「沙高樓綺譚・草原からの使者」浅田次郎著、読んでみました。
この作品は、4編のうち3編が浅田次郎のお得意分野「お馬さん」「カジノ」「軍隊(自衛隊)」で、結構「気楽に書けたんじゃないかなぁ」と思ってしまう。
自分の好みとしては「終身名誉会員」>「草原からの使者」>「宰相の器」>「星条旗よ永遠なれ」の順番。
特に「終身名誉会員」は、物語の設定、ヨーロッパの上流社会の描写が秀逸で惹きこまれる。
さすが、世界のカジノを巡るギャンブルエッセイ「カッシーノ!」の取材でヨーロッパの一流ホテルに触れ、一流カジノを廻って来ただけの事はある。
「草原からの使者」は、約30年前の「ハイセイコー」が大本命の第40回日本ダービーに纏わる物語。馬券を買い続けて三十年の作者の「競馬」に関する薀蓄が余すところなく披露されて、勉強になります。
「星条旗よ永遠なれ」は他の3編と比べるとチョット“?”って言う感じ。「沙高樓綺譚・草原からの使者」は、かなり面白く、いい作品だと思うが、浅田次郎の他の作品のレベルが高いだけにちょっと物足りない感じがしないでもない・・・・・。