GOCCIのオトコヲミガク旅(w)

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「ピンク・バス」角田光代著、読んでみました。

2006年11月15日 | *本*BOOKS*

  
「ピンク・バス」角田光代著、読んでみました。
 
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「角田 光代」
の作品、2作目です。「ピンク・バス」「昨夜はたくさん夢を見た」の中篇2つが収められてた作品。

最初に読んだ「空中庭園」が良かっただけに、かなり「???・・・」って言う感じで、読後感もあまり良くありません。

「ピンク・バス」では妊娠して心が少し不安定になった「サエコ」を中心に平凡な夫「タクジ」、不思議なその姉「実夏子」、かつて一時の憧れ「レゲ郎」とのエピソード中心に構成されている。

サエコは自分自身を「お嬢様」「似非インテリ」「淫乱女」「ヒッピー崩れ」に次々と変身させ世の中を渡り歩く特殊能力の持ち主。

タクジは何時も「常識的な台詞」を吐き、その姉実夏子は「妊娠に関して毒」を吐く。この三人の関係は読んでて不協和音を感じさせる。

レゲ郎のエピソードは面白いことは面白いが、ちょっと突拍子過ぎるような気がした。

実夏子を乗せ去ってゆく「ピンク・バス」は何を象徴しているんだろうか?

「昨夜はたくさん夢を見た」は、出だしの「・・・得意な行事は、と言う質問があったとしたら、水泳大会でも球技大会でもなくお葬式だと、私は真っ先に答えるだろう。」という「シュール」さが、

「空中庭園」「あたしはラブホテルで仕込まれたこどもであるらし・・・」
というマナの告白を髣髴させ少し期待したんですが、結局「いまひとつだなぁ」と言う感想。

ストーリーやエピソードは特筆するような盛り上がりや感動も無く、筆者が訴えたいこともあまり伝わって来なかった。

文庫本の解説で石川忠司が“こうした「疲労感」は本書収録の「ピンク・バス」において、いつにもまして十二分に発揮されているが・・・”と解説しているが、自分にとっても、読後に疲労感を漂わせる消化不良な作品であると感じました。