「パラレルワールド・ラブストーリー」東野圭吾著、読んでみました。
「東野圭吾」著、3作目突入です。
「線路は全く違うが、二つの電車が同じ方向に、しかも同じ駅に止まりながら進んでゆく場合が時折存在する。・・・・」で始まる、「敦賀崇史」が「美しい女性(津野麻理子)」に惹かれてゆく序章で一気にこの物語に引き込まれました。
主人公と友人「三輪智彦」との篤い友情・信頼が丁寧に描かれている分、親友そしてその彼女「津野麻理子」に対する「美しい心とドス黒い心の葛藤」は痛いほど共感できました。
脳の操作により「パラレルワールド」の世界に入り込み違和感を感じ、疑いを持ち、それを解決してゆく過程のストーリーは見事で作者の力量を感じさせます。
途中智彦に「少しやな役回り」をさせたことも、最後の告白で彼が友情を大切にし、責任感のある好漢で有ることを強調する良い「スパイス」として見事に効いています。
この間、NHKスペシャルで 「立花隆 最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える」をやってたけど、それを見て倫理観は別にして近い将来、技術的には「東野圭吾」が描いた世界が現実になるのは間違いないと確信しました。
それはともかく、この作品は本当に「面白かった」です。