山口県下関市の知的障害者福祉施設「大藤園」の元職員が利用者への暴行容疑で逮捕された事件で、県警長府署は24日、別の職員の男(55)を暴行容疑で地検下関支部に書類送検した。
事件を巡っては先月末、職員による暴行の様子を撮影した映像が内部告発によって流出。男性利用者は被害を受けた認識が明確でないが、男がたたいている様子が映像に映っていた。同署は指導する側による行為は悪質と判断した。男は「コミュニケーションを取ったり、励ましたりするつもりでたたいた」と容疑を認めているという。
流出した映像には、大藤園から懲戒解雇処分を受けた元職員の柳信介容疑者(35)の暴行シーンもあり、同署は柳容疑者を暴行容疑で既に逮捕している。映像や証言などから、柳容疑者と書類送検した男の他に、同施設の少なくとも3人の職員が利用者に暴言を吐くなどの虐待を繰り返していたことが明らかになっている。同署は日常的に虐待が行われていた可能性があるとみて、今後も捜査を進める。
書類送検を受け、大藤園を運営する社会福祉法人「開成会」の木谷義孝理事長は「非常に残念だ。就業規則に照らし、近いうちに処分を出す」と述べた。
毎日新聞 2015年06月24日