GOCCIのオトコヲミガク旅(w)

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「ララピポ」奥田英朗著、読んでみました 。

2006年11月04日 | *本*BOOKS*

 
「ララピポ」奥田英朗著、読んでみました



この作品は、

「ドラマだなあ。登場人物全員が負け組み。更には・・・・・マニアも負け組み。ルーザーの祭典ですよ。いやあ、世界中の人に見せたいなあ。東京の片隅に、こんなにも凄まじい負け組みのドラマがあることを知らせてやりたいなあ」
自分も完全にその負け組みのど真ん中にいる「アダルトショップの店長」がつぶやくシーンで集約されているように思える。

フリーライターもどきの「杉山博」の異常な性癖と歪んだプライドはかなり引いてしまう。

現実逃避と思考停止の超ダメAV主婦「佐藤良枝」と、NO!と言えずどんどん堕ちて行くその娘「トモコ」「親子ドンブリ」のシーンは少し作者の残酷さを垣間見た様な気がした。

エロ小説家の「西郷寺敬次郎」「援交女子高生」も病んでますなぁ・・・・。こんな大人と少女が世間に蔓延してるとしたらぞっとします
。しょうもない「ぐうたら郵便局員」たちの描写は本当に哀しくなってきます。

これらの連中を見てると、同僚や新聞拡張員にいいようにされ続け、「食物連鎖の最下層にいる」と自暴自棄の行動を起こすカラオケBOX店員「青柳光一」は同情の余地があるし、エロ関係スカウトマンの「栗野健治」やテープリライター兼デブ専裏DVD製作・販売の「玉木小百合」はまだ負け組の中でもしぶとく、したたかに生きていると思う。

一つの章の登場人物が次の章の主役として登場し、最後は最初の章のエピソードに戻る。結構ありがちな展開だが、登場人物の描写やリアル感のあるナマ生しいエピソードが秀逸で、何時もながら感心させれれる。

「選りすぐりの負け犬たち、ここに集合。最新爆笑小説」と紹介されているが、決して「爆笑小説」ではないと思う、どちらかと言うと「ララピポ=a lot of people」 という題名が象徴するように、かなり「シュール」な作品ではないかと思う。「ぜひ読むことをお薦めする」一冊です。