Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

萩の鶴 大吟醸 斗瓶取り にごり酒 22BY

2012年01月31日 | 日本酒
久しぶりの更新となります。

2012年1月は、godanism 大忙しの月間となりました。
拙宅にて新年会を全3回行い、非公式も併せるとのべ26人のお客様に来ていただきました。
どの会も大変に盛り上がったのではないかと思っています。

有名な日本酒ブロガーの方々にもお越しいただき、記事にまでしていただきました。
本当にありがとうございました。


さて、しばらくはその新年会で封切りしたお酒を中心にレビューしていきたいと思います。

まずはこのお酒から。

【萩の鶴(はぎのつる)】


鑑評会出品酒の大吟醸。
斗瓶取り。



の、「にごり酒」。
この規格のお酒は、おそらく全国で1店舗しか購入できないと思います。



山田錦100%使用、精米歩合40%。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は甘い果実味を伴った吟醸香。
苺とバナナを足したような香りですが、派手ではありません。

口に含むと、まず舌先にふわっと軽い酸。
酸と一緒にほんのりした甘みが着地しますね。
少し遅れてじんわりと旨味が広がります。

口の中で転がすと、舌の両サイドから渋味。
酸は喉のほうへ移動します。
含み香はしっとり甘い香り。
舌触りがにごりだけあってクリーミィですね。

後口は渋酸で〆。
にごりにありがちなべたつきはありません。
ピリッと辛みを効かせてキレも良しです。

旨いですね~!
規格があまりにもイワクツキなので、どうなんだろうと半ば不安だったのですが、いい意味で見事に裏切ってくれました。
実はこの滓引きが godanism 的には非常にタイプで、振らないで飲むほうが好きではあったのですが(^^;


アテは「春菊のくるみ和え」。


この時期は春菊を大量に消費する godanism です(^^v

飛露喜 純米吟醸 黒ラベル 22BY

2012年01月18日 | 日本酒
久しぶりに家飲みする銘柄です。

【飛露喜(ひろき)】


純米吟醸、黒ラベル。
22BYです。



昨年8月出荷ですが、入手は11月後半(^^;
某酒販店で珍しく出ていたので、購入してしまいました笑

精米歩合60%、酒米は記載されていません。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香はふんわりと漂う果実感のある吟醸香。
梨とバナナを足したような香り。

口に含むと、まず舌先に酸。
遅れて、舌の上を這うように旨味が広がります。
上立ち香に感じた香りは、含み香にはほぼ含まれず、とても落ち着いています。

口の中で転がすと、酸が舌の両サイドへタッチ。
舌のセンターに渋味が感じられてきます。
甘みは喉の一歩手前でキュッと出てきて、旨味を牽引します。

後口は酸で〆。
ほんの少し渋味も混ざっています。
余韻は渋で、鼻に抜ける香りは甘みを伴ってグレープフルーツ。


寝かせた期間が長いからか、丸みを帯びた酒質。
食事中でも、単体でも問題ありません。
生っぽさもなく、体にすうっと染み込むようなバランス。
うまいです!


アテはだし巻き玉子。


卵料理、練習中です。笑

手取川 特別純米 山田錦

2012年01月14日 | 日本酒
godanism が毎年お願いしている頒布会、郡山の泉屋さんの頒布会。
2011年12月分は、黒龍「龍」と、このお酒でした。

【手取川(てどりがわ)】


石川県の吉田酒造のお酒。
「二龍騰飛」と銘打ってあります。



酒米は山田錦100%、精米歩合は麹米50%・掛米55%。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は、艶のある吟醸香。
若干アルコール感の混ざった、爽やかな香りです。

口に含むと、まずじんわりと旨味が広がります。
鼻に抜ける香りはリンゴのような果実味を伴ったもの。
舌先をつつくように渋味が感じられますね。

口の中で転がすと、舌の両サイドから渋味。
酸は上顎からじんわりと感じられてきます。

後口は渋酸で〆。
キレはとても良いです。
余韻は酸と辛み、舌を覆うようにうっすらと渋味を残していきます。
びん燗急冷と書いてありますが、若干の生っぽさを感じさせます。

実は【手取川】を購入したのは初めてです。
それどころか、料飲店でも、純米の【手取川】を飲んだことがあるのかどうかも疑わしい。
初心に帰った気持ちで、じっくりと飲ませていただきました。

感想としては、意外と吟香のしっかり立つお酒を造るんだなということ。
今回の規格だけかもしれませんが、酸は抑えめで、渋味と旨味を主軸に置いた味のバランスです。
明らかに食事を意識したお酒。
そして温度は常温が良いでしょう。

うまいです!
godanismにとっては、非常に安心の、まず間違いのない酒質でした。
15度という低めのアルコール度数も相まって、減るのが早かったです。
一緒に送られてきた【黒龍】の「龍」より、遥かに有意義な1本でした(^^;)


アテは「赤魚の粕漬け焼き」。


ちょっと焦がしちゃいました(^^;)

霧筑波 純米大吟醸 備前雄町

2012年01月06日 | 日本酒
えー、本エントリから2012年の通常運転となります。
新年一発目のお酒はコチラ。

【霧筑波(きりつくば)】


【霧筑波】誕生から25周年を記念して出されたボトルです。



酒米「備前雄町」100%使用、精米歩合50%の純米大吟醸。
アルコール度数15度と、低めの造りです。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は、ほんのり漂う朴訥とした香り。
吟醸造りのはずですが、ほとんど吟醸香はしません。

口に含むと、まず淡麗な酸。
次いで旨味が舌先から徐々に広がっていきます。
ストレスを一切感じない、軽い口当たり。

口の中で転がすと、キュッとしまるように酸が上顎へタッチ。
舌の中心線をなぞるように旨味。
渋味が舌の両サイドから感じられてきます。

後口は渋酸で〆。
鼻に抜ける香りには渋味と甘みが共存しています。
艶のあるフィニッシュで、非常に丸みを感じますね。


【霧筑波】の本領発揮といえるお酒ですね。
食事を意識し、かつ脇役に徹しない個性も持たせる、「純大」の枠で語ってはいけないお酒だと思います。
度数も低めで飲みやすく、飽きのこない酒質になっています。
うまいっす!

アテは「豚と白菜の味噌煮」。


よく作る定番料理です。
調味料の配合は、石川県の鶏味噌鍋にヒントを得ています。

日本酒2011、ベスト10

2012年01月02日 | 日本酒
明けましておめでとうございます。

2011年は、当ブログでもよくお世話になっている方にたくさんお会いする機会のあった年でした。
日本酒においても数々の出逢いがあり、実りのある1年だったと思っています。


昨今のトレンドとして、「甘酸」の味わいのニーズが強くあるように思っています。
果実味はありつつ香りは華やかにならないよう抑えたお酒が、世の中で流行っているように思います。

しかし、そういうお酒ばかりが世に出てしまうと、みんな同じような味わいになってしまう。
それではつまらない、とも思います。
そういう造りではない、個性を大切にしたお酒を造ることを、造り手はやはりしっかり考えていて、それをかいま見ることのできた年でもありました。


旧年中は大変お世話になりました。
本年も大いに勉強させていただき、出来る限りこの場でアウトプットできればと思っています。
宜しくお願いいたします。


さて、新春一発目はもう恒例となった「ベスト10」です。

2011年に godanism が「購入し、家飲みした」お酒を振り返り、その中からベスト10を選別する企画でございます。

毎年書いていることですが、あくまで godanism の主観と偏見で選んでおります。
目くじらを立てることなく、「こいつはそう思ったのね」くらいの軽い気持ちで眺めていただければ幸いです。

また、これも昨年までと同様なのですが、「各銘柄は1種類の規格のみノミネート」されます。
ベスト10上に、1つの銘柄は1つの規格しか登場しません。
同一銘柄の異なる仕込みが2種類以上登場することはありません。

ではさっそく発表です!


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★第10位★【田酒 純米大吟醸 古城乃錦】


2011年02月23日登場。

昨年、【田酒】は「斗壜取」とこの「古城乃錦」を家で飲みましたが、味わいと値段のバランスを考えるとこちらに軍配でした。
果実味、甘酸、後口を渋で〆るバランスは秀逸でした。


★第9位★【田光 純米吟醸 雄町 無濾過生】


2011年07月07日登場。

初の家飲みを達成した【田光】。
4ヶ月ほど冷蔵熟成させたのが功を奏したのか予想を超える旨さになっておりました。
口当たり、中間、後口と、ストーリー仕立てになった味わいにやられました。


★第8位★【蔵王 純米吟醸 生原酒】


2011年08月16日登場。

昨年は宮城プッシュだった godanism。
当然ランキングにも影響は出ています。笑
とはいえ、宮城の酒蔵は実力派ぞろい。
【蔵王】は誰が飲んでも納得の、高い酒質をもった銘柄。
減点要素一切無しのクリアで旨味のある味わいは盤石です。


★第7位★【飛露喜 純米吟醸 雄町 本生】


2011年05月22日登場。

オリジナルラベルですが、郡山にある泉屋さんの頒布会商品。
通年出ている【飛露喜 雄町】ですが、その生バージョンです。
【飛露喜】らしいずっしりした旨味と、周囲を彩る甘酸のバランス。
火入れと生の差を見せつけられた1本でした。


★第6位★【謙信 Aコレ 特別本醸造 HELLO 2011】


2011年02月14日登場。

鑑評会2年連続金賞受賞、小山酒店でも取り扱いの始まった、今もっとも勢いのある銘柄だと思っています。
しっかりした個性の中に、飲み手の心をしっかり捕まえるキャッチーな部分をもつお酒です。
中でも「HELLO」は、驚異的な味とコストパフォーマンス。
心底「買ってよかった~」と思えたお酒ですね。


★第5位★【天野酒 純米無濾過 荒走り 生もと造り】


2011年09月06日登場。

昨年出逢ったお酒の中でもひときわ印象に残った銘柄です。
【天野酒】の中でも、「山本SP」」と銘打たれたこの規格たち。
時代のニーズを汲み取りながらもしっかり主張もする、骨太さと可憐さを同居させたような味わい。
23BYも追いかける気マンマンですが、惜しいかな東京の酒販店ではまだ取り扱いがありません。


★第4位★【萩の鶴 純米吟醸 生原酒 別仕込】


2011年07月15日登場。

一昨年からお世話になっている、仙台にある「いづみや」さんのオリジナル商品です。
通年、同仕込みの火入れ酒は出荷されていて、別名「キャット酒」と呼ばれているようですが、これはその生バージョン。
値段から考えると、衝撃的なうまさでした。
今年もリピート必死のお酒ですね。


★第3位★【山間 仕込み9号 直汲み AUN 6th Anniversary Version】


2011年05月28日登場。

記念ボトルをランキングに入れちゃうってどうなの?と思いましたが仕方がありません。笑
22BY【山間】は、これが一番旨かったと思います。
純米大吟醸規格の【山間】としても、過去最高だった気がしています。
やはり「手詰め」の【山間】、最高ですよ!


★第2位★【長陽福娘 純米吟醸 山田錦 生原酒 直汲み】


2011年06月24日登場。

これも2011年初飲みの銘柄。
中でも、山田錦を使った生の直汲みが一番印象に残っています。
なだらかな起伏の中で見せる甘みと旨味の盛り上げは、この銘柄にしかない個性となっています。
22BYでもっとも名を上げたお酒ではないでしょうか?
さすがグッさんだね!笑


★第1位★【十四代 純米吟醸 槽垂れ おりからみ 生原酒】


2011年03月20日登場。

「槽垂れ」は初の家飲みでしたが、ここ数年の【十四代】の中でも、抜群の旨さだと思いました。
もちろん、ハイクラスのお酒には上がありますが、値段と味のバランスを考えると、これ以上はないと思います。
無理してでもリピートしたいと思える、初の【十四代】です。笑
godanism の中にも葛藤があり、この銘柄を1位にしちゃっていいのか!?という思いがありましたが、、、
素直に従うことにしました(^^;



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というわけで、10位~1位の発表でした。
昨年のベスト10とは、大きく内容の異なるラインナップになりましたね。笑

特に、上位常連だった【而今】がいなくなったのが面白いかなと思っています。
これは、家で【而今】をほとんど飲まなくなったのが大きな原因だと思います。

ここ最近の傾向として、なるべく多くの銘柄・規格を家飲みするようになっています。
リピートは格段に減りました。


冒頭にも書きましたが、上記のランキングは godanism の独断と偏見によって選考されています。
また、同一銘柄の異なる規格がランクインすることはありません(【十四代】は1位の「槽垂れ」があるため、他の規格は選考外となっています)。

2012年も、出来る限り更新していきたいと思います。
宜しくお願いいたします!