家族の女性による虐待で死亡したケースがあった。

 福祉施設でも、身体的虐待が56%と最多で、被害者のうち知的障害者が71%と被害を受けるケースが多かった。

2018.12.26        産経ニュース


障害者虐待、過去最多2618件 施設職員の加害が増加

2018年12月27日 15時45分37秒 | 障害者の自立

 厚生労働省は26日、2017年度に全国の自治体などが確認した障害者への虐待は前年度より98件多い2618件だったと発表した。

 1件で複数の人が虐待を受ける場合もあり、被害者数は346人増の3544人、死亡者数は4人減の1人だった。虐待件数と被害者数は調査が始まった12年度以降最多で、厚労省担当者は「警察や施設からの虐待報告が増えている」とする。

 家族など養護者による虐待は19件増の1557件、被害者は16人増の1570人で、このうち1人が死亡した。雇用主や職場の上司らによる虐待は16件増の597件、被害者は336人増の1308人。また、障害者福祉施設の職員らによる虐待は63件増の464件、被害者は6人減の666人だった。養護者による虐待は12年度からほぼ横ばいが続くが、雇用主らは4・5倍、施設職員は5・8倍に増えている。

 施設での虐待の発生要因(複数回答)は、職員らの「教育・知識・介護技術などの問題」(59・7%)が最多。このほか「倫理観や理念の欠如」(53・5%)、「職員のストレスや感情コントロールの問題」(47・2%)などだった。

2018年12月26日          朝日新聞


<中>障害者雇用水増し 制度にこだわらず知恵を絞ろう 桑原由美子さん NPO法人理事長

2018年12月27日 15時10分12秒 | 障害者の自立

包み込む社会へ 私の提案2018  

 《今年発覚した省庁や自治体の障害者雇用水増し問題。政府は来年1年間で約4千人を採用する方針を早々に表明した。正規職員の障害者枠を巡り、これまで対象が身体障害者に偏っていた九州の自治体でも、知的や精神障害者に拡大する動きが広がる》

 今回の問題を受け、企業や自治体が、一定の割合以上、障害者の雇用を義務付けられている「法定雇用率」さえ達成すればいいと、数字だけを目的にしてしまわないか心配している。ノウハウや環境が整わないうちに性急に雇用を増やしても、仕事が長く続かなかったり、体調を崩してしまったりする可能性が高い。

 《雇用率に絡む障害者雇用の対象には4月から、発達障害を含む精神障害者も加わった。NPO法人「発達障がい者就労支援ゆあしっぷ」は、福岡県が運営する障害者職業能力開発校から委託を受け、発達障害など障害のある人に対し、職業訓練や就労活動支援を行っている》

 障害の特性によっては集中力が続かなかったり、仕事内容をよく理解できないまま雇用され、場にふさわしくない振る舞いをして周りから不真面目やわがままに見えたりすることがある。障害への理解や知識が雇用側に求められている。

 人手不足が深刻だが、どんな仕事を任せるのかあらかじめしっかり決めた上で雇用し、丁寧にマッチングしていけば、障害のある人が「戦力」になることを分かってほしい。

 ただ雇用率に算定されるのは週20時間(1日4時間)以上働ける人だけ。例えば1日2~3時間なら集中して働ける人は少なくない。今の雇用制度ではハードルが高い人もいる。

 《同法人は、障害のある人などの働き方として、法定雇用の時間にこだわらない「超短時間雇用」を提唱している東京大准教授の近藤武夫さんを招くなど、勉強会を重ねている》

 例えば、私が職業訓練に関わった中で、タイピングがとても速く能力の高い男性がいた。彼は時給制のパートで就職したが、仕事が速くてその日の分はすぐ終わってしまう。

 障害のない人の場合、その日のノルマが終わればだらだらと時間を過ごせるだろうし、同じ分量の仕事を終えるのに1日かける人もいるかもしれない。でも障害の特性によって「漫然とだらだらできない」人は少なくなく、彼もそうだった。結局、仕事が終わった時点で「帰っていい」と言われるようになった。

 仮にこの会社が時給800円で1日8時間雇えば日給6400円。しかし彼が3時間で終わって帰れば2400円しか支払われないことになる。同じ内容の仕事をさばき、障害のある人の方が効率も高いのに、単純に時間換算されたら、こうした不公平が生まれる。

 1日何時間雇う、という時間制ではなく、例えば「一定の資料のタイピング」「ある部屋の清掃」など、通常業務から障害のある人でもできる仕事を仕分けし、職務をしっかり定めて雇うのが超短時間雇用の考え方。近藤さんによると既に川崎市、神戸市などで実践例があり、海外ではこのように職務定義をはっきりさせた「ジョブ型」が一般的という。私も、障害のある人の雇用にはジョブ型が合うのではと考えている。

 今回の問題を機に、従来の制度にとらわれない雇用の在り方について、社会全体で知恵を絞っていくべきではないか。

 《自身の娘(25)も発達障害があり、放送関係の会社で働く》

 障害のない人には自然と身につく日常のマナーやルールも、発達障害のある人は一つ一つ教えてもらって初めて理解し、社会に適応していける。「言わずもがな」の事柄を根気よく指導していく姿勢の大切さも企業側には理解してほしい。

 最近、娘が仕事から機嫌良く帰ってくる。判で押したような単純作業ばかりではなく、新しい仕事を少しずつ任されるようになり、「難しいけど頑張ったよ」と言って、自信がついてきたように見える。周りの方から認めてもらっている、承認されることの大きさをしみじみ感じる。

 障害がある人、とひとくくりで支援していくのではなく、あくまで一人一人が力を発揮できるように配慮し、支えていく仕組みが整うよう、今後も声を上げていきたい。

 【メモ】
 障害者雇用水増し問題は今年8月に発覚。中央省庁が職員に占める障害者の割合を計算する際、本来は対象外の人を加え、法律で定められた雇用率を達成しているように見せ掛けていた。弁護士らによる検証委員会は、国の指針に反する不適切な計上が、昨年6月時点で28機関の3700人に達し、退職者や死者を加えるなど恣意(しい)的な運用があったと認定。政府は10月、厚生労働省の行政機関に対するチェック機能強化などの再発防止策と、2019年の1年間で約4000人を採用する計画をまとめた基本方針を決定した。

 ▼くわはら・ゆみこ 1965年生まれ。発達障害のある子どもを持つ親が立ち上げたNPO法人「発達障がい者就労支援ゆあしっぷ」(福岡県春日市)理事長。就労や自立を支援し、理解を深める活動を続ける。

=2018/12/26付 西日本新聞朝刊=


不妊手術「障害者差別許せない」

2018年12月27日 15時00分26秒 | 障害者の自立

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反で救済措置も怠ったとして兵庫県内の聴覚障害のある夫婦2組が国に計4400万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、神戸地裁(山口浩司裁判長)で開かれ、原告は「障害者が受けた差別を許すことはできない」と悲痛な思いを訴えた。

 原告は同県明石市の小林喜美子さん(86)と夫宝二さん(86)と、同県内の70代夫婦。今年9月、旧法を巡る問題で聴覚障害者では初めて提訴した。

 意見陳述した宝二さんは「子どもを産む夢が絶たれ、ずっとつらい思いを抱えてきました。悲しみが続いている」と手話で訴えた。

 

【共同通信】       2018年12月26日


「これは、善意じゃない」東ちづるさんが障害者エンタメを開く理由

2018年12月27日 14時51分45秒 | 障害者の自立

 東ちづるさんは今、障害者とのステージに取り組んでいます。数々のドラマや映画に出演してきた俳優が、なぜ、この道を選んだのか? その動機について「善意ではない」と語る東さん。むしろ自身が抱く「生きづらさ」が原点にあるといいます。「平成の見せ物小屋」という刺激的な言葉で、世の中を揺さぶろうとする生き方から、「不便と不幸をごっちゃにしない」社会について考えてみました。(withnews編集部・神戸郁人)

「平成の見せ物小屋」銘打ち、イベント開催

先頭に立ってイベントを企画した東ちづるさん=岩井建樹撮影

先頭に立ってイベントを企画した東ちづるさん=岩井建樹撮影

<東さんは1年ほど前、障害者アーティストやパフォーマーを中心としたエンタメイベント「月夜のからくりハウス 平成まぜこぜ一座」を開催。テーマは「平成の見せ物小屋」という、刺激的なものでした>

 

――17年12月に、東京・港区で「月夜のからくりハウス」を開催しました

 30人を超えるアーティストが出演しました。障害者が中心で、他もLGBTなどのマイノリティーが大半です。スタッフを入れると総勢150人ほどが運営に関わりました。

――そもそも、なぜ企画しようと思われたのでしょうか

 2011年に一般社団法人「Get in touch」を立ち上げたのがきっかけです。どんな状態でも、どんな状況でも、誰も排除しない「まぜこぜの社会」の啓発のため、マイノリティーの存在をアートや音楽イベント、映像などを通じて広めてきました。その過程で、障害者パフォーマーたちと出会ったんです。

 全盲の落語家や車いすダンサー、いわゆる「小人症」のプロレスラー。私が思っていた以上に魅力的で、様々な人々がいました。でも、彼らが表舞台に出ることって、あまりにも少ない。「障害者をさらし者にするのか」と批判されることもありますし。

 だから、法人の応援者との懇親会などに来てもらっていたんです。すると、「有無を言わさない、圧倒的なパフォーマンス」と評価されたり、「色んなアーティストが一堂に会する場は無いのか」と要望されたりしたため、「月夜」の開催を決めました。

全盲の落語家など、数多くの障害者アーティストたちがパフォーマンスを披露した

全盲の落語家など、数多くの障害者アーティストたちがパフォーマンスを披露した

出典: (c)Get in touch

――「平成の見せ物小屋」という、刺激的なテーマを掲げられていましたね

 センセーショナルに見せたくて、わざと名付けたんです。障害者パフォーマーは、生きるため人前に出ている。私の仕事もそうです。歌舞伎だって、相撲だって、見てもらわないと成立しない。だから、どうやったら話題になるかを考えた末の判断です。

――どんな反応がありましたか

 批判は無かったですね。耳の聞こえない人や、車いすユーザーを含め、たくさん来てくれて。障害がある人も、無い人も一緒になって楽しむという、まさに「まぜこぜ」状態でした。

「私はさらし者になりたい」というせりふの意味

舞台で躍動する義足のダンサー・森田かずよさん

舞台で躍動する義足のダンサー・森田かずよさん

出典: (c)Get in touch

<公演にあたって、舞台の台本も自ら書いたという東さん。障害があるパフォーマーたち一人一人に「リスペクト」を持って接したそうです>

 

――印象的だったパフォーマーはいますか

 二分脊椎(せきつい)症で、義足のダンサー・森田かずよさんです。舞台で踊る際に、「私はさらし者になりたい」というせりふを語ってもらいました。

 これは、彼女自身の言葉なんです。以前、街中である親子とすれ違った時のこと。幼い娘さんの方に笑いかけたら、横にいた母親が「見ちゃダメ」と手で目を覆ったそうです。「その時、私は存在しないことになった。だからこそ、さらし者になると決めた」と。

――切実なメッセージですね

 だからこそ間違って受け取られないよう、台本のセリフも丁寧に考え、担当のメンバーと一緒に、20回くらい手直ししました。

――イベントでは障害のある人たちと、どのように向き合ってこられたのでしょう

 たとえば、自閉症の人向けに、パニック状態になったとき、1人になれる個室を用意するなどしました。障害に触れないのはおかしいし、それぞれが何に困っているかをリサーチしました。一方的な「支援」や「施し」ではなく、一緒に活躍できるチャンスを作りたいと思ったんです。そうしたことも合理的配慮ですよね。

 あとイベントの開始前、注意事項の説明を、ろうあ者のふたりにお願いして演出しました。「携帯電話の音は切って下さい」「私たちには聞こえないけどね」などと、手話漫才で(笑)。普段は「聞こえる人」が優位な社会で、存在を主張してもらうという狙いです。

上演中の注意事項について説明する、手話漫才師の「もんちゃん&れんちゃん」

上演中の注意事項について説明する、手話漫才師の「もんちゃん&れんちゃん」

出典: (c)Get in touch

原点は自分自身の生きづらさ

これまでの生き方を振り返る東さん

これまでの生き方を振り返る東さん

<東さんが、障害者アーティストの活躍の場をつくる原点は、自身の感じてきた「生きづらさ」にあるといいます>

 

――東さんが、そこまで情熱を注げる理由は何なのでしょう

 自分が不安だからですね。芸能界では、「若い」「可愛い」といった価値が重視されますよね。芸歴を重ねるほど生きづらくなる。必ず高齢者になるし、障害者や難病患者になる可能性もあります。そうなった時に、私や家族、大切な人が生きづらさを感じるのは嫌なんです。

――ご自身の人生とリンクしているんですね

 それはすごくあります。昔から、生きづらさを感じることが多かったんです。長女であるがゆえに、母から「しっかりしなさい」「愛される人になりなさい」と言われて。以前は、彼女が望む人間になろうと、無自覚に必死でした。

 高校時代に教師を目指していたんですが、それも母の希望だったような気がします。「人に愛される人間であるべき」「社会の役に立つべき」。親を通じてもたらされる、そんな世間一般の「長女像」を、過剰に受け取っていたんでしょうね。

イベントでは「座長」として司会を務めた

イベントでは「座長」として司会を務めた

出典: (c)Get in touch

――現在の取り組みを始めてから、心持ちは変わってきましたか

 とても楽になりましたね。「月夜」もそうなんですが、「どんどん失敗しよう」「間違おう」という方針で臨んでいるのが大きいと思います。

 私、リーダーなんですが、仕事を他のメンバーに振りまくるんです(笑)。互いに迷惑を掛け合うし、決して一方通行な関係じゃない。それってすごく快適じゃないですか。

 「こう生きなきゃいけない」などの「べき論」が、今の社会にまんえんしていると感じます。「もっと楽に過ごそうよ!」ということは、活動を通じて伝えているつもりです。

不運と不自由、不便と不幸は違う

イベントでは障害者によるプロレスも行われ、観客たちが熱狂した

イベントでは障害者によるプロレスも行われ、観客たちが熱狂した

出典: (c)Get in touch

<障害者は不幸――。そんな見方が残る社会で、その人の存在自体を認める重要性について、東さんは語ってくれました>

 

――おっしゃったように、「正しさ」への信仰は根強いですよね。時に耳にする「障害者は不幸」という言葉にも通ずる気がします

 不運と不自由、不便と不幸をごっちゃにしている人が多いと思うんです。たとえば平和な時代ではなく、戦時下に生まれるのは不運かもしれません。そして障害があると、今の社会では不便さや不自由さを味わうかもしれない。でも不幸かどうか決めるのは、絶対的にその人の感覚です。

 たとえば、小人症の人とは、「自動販売機で上の方にあるボタンが押せない」「高身長の障害がある人と比べ、自分たちに活躍の場が無い」などといった話になることがあります。そこで初めて気づくんですよね。そこから不便を解消できる対応につながると良いなと思います。

――その労力をかけることは、決して「迷惑」ではないと?

 全然迷惑じゃないですよ!必要な配慮ですから。そうした認識が共有されるためにも、マイノリティの存在を発信し続けたい。その結果、色んな人が生きやすい社会をつくれれば良いな、と考えています。

 「月夜」に参加した自閉症の男性アーティストが、観覧者で同じ障害の男の子から「お兄ちゃん、かっこよかった」と声をかけられていました。その後、話を聞くと「東さんに出会えなかったら、俺は世間や人を恨むことが原動力のアーティストになっていた」と教えてくれた。

 存在を認められてこそ、自分を肯定できる。障害があろうとなかろうと、それって同じですよね。色々な特性を持った人が、目の前にいる。たとえ理解できなかったとしても、それをそのまま認め合えるのが、「まぜこぜの社会」なんだと思っています。

イベントに参加したメンバーたちで記念撮影

イベントに参加したメンバーたちで記念撮影

出典: (c)Get in touch

◆東ちづる(あずま・ちづる):

 広島県出身。俳優・タレントとして、数々のドラマや映画に出演してきた。2011年に起きた東日本大震災をきっかけに、一般社団法人「Get in touch」を設立。理事長として、マイノリティーの存在を広める活動を続けている。自身が企画やインタビューを担当した、LGBT当事者たちの記録映画「私はワタシ~over the rainbow~」が、各地で上映中。

 

◇ ◇ ◇

 一般に、なじみが薄くなりがちな障害者の存在。でも、ふとしたきっかけで、誰もが当事者になるかもしれません。全ての人が、偏見や無理解にさらされず、安心して暮らせる社会をつくるには?みなさんと考えたくて、withnewsでは連載「#まぜこぜ世界へのカケハシ」を企画しました。国連が定めた12月3日の「国際障害者デー」を皮切りに、障害を巡る、様々な人々の思いを伝えていきます。