ハンセン病をテーマにした映画「あん」の上映会が3日、京丹後市大宮町のアグリセンター大宮である。障害がある人たちが働く作業所が加盟する「きょうさんれん丹後ブロック」が企画した。
上映は午後1時半と午後6時半の2回。前売りは1000円(当日1200円)、障害者と中高生は700円。問い合わせは事務局のあみの福祉会(0772・72・2000)。
毎日新聞 2016年9月1日 〔丹波・丹後版〕
ハンセン病をテーマにした映画「あん」の上映会が3日、京丹後市大宮町のアグリセンター大宮である。障害がある人たちが働く作業所が加盟する「きょうさんれん丹後ブロック」が企画した。
上映は午後1時半と午後6時半の2回。前売りは1000円(当日1200円)、障害者と中高生は700円。問い合わせは事務局のあみの福祉会(0772・72・2000)。
毎日新聞 2016年9月1日 〔丹波・丹後版〕
台風10号の豪雨で九人が死亡した岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」の運営者が、移動に時間がかかる高齢者らの避難開始を求める避難準備情報の意味を知らなかったことが分かった。台風が東北に上陸する約九時間前から、同情報は町内全域に発令されていた。水害を想定した避難訓練も実施しておらず、災害に対する危機意識の薄さが被害拡大を招いた可能性がある。
ホームの運営法人の佐藤弘明常務理事が同日、取材に「避難準備情報がそういうものと把握していなかった」と述べた。
岩泉町は台風10号の接近が見込まれた八月三十日午前九時、全域に避難準備情報を発令した。国の指針は発令段階で、自力で避難するのが難しい高齢者や障害者らは避難を開始し、そのほかの人も準備を始めるよう求めている。
佐藤常務理事は午後五時ごろ、避難について相談しようと町役場を訪問。五時半ごろ、ホーム周辺に戻ると、道路の冠水が始まった。施設の車を高台に移動させ、ホーム周辺に戻った六時ごろには、水が胸の高さまで上昇していた。
避難訓練は、火災発生を想定したものは年二回実施していた。しかし川の近くに立地しているにもかかわらず水害に関してはやっておらず、対応マニュアルもなかった。
ホーム周辺は過去にも水害があったが、二十センチ程度の浸水にとどまっており、佐藤常務理事は「(大きな被害は出ないという)過信があった」と述べた。
ホームを襲った水の流れについては、予想外の方向から来たと説明した。施設南側にある川が氾濫し、押し寄せると考えていたが、被害当時は、反対の北西側から流れ込んだという。
佐藤常務理事によると、木造平屋のホーム内では、百八十センチほどの高さにある時計が七時四十五分で止まっていた。このため三十日午後七時四十五分ごろに、時計の高さまで濁流が到達した可能性がある。
<避難準備情報> 豪雨や津波などの災害が発生した時や、発生が予想される時、自治体が発令する避難情報の一つ。特に高齢者や障害者などの「災害弱者」に早めの避難を促す。他にも家族との連絡、非常持ち出し品の準備などを呼び掛ける。他に「避難勧告」「避難指示」があるが、いずれも法的拘束力はない。
台風10号で岩手県岩泉町で河川が氾濫し、高齢者グループホーム入所者9人が死亡したことを受け、県は1日、高齢者や障害者を対象とした県内の入所・通所の社会福祉施設など計1079施設に、防災対策を徹底するよう注意喚起を行った。
岩手県での被害を受け、危機感を抱く施設関係者もいる。北杜市須玉町の特別養護老人ホーム「長寿荘」は施設の裏に山があり、土砂災害警戒区域に指定されている。施設は2階建てで15部屋、約50人が入所する。
2カ月に1度、避難訓練を実施しているが、移動が困難なことから訓練に参加ができない人もいる。清水裕史副施設長は「これまで自然災害で大きな被害が出たことはない。だが岩手の被害もあり、移転を含めた施設整備も考えていかなければいけない」と話した。
毎日新聞 2016年9月2日
8月27、28日の2日間、水戸事件被害者の女性2人がつくば市を訪れ、沼尻夫妻や支援者と共に「まつりつくば」会場を歩いた。踊りや大道芸を見物したり、屋台で立ち食いするなどして楽しいひと時を過ごした。
女性は県内に住むゆりえさん(46)と都内に住むあやかさん(44)=いずれも仮名=。当時、段ボール加工会社の寮に住んで働いていた10人ほどの知的障害者のうち、民事訴訟を闘い勝訴した3人の女性のうちの2人だ。毎年、まつりつくばに来るのを楽しみにしているという。
交流は、当事者と支援者がレクリエーションを楽しむことを通して、当事者の心を支え、裁判への支援の輪を広げ、さらに当事者が地域で生きていく場をつくる第一歩にしようと始まった。
毎月1回、沼尻さん宅などに集まって、日中は栗拾いをしたり、県内の観光地に出掛けるほか、夜は皆で沼尻さん宅に宿泊し、バーベキューや流しそうめん、お好み焼きパーティーなどを楽しんできた。民事裁判が終わった2004年以降は回数が徐々に減ったが、現在も交流を続けている。
出会った当初、ゆりえさんもあやかさんも、笑顔を見せなかったという。交流を重ねるうち、笑顔を返してくれるようになり、「おいしかった」とか「楽しかった」など感じたことを口に出してくれるようになった。作業所で働くゆりえさんはここ数年、つくばに来るたび、自分で手作りした布製の手提げ袋などをお土産に持って、かつえさんにプレゼントしてくれるようになった。
かつえさんは「長く付き合ってきて、少しずつ心を開いてくれるようになった」と18年間を振り返る。ただし事件の内容について2人と面と向かって話すことはなく「2人がどのくらい深い傷を受けたか、2人の心が癒えたかどうか、分からない」とし、「(やまゆり園事件の発生など)水戸事件の教訓が生かされてないと感じる。水戸事件を忘れてほしくない」と話す。
2人がまつりつくばを見に来ると聞き、取材を申し込んだ。取材を受けるかどうか、沼尻かつえさんに尋ねてもらったところ、2人の顔がくもったという。かつえさんらが「水戸事件を忘れないでほしいよね」と2人に話し、2人は取材を受けてくれた。「水戸事件を思い出しますか」という記者のぶしつけな質問に、ゆりえさんは「思い出したくないけど、思い出す」と答えた。傷は癒えていないし、障害者を取り巻く環境がますます厳しくなっていることを痛感した。
沼尻好夫さん、かつえさん夫妻
2016年9月2日 常陽新聞
【リオデジャネイロ=清水暢和】リオ・パラリンピックで日本選手支援の拠点となる「ハイパフォーマンスサポート・センター」が31日、報道陣に公開された。
パラリンピックでの設置は初めて。
運営主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が、選手村から徒歩圏内にあるビルの一部に設置した。手足に障害があっても効率よくアイシングできる器具などを用意。通常より低く、広いマッサージ用ベッドや、弱視の人でも見えやすい照明など、障害者アスリートが使いやすい設備となっている。温水浴と冷水浴を交互にできる浴槽も備え、簡単な日本食も提供する。1日約50人の利用を見込んでいるという。統括責任者の高谷吉也氏は「多くの選手、関係者に利用してもらい、いい成績につなげてほしい」と話している。
トレーニング器具を使うスタッフ 温水と冷水の交代浴ができる浴槽も完備された
2016年09月01日 読売新聞