Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

謙信 純米吟醸 山田錦 中取り 無濾過生

2010年09月28日 | 日本酒
前々回のエントリでご紹介した【謙信 五百万石】の兄弟分みたいなものです。

【謙信 純米吟醸 山田錦 中取り 無濾過生】


おなじみ「Aコレ」。



全量「山田錦」、精米歩合50%の中取り。
いわゆる「生熟」です。


嗅ぎ香は落ち着いた米の香り。
五百万石のに比べると、いくぶん華やかです。

口に含むと、まずふわっとした酸。
遅れて旨味がぶわっと広がってきます。
含み香に非常に丸みがありますね。

口の中で転がすと、じわじわと酸が台頭してきますが、同時に舌奥のほうへ移動していく。
代わりに前面に、旨味と舌先をくすぐるように甘みが出てきます。

喉越しは、ピリッとした微かな辛みと、舌奥で待ってましたというように主張してくる酸が軸ですね。
飲み込んだ後にふわっと出てくる渋みが面白いです。
鼻に抜ける香りは、若干アルコール感を伴っているのが印象に残りますが、甘味もあるので気にはなりません。


「生熟」としての完成度・・・、godanismとしては「五百万石」よりもこっちのほうに軍配を上げたいと思います。
なんと言っても全体を覆うトロみ感、丸み。
この時期まで待って開けることの意義を、確かに持っている気がします。

H21BYの【謙信】は、快心の出来ですね!

山間 T11 瓶燗

2010年09月23日 | 日本酒
21BYとしてはラストの発売となりました。

【山間 T11 瓶燗】


純米吟醸規格です。
先月、千駄木の稲毛屋さんで催された「山間を味わう会」でも出てなかったと思いますので、初飲みですね。



早速飲んでみたいと思います!


嗅ぎ香はフルーティで、ストロベリィのような香り。
口に含むと、まずピリッとした発泡感、遅れて酸。
旨味は控えめに、奥のほうにふわっと出てきます。

口の中で転がすと、瑞々しさの中に渋みが感じられます。
酸は喉奥に移動して、代わりに旨味が前に少しずつ出てきます。
ピリピリした発泡感は、口当たりこそ強く感じられるものの、すぐにどこかへいなくなってしまいますね。

甘さはそれほど感じられず、どちらかというとシャープな味わい。
開封直後だからかもしれません。

飲み込むタイミングで鼻に抜ける香りはフルーティで、ここで甘みをしっかりと感じ取れます。
渋みと酸の出方がキレイで、キレの良いフィニッシュです。

【山間】らしい瑞々しさと、全体を通して落ち着いたバランスが好印象。
旨いですね~!

なんとなく、開けてから2~3日経つと、また少し魅せる顔が変わるのではないか、と思っています。


武田さん、22BYも期待していますよ!(^^v

謙信 純米吟醸 五百万石 無濾過生

2010年09月18日 | 日本酒
久しぶりのAコレです。

【謙信 純米吟醸 五百万石 中垂直汲み 無濾過生原酒】


ひやおろしが大プッシュされている現在ですが、あえて「生熟」。
男前です!笑



ラベルの情報だと、精米歩合55%となっています・・・が、本当のところは?笑


嗅ぎ香は優しい米の香り。
口に含むと、ファーストアタックで甘酸っぱい酸、少し遅れてしっとりした旨味が舌先に乗っかってきます。

すぐ後に控えているのが、ピリッとした辛み。
以降、この辛みは味わいの全体で居座り続けます(「辛みちゃん」と呼ぶことにしますw)。

口の中で転がすと、酸はどっかへ消えてしまいます。
旨味とピリピリした「辛みちゃん」が味の枢軸になっていますね。
とろんとしたまろやかな舌触りは、さすがに「生熟」ならではのものと感じます。

喉を通るときも、するっとまとまって通るような感じすらあるほど、まろやかです。
余韻は、控えめながらもちゃんと主張する酸と、ぐっと押してくる旨味。
舌には最後まで「辛みちゃん」は居続けました。

口当たりは朴訥なんだけど、後口には「旨いだろう!」と自信満々。
そんな味わい(どんなだ!)。


開封して2週間ほど経っていますが、開けたてより丸みを帯びてきましたね。
晩酌にもってこいの旨さですね。

而今 純米吟醸 山田錦 無濾過生 21BY

2010年09月13日 | 日本酒
満を持して、開封してみました。

【而今 純米吟醸 山田錦 無濾過生】


今年3月出荷。
半年ほど寝ていていただきました。



山田錦100%、精米歩合50%。
日本酒度-1、酸度1.5となっています。


早速飲んでいきましょう。


香りはフルーティな吟醸香。
甘いリンゴのような香りで、穏やかにしっとり香ります。

口に含むと、まずピリッとした発泡感、ほぼ同時にフルーティな酸が出てきます。
含み香がなかなか濃厚で、遅れて口に広がってくる甘みと相まって、とてもジューシィですね~。

口の中で転がすと、ピリピリした心地よいガス感と酸がしばらく舌の上を占めていますが、
少しずつ米の旨味と甘みも広がってきて、全体のバランスが整ってくる感じ。
酸は最初のうちは舌の真ん中に居座りますが、しばらくすると喉奥に引っ込んでいきます。

後口はとてもジューシィ。
喉奥にある酸と、微かに出てくる渋みが余韻を造りますが、全体をふわっとした甘みが包んでいます。
鼻に抜けるリンゴ系の香りは非常に爽やかです。


えー、、、文章に言い表せないほど旨いです。
出荷当初にお店でいただきましたが、その時は渋みの要素が強く、正直に言って今ほどの評価はしていません。
ここにきて、完全に花開きましたね。
カドは全然なく、引きずるような生老ね香もなく。
優しくまろやかで、而今に求める期待値をすべて満足させてくれるような味わいですね。
うんまいです!


これは気をつけないと、「あっ!」という間になくなる・・・笑
気をつけて飲むことにします。

賀茂金秀 特別純米 雄町 130年記念ボトル

2010年09月12日 | 日本酒
またしても、少し間が空いてしまいました。

godanism、先週はいろいろと外飲みが多く、家で飲める時間があまりなかったのです(言い訳)。
土曜日にはsmile日本酒に1部だけですが顔を出させていただきました。


さて、気を取り直して。

【賀茂金秀 特別純米 雄町】


金光酒造の創業130年を記念して造られたボトルです。



雄町100%使用、精米歩合60%。
日本酒度+4、酸度1.5です。


香りは穏やかな米の香りで、吟醸香はありません。

口に含むと、まず酸が立ってきます。
次いで舌先にピリッとした辛み。
中間にふわっと米の旨味が広がります。

ピリッとした辛みは、口の中で転がしてもしばらく消えません。
この辛み、どことなくフルーティで心地よいです。
酸は喉奥に居座って、全体を引き締めます。

喉越しはまろやかな旨味と酸で、キレよく収まります。
鼻に抜ける香りは若干アルコール感が漂うものの、爽やかです。

開けてから1週間ほど経っています。
開封時は若干シャープな印象が強かったのですが、ここにきて完全に花開きましたね。
特に若干常温に近い温度帯では、とろみすら感じるほどまろやかです。
うまい!

単体でもクイクイ行けてしまいますが、いちおう胃のことも考えてアテを。笑

・かつおの刺身

山間 T8 亀口採り 瓶燗

2010年09月07日 | 日本酒
久しぶりに、自宅で飲むことができました。

【山間 T8 亀口採り 瓶燗】


先月の「山間を味わう会」でもいただきましたが、じっくりと飲むためには、やはり購入です。



全量「五百万石」使用、55%精米の純米吟醸です。
火入れは瓶燗ですね。

早速いただくことにします!


嗅ぎ香は瑞々しくフルーティな吟醸香。

口に含むと、ピリッとしたガス感、次いでじんわりと米の旨味が感じられてきます。
喉奥に感じられる酸は、甘みを伴ったフルーティなもの。

口の中で転がすと、ピリッとした辛みが出てきます。
同時に、奥にいた酸が前面に出て来て、前にいた旨味と混ざり合う。

後口はピシッと締めるような辛みと、ほんの少しの渋み。
鼻に抜ける香りは、爽やかな中に少し艶のある吟醸香。
キレはとても良く、次の杯が欲しくなりますね。

しっとりと舌に寝そべるような旨味は、【山間】に求めるそれです。
旨いねぇ~。

早くも3合くらいなくなってるので、もう少しちびちび飲まないと。笑

おつまみは「焼きオクラのマリネ」。


鍋島 純米吟醸 愛山 瓶燗火入れ

2010年09月05日 | 日本酒
ちょっと間があいてしまいました。
9月に入って最初のエントリとなります。

【鍋島 純米吟醸 愛山 瓶燗火入れ】


スペックに関係なく、毎度ハイクオリティなお酒を造ってくれる蔵です。



嗅ぎ香はフルーティな吟醸香。
メロンと葡萄の中間みたいな香りでしょうか。
爽やかですが、派手というほど派手ではなく、地味でもなく。

口に含むと、ピリッとしたガス感が感じられます。
炭酸は(ほぼ)無いと思うのですが、元気のよいピチピチ感。

遅れて酸と米の旨味。
甘みは喉奥のほうにじんわり広がります。

少しシャープな口当たりですが、カドはありません。

口の中で転がすと、喉奥に酸が加わります。
舌先の旨味はそのまま。
全体のバランスの良さ、これは【鍋島】の真骨頂ですね~。

喉越しには、少し渋みが出てきます。
鼻に抜ける香りがとても爽やかで、果実感たっぷりです。
旨味と渋みの合わさった余韻が心地よく、すうっと消えていきます。


実は、今日まで開けてから1週間ほど経っています。
開封直後は、現在よりもっとキュッと締まった味だったのですが、少し時間を置いたおかげで芯の太さが感じられるようになりました。

いやいや、旨いです!
全量愛山使用なので、4200円と若干高い印象がありますが、万人に愛される酒質であることは疑いの余地はありません。

アテは「筑前煮」。
筍を入れるのを忘れました。笑