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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

災害弱者 どう守る 悩む高齢者、障害者施設

2016年09月12日 03時29分01秒 | 障害者の自立

 豪雨や水害など自然災害の多い季節。8月末に東北や北海道を中心に被害をもたらした台風10号では、岩手県岩泉町の高齢者施設で入所者9人が亡くなり、避難の難しさがあらためて浮かび上がった。地震なども含め、災害時に「弱者」となりうる高齢者や障害者の安全をどうやって守るのか。対応が急がれる中、県内の関係者らも頭を悩ませている。 (中川耕平)

 宇都宮市南西部にある「グループホームおおぞら」には、七十~九十代の男女九人が暮らす。いずれも認知症を抱え、食事や入浴など日常生活のケアを受けている。

 災害に備え、施設では火災や地震を想定した独自の避難マニュアルを整備してある。入所者がそれぞれの部屋から廊下を通り、職員の誘導で正面玄関か裏口から外へ逃げる避難訓練も年二回、実施している。

 だが、県認知症高齢者グループホーム協会長も務める、おおぞら代表の小島博さん(62)は「訓練を繰り返しても、(入所者は)避難経路や避難場所を忘れてしまう」と明かす。

 施設は高台にあり、マニュアルに水害への対応は盛り込んでいない。「災害は年々、身近になっている。マニュアルや職員の意識をあらためて見直す必要がある」。昨年九月の関東・東北水害などを受け、小島さんは危機感を強める。

 県によると、今月一日現在で、県内には百七十三の高齢者グループホームがある。大半が定員九人か十八人の規模で、入所者三人ごとに一人の職員がつく。多くの施設では、夜間から早朝は宿直体制となり、おおぞらの場合、午後七時半から翌日の午前七時までは、職員が一人の状況だ。

 小島さんは、災害が予測できる場合は宿直の職員を増やすなどの対策が考えられる一方、施設だけでは限界があるとも話す。「自力で避難できない高齢者はおぶったり、担いだりして避難させるしかない。命を守るためには、地域住民など周囲の協力が欠かせない」

 災害時は、障害者への配慮も欠かせない。障害者支援をする鹿沼市のNPO法人「CCV」の職員、中尾貞人さん(38)は「発達障害や精神障害がある人は環境の変化に弱く、パニックを起こしやすい」と話す。

 障害者の中には集団生活が苦手なため、避難所で周囲から隔離された空間をつくるなど、特別な対応が必要な場合もある。

 中尾さんは「どうやって避難させるのかと合わせ、被災後に健常者と一緒に生活するための方法も、社会全体で考えていくべき大きな課題」と指摘する。

 関東・東北水害では、栃木市の障害者支援施設が土砂災害に見舞われ、施設の一部が埋まったものの、毎月の訓練が生き、三十二人の入所者全員が無事だった事例もある。

 防災マネジメントに詳しい宇都宮大地域デザイン科学部の近藤伸也准教授は、「平時から、どこにどのように避難させるのか、滞りなくできるように準備しておく必要がある」と語る。

 岩泉町での被害を受け、原因や今後の対策を振り返る必要があるとも強調する。その結果を全国の施設で共有することが、災害時の備えに結び付くという。

 日々、現場で高齢者や障害者と向き合う人々は「行政や地域と一体となり、解決策を探ることが重要」と考えている。それは災害から「弱者」だけでなく、社会全体の暮らしを守ることにもつながるはずだ。

避難時に使うグループホームの裏口を示す小島さん。「避難には周囲の協力が欠かせない」と強調する

2016年9月11日   東京新聞

 

自身が入所する障害者支援施設で「なくなればいい」

2016年09月12日 03時21分54秒 | 障害者の自立

威力業務妨害容疑で男逮捕 大田原署

 自身が入所する障害者支援施設で皿を割ったり「こんな施設なくなればいい」と発言したなどとして、大田原署は11日、威力業務妨害の疑いで大田原市、無職の男(34)を逮捕した。

 逮捕容疑は10日午後6時20分ごろから50分ごろにかけて、容疑者が入所する同市、障害者支援施設の食堂で、ほかの入所者がいた中で「こんな施設なくなればいい」などと叫び、皿1枚を床に叩きつけて割った疑い。また男性施設長に「障害者なんていなくなればいいんだ」「障害者は死ねばいい」「おれが一人一人殺してやる」などと言い、施設の業務を妨害した疑い。

 同署によると、容疑者には知的障害があり、障害のある人たちがたすきリレーをつなぐ全国規模の催しに自分が参加できないと聞き、腹を立てたという。

9月11日  下野新聞


「僕は音が頼り」視覚障害者や盲導犬に理解を!

2016年09月12日 03時14分49秒 | 障害者の自立

 徳島市で昨年10月、全盲のマッサージ師山橋衛二さん=当時(50)=が盲導犬と歩行中、バックしてきたトラックにはねられ死亡した事故から1年となるのを前に、「徳島の盲導犬を育てる会」(同市)が、視覚障害者や盲導犬に理解を深めてもらおうとポスターを作った。

 ポスターは、一緒に死んだ盲導犬ヴァルデス号を連れた山橋さんの写真に「見えない僕は音が頼りなんだ」と本人の言葉をデザインしたものや、車両後退時などの警報音を切らないよう訴えるものなど12枚で1セット。

 同会の竹内安彦理事長は「ポスターが全国に広まり、一人でも多くの人に安全運転をしてもらえればうれしい」と話している。ポスターは展示希望者に無料で提供する。問い合わせは同会、電話088(625)7700。

「徳島の盲導犬を育てる会」が作った、車両後退時の警報音を切らないよう訴えるポスター

「徳島の盲導犬を育てる会」が作った、車両後退時の警報音を切らないよう訴えるポスター

2016.9.10    産経ニュース


感覚なき恐怖…義足を信じて走るアスリートを撮る 30年以上にわたり障害者スポーツを ...

2016年09月12日 02時59分10秒 | 障害者の自立

30年以上にわたり障害者スポーツを追う写真家がリオへ 

 30年以上にわたり、障害者スポーツのアスリートを撮り続けてきたフリーカメラマンがいる。横浜市旭区の清水一二さん(62)だ。1998年長野パラリンピックと2000年のシドニー大会では、国際パラリンピック委員会の公式カメラマンとして同行。リオデジャネイロ大会は自身11回目のパラリンピック取材となる。「4年後の東京大会に向けて、障害者スポーツの魅力を少しでも多くの人に伝えたい」と意気込みを語った。

「挑戦続ける姿に輝き感じる」

 片足で跳躍する三段跳びの選手。疾走する車いすマラソンの選手。車いすバスケで転倒する瞬間…。

 JICA横浜(横浜市中区)で29日まで開かれている清水さんの写真展「知ることが力になる」からは、鍛え抜かれたアスリートがいきいきと競技に臨む姿が伝わってくる。清水さんは「障害を持ちながらも厳しい競技の世界に身を置き、常に一歩上への挑戦を続ける姿に、人間としての輝きを感じる」と語る。

 障害者スポーツを撮り始めたきっかけは、日本大学芸術学部写真学科を卒業後、非常勤で働いていた神奈川県のリハビリテーションセンターでの出来事だった。同センターの車いすバスケットボールチームに、競技用の車いすに座らせてもらうと、きびきびと動くことに衝撃を受けた。乗り物好きで学生時代はカーレースなどを撮影していた清水さん。車いすを自在に操る選手に、カーレーサーと同じような感覚を覚え、「格好良く撮ってあげたい」と思った。

 撮り始めたらすぐにのめり込んだ。「失われたモノを、道具などで補いながら戦っているイメージが好きだ」という。ファインダーをのぞくその目に“障害者だから”という特別なフィルターはない。「格好いいものは格好いい」。障害者スポーツの世界では偏見を恐れて撮影を嫌う人も少なくないが、こうした姿勢が、多くのアスリートの心を開いている。

どん底の経験と恐怖の克服

 あえて一般的なスポーツとの違いを聞いた。「足を失うなど障害者は誰もが一度はどん底を経験しているということ。そして、競技をするにあたって恐怖を克服している点だ」という。

 恐怖の克服とは-。車いす競技であれば転倒することで頭を打ったり、首に大きなダメージを負ったりする可能性がある。ブラインドサッカーなどは、目を見えない中で同じボールを追いかけるため、接触の恐怖がつきまとう。

 当事者でないと分かりにくい感覚もある。例えば、義足で走るという動作。傍から見れば簡単にやっているようにも映るが、義足だときちんと前に踏み出せているかの感覚がないため、目視しないと怖いのだという。しかし、下を向いていたのでは速く走れない。義足を信じ、胸を張って走る勇気が試される。「恐怖に打ち勝ち、どん底を乗り越え、スポーツを通じて前向きに生きている。そんな奥深い選手の姿を撮りたい」と語る。

 新しい有望選手が突然現れるのも障害者スポーツの魅力だという。「普通のスポーツだと有力選手は小さなころから注目を集めているが、障害者スポーツは障害者になった時点で競技を始めるので、出会いも多い」のだ。

 昭和55年にフリーのカメラマンになる決断をする。その際、「好きな写真が撮りたいなら、こんな所にいたらだめだ」と、背中を押してくれたのも、リハビリテーションセンターの職員や患者の障害者だった。「今の私がいるのも彼らのおかげ。勇気をもらった恩人でもあるんです」

 もちろん障害者スポーツを通じて、社会の障害者に対する理解が進んでほしいとも思っている。

 「神奈川の事件…」。そう言いかけて、口をつぐんだ。神奈川の事件とは、言うまでもなく相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入居者19人が刺殺された事件だ。

  清水さんは少し考えてから「ボッチャとか見てもらえば、重い障害をもつ人が、楽しそうに競技をしているのが分かると思う。道がちゃんと開けているというのが伝わるはずだ」と声を振り絞った。ボッチャはヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者や同程度の四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目でもある。

 東京大会を4年後に控えた今大会は特に力が入る。パラリンピックほど、多くの人に競技の魅力を知ってもらう好機はないからだ。

 実際、最も成功したといわれる2012年ロンドンパラリンピックでは、歴史ある石畳の道路が、雰囲気を維持しながら車いすやお年寄りが通行しやすいように平らなタイル張りの道路になるなど、町のバリアフリーが進んだほか、市民の障害者に対する意識も大きく変わったといわれている。

 東京大会でも、多くの障害者が世界中から訪れ、バリアフリーなども進むとことが予想される。清水さんは「東京パラリンピックをメモリアルとして、全国でさまざまな競技の大会が開かれるようになってほしい」と語る。

 競技の裾野を広げるためにも、作品は健常者だけでなく、障害者にこそ見てもらいたいという思いが強い。そのため、写真展を開くときは車いすの人が見やすいように、通常よりも低くい位置に展示している。

 「こんな競技もあって、格好よくて、楽しそう。写真を通してそう感じ、生きる喜びを見つけてもらえるような写真をリオでは撮りたい」

車いすの陸上競技では、「レーサー」と呼ばれる競技用車いすに乗る。トップ選手は時速30キロ以上で走り、下り坂では時速50キロに達することもある(清水一二さん提供)

車いすの陸上競技では、「レーサー」と呼ばれる競技用車いすに乗る。トップ選手は時速30キロ以上で走り、下り坂では時速50キロに達することもある

産経ニュース   2016.9.10


<金口木舌>「障がい者=感動」に疑問

2016年09月12日 02時57分03秒 | 障害者の自立

 リオ・パラリンピックのプロモーション動画がかなりかっこいい。水泳、短距離、アーチェリーなどに、手足が不自由な選手が次々と登場する

▼車椅子を操りシュートを決めるバスケットの選手。片足で助走、ジャンプする走り高跳びの選手。義足で走るランナー。鍛えられた体で勝負に挑むその姿は、アスリートそのもの
▼そんな動画を見ていると、これまで記者として何度となく書いてきた「障がいを乗り越えて、〇〇を達成」という「障がい者=感動、やる気を与える存在」の記事に恥じ入る。彼らはできることを工夫してやっているだけ。感動を与える意図はない
▼豪州の車椅子利用者でジャーナリスト兼コメディアンだった故ステラ・ヤングさんは障がい者について「健常者に自分の人生は最悪だけど、もっと大変な人もいるんだと思わせる存在だ」と言及。さらに「私が住みたいのは、障がいが普通だと思われる世界で、障がい者が真の成果で評価される世界です」と望む
▼Eテレの福祉バラエティー番組「バリバラ」が「検証!『障害者×感動』の方程式」をテーマに取り上げた。障がい者自身、「感動の押し売り」報道に違和感を感じている
▼リオ・パラリンピックが開幕した。報道する側も、どう報道するかを試されている。大事なことは観戦を通して、障がい者に対する自分の内なる偏見に気付き、改めることだ。

2016年9月11日  琉球新報