「昭和歌謡大全集」村上龍著、読んでみました。
遅ればせながら、最近「半島を出よ」を読みました。全く記憶には残ってないんだけど、登場人物の「イシハラ」と「ノブエ」が、この作品の登場人物の「生き残り」と言う事だったので、十年以上ぶりに「昭和歌謡大全集」を読んでみた。多分、当時1~2時間で「軽く読み流した」作品なんで、出だしは「あれっ、この本読んだことあったっけ・・・」と言う感じだったんだけど、流石に「ミドリのおばさん達」の登場で完全に記憶が「蘇って」きました。「イシハラ達のグループ」と「ミドリのオバサン達」、どちらも人を殺して行けば行くほど「結束は深まり」「人物は活き活き」としてゆく、ばかばかしさの中にテンポあり。シュールさの中に笑いありで愉快です。「トカレフを仕入れた不思議な金物屋の主人」や「気持ち悪い目撃者の女子大生」も良いキャラで作品のスパイスになっている。登場人物の言動や殺人に関する動機・思考回路は全く「共感できる点」がないが、その「ナンセンス」さを楽しめるかどうかが、読者のセンスが問われる所だと思う。作者は“「69」を書いたときと同じ位楽しく書けた”と言ってる作品、自分も結構楽しく読めました。