『デルスウ・ウザーラ』
ヴェー・カー・アルセーニエフ 著
長谷川四郎 訳
平凡社 東洋文庫
このところ急に仕事がつまってしまって、すっかりブログの更新が滞ってしまった。しかし、仕事以外たいした話題もなかったことも事実だ。言い訳はそのぐらいにして、本題に移る。
黒澤明監督、映画「デルス・ウザーラ」の原著である。ロシアではソ連時代からだれでも知っている名著なのだが、日本では映画は知られているものの、この原著は意外と知られていない。
以前から興味があって読んでみたかったのだが、東洋文庫はばかばかしいほど値段が高い。小Ｂ６300ページ程度で2520円もする。それが神田の古書店で600円で出ていたものだから即座に購入した。
奥付を見ると昭和40年（1965年）発行の初版で定価500円。物価の高騰に隔世の感はあるが、46年前の500円はそれでもそうとう高価な本だったはずである。
まだ読み始めたばかりだが、映画ではわかり難い探検ルートや装備などが詳細に書かれている。
映画ではもっと内陸まで入り込んでいるように思えたが、この地図だとウラジオストックから北に向かってほぼ沿岸ぞいだ。しかし広大なシベリアは明確な目標がないから、数キロ奥に入り込んだだけで方角が分からなくなる。
足跡や焚き火の跡から状況を把握する。天文や気象、動物の様子から先の季節を予想する
動物たちとの出会い、厳しい環境との戦い。20世紀初頭のまだ十分な機材のない探検旅行は、探検家自身の体力と頭脳の勝負だった。
ゆっくり読書をする時間のない昨今だが、待合室図書館や電車図書館でしばらく楽しめそうだ。
リンク→映画「デルス・ウザーラ」
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