Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

山間 T4 火入れ 20BY

2011年08月26日 | 日本酒
貴重な1本。
今日で飲みきりました。

【山間(やんま)】


T4、亀口直詰、火入れ。
20BYです。



20BYのT4は、【山間】初の特別純米。



godanism、全く同じものを以前にも飲んでいます。
そのときの記事はコチラ

2年経っています。
年月は、このお酒をどのように変化させたのか。

さっそくレビューしたいと思います。


上立ち香は果実味のある吟醸香。
甘みと旨味の入り交じった、ジューシィさを思わせる香りです。

口に含むと、落ち着いた旨味がまずお出迎え。
丸みのある口当たりで、非常にソフトです。

口の中で転がすと、舌先から酸味が。
ゆっくりと顎のほうへ移動します。
同時に渋味を伴った甘みが感じられてきます。
含み香も甘めで、全体としてかなりジューシィ。

後口は甘渋。
鼻に抜ける香りは、木香を思わせます。
余韻はじんわりと残る感じで、スパッとキレる系のフィニッシュではありません。
甘みをポン、と置いて抜けていく感じですね。

味の根幹は、2年前に味わったものと同じ。
ただ、火入れとは思えないほど味が乗り、丸さを感じます。
うまいっす!

アテは棒棒鶏。

NEXT FIVE PASSION 2011

2011年08月23日 | 日本酒
頂き物です。

【NEXT FIVE PASSION 2011】


秋田県の酒蔵5蔵が協力して造る「NEXT FIVE」。
22BYで初の試みです。



今回の「PASSION」は、その第2弾。
いろいろなブログですでに紹介されているので、見たことのある人も多いでしょう。

さっそくレビューにいきたいと思います。


上立ち香はすっきりと通るような吟醸香。
果実味はありますが、甘みは感じません。

口に含むと、まず舌先にピリッとガス感。
次いで酸が感じられてきます。
含み香は果実感たっぷり、バナナのような香り。

口の中で転がすと、酸は上顎へ移動。
じんわりと旨味が舌全体に広がります。
甘みはしっかり感じられますが、香り由来のもの。

後口は非常にキレよく、酸渋で締め。
ほんのりとしたフルーティな酸を余韻に残しつつ、旨味はさっぱりと消えていきます。

実は封開けから1ヶ月以上経っているのですが、今のほうが旨いですね。
開けたてのときは、もっと酸が目立ち、旨味もそこまで乗っていない印象でした。
化けましたね。
うまいっす!

「NEXT FIVE」の試みは面白いですよね。
今後も機会があれば、飲んでいきたいと思います。

乾坤一 純米大吟醸 中取り 雄町

2011年08月22日 | 日本酒
宮城県で、全国に名が知られている銘柄といえば、【日高見】とこれ。

【乾坤一(けんこんいち)】


【乾坤一】の純米大吟醸、中取り。



使用米は雄町100%、精米歩合40%。
毎度お世話になっている、仙台「いづみや」さんのセレクト酒。

聞くところによると、もともとは生原酒で分けてもらう予定だったそうですが、震災のためにダメに。
でも、その修羅場のなかで中取りをしてくれて、一回火入れで出してもらったそうです。
これは飲まねば、ということで。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香はふんわりとやわらかく漂う吟醸香。
ほんの少しの果実感を伴った香りです。

口に含むと、まず酸、そして旨味。
ふくらみのある旨味はしっとりと舌全体を覆うようです。

口の中で転がすと、酸と結びついて渋味がほんのり。
酸は舌先から顎奥へゆっくりと移動。
酸の穴埋めをするように、ピリッと辛味が感じられてきます。
含み香は柔らかく甘め。

後口は酸渋で締め。
余韻は短めで、スパッとキレますね。
艶があり、非常に丸い味わいです。

純米大吟醸を名乗るに相応しいうまさです。
単体でも料理と合わせても、そして冷やでも燗でもうまいでしょ、これは。。。

1.8Lで5,500円。
純大としては普通の値段ですが、まぁ普段は買いませんよね。
でもこれは文句無し、旨いっす。
元取れますね。

アテは「焼きはんぺんの明太マヨソース」


明太子の老舗「かねふく」の店舗が笹塚にあり、たまに買ってはこんな料理に使っています。

萩の鶴 純米吟醸 別仕込 22BY

2011年08月18日 | 日本酒
宮城プッシュの godanism 、今日も宮城の酒をご紹介です。

【萩の鶴(はぎのつる)】


ラベルが一風変わっています。



表ラベルに猫の絵。
通称「キャット酒」と呼ばれています。



実はこのお酒、少し前にご紹介したこのお酒の火入れバージョンなんです。
なので、麹米「山田錦」、掛米「美山錦」の純米吟醸。

さっそく飲んでみることにしましょう。


上立ち香はうっすら果実味を伴った吟醸香。
甘さは無く、透き通るような香りです。

口に含むと、まず飛び込んでくるのは瑞々しい酸。
ふわっと舌の上に旨味が着地します。
含み香はほんのり香る程度で、口当たりは非常にすっきりしています。

口の仲で転がすと、酸に引きずられてピリッとした辛味が。
舌先にほんの少し渋味が感じられてきます。
旨味もじわじわ出てきますが、酸が立っているのであまり主張してくる印象はありません。

後口は酸渋で締め。
じんわりと、旨味と甘みが余韻を作ります。

透き通る前半から、中盤のしっかりした旨味、後口にほんのりとした渋味を残していく。
全体のバランス、組み立てとして、2940円としては破格の造り。
宮城県の地酒として素晴らしいと思います。

アテは「烏賊大根」。


こういうのと合わせると、めちゃめちゃ旨いっす!笑

蔵王 純米吟醸 生原酒

2011年08月16日 | 日本酒
godanism、今年は宮城プッシュです。
今年頭からそう決めていました。
今回も宮城のお酒。

【蔵王(ざおう)】


宮城県の蔵王酒造のお酒。



今年5月出荷の生酒です。



使用米は美山錦と山田錦、と書いてあります。
酒販店さんからの情報によると、麹米が山田錦、掛米が美山錦。
精米歩合50%の原酒です。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は上品な吟醸香。
香りからは、甘みは微かに感じられる程度で、旨味の乗りを予感させます。

口に含むと、すっと通るような旨味。
ほぼ同時に、渋味を伴った含み香が鼻に抜けます。

口の中で転がすと、じわっと酸が感じられてきます。
酸に押し出されるように甘みも舌先から出てきます。
香りには渋味があるのですが、舌には乗っかってきません。

後口は非常にキレよし。
締めは酸渋です。
鼻に抜けるは爽やかな吟醸香で、あくまでも芯にある旨味を補強するような、薬味のような立ち位置。
舌にじんわりと、甘みの欠片が残ります。
それがこの酒の評価を上げてますね。

こういうお酒は、減点方式では語れません。
だって、マイナスの要素が無いんだもの。
うめぇっす!

アテはしめじとほうれん草のソテー。


シンプルな料理と一緒に飲むと、際限なく飲めてしまうのは危険ですね~。

謙信 大吟醸 出品酒 22BY

2011年08月13日 | 日本酒
2年連続金賞受賞、おめでとうございます。

【謙信(けんしん)】


今年の春に糸魚川の阿吽さんへお邪魔した際、池原さんも見えておりました。
いろいろとお話をお伺いでき、貴重な時間となりました(^^)
21BY、22BYと2年連続で、全国新酒鑑評会金賞受賞。
素晴らしいですね~!



今回のお酒は、その出品酒。
スペックは、全量「山田錦」使用、精米歩合40%。
袋吊り、雫酒、斗瓶囲い。
瓶火入れの無濾過原酒となります。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は、ほんのり甘い吟醸香。
フルーティさと爽やかさの両方が感じられます。

口に含むと、まずふわっと漂うような旨味。
遅れてこちらも漂うように舌の上に着地する甘み。
含み香はすっきりした吟醸香です。

口の中で転がすと、じわっと渋味が感じられてきます。
じわっと喉奥にピリッとした辛味。
酸はあまり出てきません。

後口は非常にキレよく、辛味と渋味で締め。
余韻と鼻に抜ける香りは、爽やかでほんのり甘みのある香りです。

とてもキレイな味です。
godanism は舌がそんなに上品ではないので、もう少し主張のある酒のほうが好きですが・・・(^^;
もったいない病が出てもおかしくない酒質ですね。
まさに【謙信】究極の一滴と呼べるお酒です。

旭興 吟醸 滓酒 22BY

2011年08月10日 | 日本酒
前回のエントリ冒頭で、昨年衝撃を受けたお酒が2本あり、そのうちの1本が【豊賀 Dスペック】だったと書きました。
今回は、もう1本をご紹介します。

【旭興(きょくこう)】


栃木県の渡邉酒造のお酒。
新聞紙に包まれた上に、ラベルが貼ってあります(ラベルが震災時の記事で、神妙な気持ちになりました)。



今年5月出荷。
アルコール度数15%、酒度+1.5、酸度1.3です。



面白いのは、このお酒がブレンド酒であるということ。
37%精米の大吟醸、同じく37%精米の純米大吟醸、48%精米の純米吟醸をブレンドして出荷しています。
今回はすべて兵庫県産山田錦使用ですね。
(昨年のものはもっと複雑なブレンドで、使用米も1つではありませんでした→昨年のエントリ

さっそく飲んでみることにしましょう!


上立ち香はほんのり甘い果実感を伴った吟醸香。

口に含むと、ふわっと舌の上に着地する旨味、少し遅れて甘み。
酸は舌先に人懐っこく現れて、すぐに奥へ引っ込みます。

口の中で転がすと、旨味に結びつくようにほんのりと渋味が感じられます。
酸はあまり主張しません。
甘みは含み香の甘い香りと重なって、ジューシィさを感じさせますね。

後口はすっきり爽やかな余韻を残します。
甘渋で締める印象。
スパッとキレるというより、ラムネのような後味です。

去年のものとは、全然違う味になりました。
ずいぶんと上品にまとまった印象です。
2,625円という価格からは、やはり考えられない酒質。
うまいですね~!

アテは「鮎の塩焼き」。

豊賀 純米大吟醸 直汲み生原酒 美山錦 Dスペック

2011年08月07日 | 日本酒
昨年の春、糸魚川の「阿吽」さんへお邪魔した際、衝撃を受けたお酒が2本ありました。
今回はそのうちの1本をご紹介します。

【豊賀(とよか)】


長野県の高沢酒造さんの銘柄です。
【豊賀】は何度か購入して飲んでいるのですが、この「Dスペック」には衝撃を受けたのです。



全量「美山錦」使用、精米歩合49%。
日本酒度±0、酸度1.8。

使用酵母は長野のローカル酵母「長野D酵母」です。
これが、「Dスペック」と呼ばれる所以。

では、レビューにいきたいと思います。


上立ち香は、ほんのり甘みを伴った吟醸香。
ふわっと漂う感じで、派手さはありません。

口に含むと、まずフルーティな酸。
引っ張られるように甘みが感じられます。
含み香はメロンのような果実味たっぷりの香りです。

口の中で転がすと、酸はキュッとまとまりながら舌の奥へ。
甘みは舌先を陣取ったままです。
じんわりと広がる優しい旨味、甘酸のジューシィなバランスは素晴らしい。

後口は甘酸締め。
ここへ来て、ほんの少しだけ渋味が顔を出しますが、あっという間にさっぱりと口の中からいなくなりますね。

昨年飲んだときに比べると、ずいぶんと大人しく感じました。
なにせ、昨年のはまさにメロンジュースでしたから・・・。
今年のもののほうが、バランスが取れて万人向けになっただろうと思います。
とはいえ、甘みはしっかり感じられるので、アテはなくていいかな~。

萩の鶴 純米吟醸 美山錦 中取り生

2011年08月03日 | 日本酒
しばらくぶりの更新となります。
更新できなかったのには訳があります・・・、と言いたいところですが、とくにありません。
ただ、外飲みが重なってしまい落ち着いて家のお酒を消費できなかったのは理由と言っても良い?(汗)

8月に入りまして、今月はなるべく家のお酒を飲みきっていこうと思っております。
必然的に、ブログのほうも更新できるかと・・・。笑

では、今回ご紹介するお酒に参りましょう。

【萩の鶴(はぎのつる)】


宮城県、萩野酒造のお酒。
当ブログでは幾度もご紹介しています。



今回は、美山錦100%、精米歩合50%。
純米吟醸の中取り生酒となります。



出荷は今年6月。
開けてから1ヶ月程度経っています。

さっそくレビューにいきたいと思います。


上立ち香はふわりと果実感を伴う吟醸香。
青リンゴのような瑞々しい香りです。

口に含むと、まずすうっと通って入ってくる酸。
ふわりと舌の上に旨味が着地します。
甘みはあまり感じませんが、含み香は甘め。

口の中で転がすと、酸が上顎へ移動。
艶のある旨味がじわりと広がります。
舌の裏のほうから渋味が顔をちらり。

後口は酸で締め。
引き出されるように甘みも感じられてきます。
ピリッと余韻を引き締める辛味が心地よいです。

全体として、線は細いながらキリッとした夏にぴったりの味わい。
生っぽさはほとんどありませんね。
火入れと言われても、違和感はありません。
暑い日でも、クイクイ飲めてしまう危険なお酒です。

アテは「茄子とししとうの揚げ出し」。


普通は揚げ衣に上新粉を使うのですが、無かったので小麦粉で代用。笑