Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

夢幻 吟醸原酒

2011年10月30日 | 日本酒
宮城の酒が続きます。

【夢幻(むげん)】


良くも悪くも、線がタイトな銘柄です。
しかし、これは原酒。



精米歩合50%の実質純米大吟醸。
書いていませんが、トヨニシキ100%使用です。

さっそくレビューに。


上立ち香はほんのり甘みを含んだ吟醸香。
かすかにマスカット系の果実感もありますね。

口に含むと、すっと入ってくる旨味。
ふんわり漂いながら、含み香のほんのりした甘さを引き出します。
喉奥に、遅れて酸。

口の中で転がすと、舌先に渋味が感じられてきます。
辛味は喉奥の酸を舌全体に広げるように引っ張りだしてくる。
酸を埋め合わせするように、喉奥に甘みが感じられてきて、不思議な感覚。

後口は渋で〆。
ふわっとした旨味と、鼻に抜ける甘みのある香りが好対称。
余韻は酸と辛味で、キレもなかなか良いです。

うーん、これはうまいですよ。
口に入ってきたときは印象としてはそれほど強くないのに、喉を通るときは力強い主張をする、メリハリのある酒質です。
残り香を楽しめるお酒なので、単体でもばっちり飲めますね。
値段が1.8Lで4,000円はちょっと高いけどね(^^;

いちおうアテも用意しました。
肉豆腐!


牛肉、しらたき、豆腐。
ネギは白髪で上のっけスタイル。

墨廼江 春陽 純米吟醸

2011年10月28日 | 日本酒
今年は月に1本は必ず買ってます、宮城のお酒。

【墨廼江(すみのえ)】


表ラベルには「春陽」の文字。



精米歩合50%の純米吟醸。
規格については書かれていませんが、麹「山田錦」、掛「蔵の華」、宮城酵母を使用しているようです。

この【墨廼江】というお酒、私が日本酒を自分で購入するようになった5年ほど前に初めて買って飲んで、それ以来久しぶりの購入となります。
日本酒を飲み始めた頃の私には、このお酒の良さがわからず、自分では買わないし、お店でも進んで頼むことはなかったのです。

久しぶりの【墨廼江】です。
レビューにいきたいと思います。。。


上立ち香はふわっと気品漂う吟醸香。
宮城のお酒らしい香りです。

口に含むと、まず舌先に酸。
次いで喉のちょっと手前に渋味を感じます。
乳酸系のクリーミィな含み香ですが、強いものではありません。

口の中で転がすと、キュッと締まった硬質系の渋味と酸が舌をくすぐります。
甘みは舌のサイドから湧いてくるように。
舌先には辛味も感じられ、全体のバランスをとります。

後口は渋で〆。
キレは非常に良く、辛味の中にひょいっと顔を出した甘みが余韻を作ります。


シャープな切れ味と独特の渋味・苦みは、このお酒にしかない特筆すべき要素。
誤解を恐れずに書きますが、このお酒、単体でかつ冷酒で飲むには向いていないと思っています。
ただし、食中酒としては抜群のパフォーマンスを発揮します。
燗にしたときは甘み・旨味が膨らんで、非常に柔らかくなりました。

アテは、山芋のなめ茸和え。


ぬる燗でチビチビとやりたい夜には、ピッタリのお酒です。

天野酒 7号 本醸造 無濾過加水生

2011年10月24日 | 日本酒
godanism 、今年に入ってから買いまくっているお酒です。

【天野酒(あまのさけ)】


相変わらずの縦型ラベル。



7号酵母を使用した本醸造。
アル添酒ですね。
麹は山田錦ですが、掛は飯米となっています。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香はほんの少し果実感を漂わせる米の香り。
吟醸香ではありません。

口に含むと、まず舌先に酸。
少し遅れて、ほんのり甘い含み香。
舌の中心にはじんわりと旨味が広がります。

口の中で転がすと、酸は舌の裏側へ移動。
甘みは舌先にとどまったまま。
ピリッとしたガスが少し感じられます。

後口は酸で〆。
酸が辛味を伴いながら、余韻を形作ります。
鼻に抜ける香りは多少のアルコール感がありますが、ふんわりした甘みのあるもの。
キレもほどほど、飲み終わりにはきれいさっぱりと口からいなくなります。

うまいですね~。
旨味は強いのに、アル添のためか非常に軽く感じます。
1.8Lが2400円。
値段を考えると、信じられないほどコスパいいです。
これはリピート必死ですね。

アテは肉じゃが。


牛肉、玉ねぎ、じゃがいもだけのシンプルな肉じゃがが好きです。
今回は玉ねぎも入ってません。
味わいがスッキリ!笑

北の錦 純米大吟醸 冬花火

2011年10月18日 | 日本酒
先月、北海道旅行に行ってきた折り、お酒をいくつか買ってまいりました。
そのうちの1本をご紹介しましょう。

【北の錦(きたのにしき)】


北海道は小林酒造のお酒。
「冬花火」と銘打ったお酒です。



北海道の酒米「吟風」を100%使用し、精米歩合50%まで削った純米大吟醸。
表の胴ラベルに書いてあるように、酵母は「ニシキ100年酵母」というものらしいですが、godanismよく知りません。。



23年9月出荷。
さっそくレビューに参りましょう。


上立ち香はすうっと通るような吟醸香。
フルーティ路線ではなく、米の旨味を感じさせる爽やかな香りです。

口に含むと、まず舌先にピリッと酸、遅れて澄んだ旨味がじわり。
含み香はうっすらと果実感があります。

口の中で転がすと、じゅわっと旨味が感じられてきます。
線は細いながら、透き通った旨味。
酸がキレイに立っていて、タイトながら味のある酒質です。

後口は酸で〆。
ここへ来て辛味を押し出してきます。
余韻はふんわりした辛味・酸ですが、素晴らしいキレ。


温度が上がってくると、とたんに柔らかさを感じさせます。
温度帯を変えて楽しめるお酒ですね。
うまいです。
純大スペックで1.8Lが3000円ちょっとと買いやすいのも好印象。
4合瓶で買ったんですが、1.8Lで良かったなあ。

はっきり言ってアテは何でもいいんですけど、今日のところは「ほうれん草とベーコンのソテー」で。

十旭日 純米大吟醸 改良雄町 生原酒 15BY

2011年10月16日 | 日本酒
前エントリに続いて、笹塚の本間酒店で購入したお酒をご紹介。

【十旭日(じゅうじあさひ)】


表ラベルには、でかでかと「純米大吟醸」の文字。
全量「改良雄町」使用、精米歩合45%です。



15BY。
23年9月出荷ですから、蔵で寝ていたものですね。

さっそくレビューに参りましょう。


上立ち香は艶のある吟醸香。
老ね香も少し感じます。
米の甘みと旨味を感じさせる香りです。

口に含むと、ふわっと酸が立ち上がってきます。
遅れて色っぽい旨味。

口の中で転がすと、きゅっと酸が締まって上顎へ移動。
旨味はコクのある強いものではなくあっさりしてますが、どこまでも味を感じる深いものです。
含み香から、徐々に甘みを感じるようになってきますね。

後口は甘酸で〆。
キレよく、余韻は短め。
甘みのある香りが鼻に抜けます。

後半に盛り上がりのあるバランスで、非常に上品な熟成酒。
生酒ながら生っぽさは一切ありませんが、深みのある旨味は生でなければ出せないのではないかと思います。
コンディションもバッチリ。
うまいです!

アテは、鶏ももと茄子のトマト煮。


中華系の料理と迷いましたが、最終的にはコレで。

風の森 純米 秋津穂 真中採り

2011年10月13日 | 日本酒
久しぶりの登場です。

【風の森(かぜのもり)】


今回はいわゆる普通スペック。



奈良県産「秋津穂」100%使用、精米歩合65%の純米酒。
真中採りと書いてますが、要するに中取り(だと思います)。



2011年8月出荷。
購入店は笹塚の本間酒店さんです。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は艶のあるふんわりした米の香り。
フルーティではなく、吟醸香でもないです。

口に含むと、ピリッとしたガスが舌先に。
遅れて、酸が立ち上ってきます。
旨味はじんわりと舌の上に広がりますね。
含み香は、上立ち香からは意外なほど甘みのあるもの。

口の中で転がすと、酸が舌の裏へ移動。
甘みもここでしっかりと主張してきますね。
絡み付くように渋味が感じられてきます。

後口は渋酸。
鼻に抜ける香りは、ここへ来てどことなく青リンゴのような爽やかなもの。
スパッとキレ、余韻はさっぱりと消えてなくなる。

全体を通すように、酸と渋で組み立てられた酒質。
硬水ゆえのものかもしれません。
が、このバランスは見事、1升瓶2400円のお酒としては非常に完成度の高い1本です。
旨い!

アテは鶏ももの味噌漬け焼き。よく作ってるやつ笑

田光 純米吟醸 袋搾り中取り 瓶燗火入れ 備前雄町

2011年10月06日 | 日本酒
北海道旅行の余韻もまだ冷めやらぬ godanism ですが、ブログのほうは平常運転にそろそろ戻したいと思います。
まずは、今年初飲みとなったひやおろしで。

【田光(たびか)】


三重県の早川酒造のお酒。
【早春】が有名なお蔵さんです。



ひやおろしということで、瓶燗火入れ。
酒米は備前雄町、50%精米の純米吟醸酒。
袋搾り、中取りと、いいところを丁寧に造ったお酒ですね。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は甘みを感じる吟醸香。
果実感のある香りで、ジューシィさを想像させます。

口に含むと、まずふわっと立ち上がる酸、遅れて旨味。
ぼんやりした輪郭ながら、包み込むような旨味ですね。

口の中で転がすと、酸は顎奥へ移動。
フルーティな含み香とくっついて、果実感を演出します。
とろみのある旨味と、舌の裏側から顔を出した甘みが味わいの主軸。

後口は甘酸で〆。
渋味は余韻に感じられます。
どこまでも優しい口当たりで、尖ったところはありませんね。

いわゆる「ひやおろし」に求められる味とは違い、生酒の良いところを取り出して熟成させたような感じです。
旨いですね。

アテはスモークサーモンのマリネ。