ひまわり博士のウンチク

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これが「不時着」かよ?!

2017年01月27日 | 本と雑誌
 これが「不時着」なら「墜落」ってなんだ?
 沖縄から「刺激的」な写真雑誌創刊。
 

 
 26日、「アジア記者クラブ」の定例会で、その準備をしている最中に山内健治教授(明治大学政経学部、島嶼研究会)が大きな紙袋を下げて現れ、「刺激的なものを持って来た」と取り出したのが写真の雑誌、「ぬじゅん」創刊号だった。昨年12月に墜落し、政府もマスコミも「不時着」と言い張ったオスプレイの、バラバラに全壊した様子を米軍が撤去する前に水中カメラで撮影した衝撃的な写真が多数掲載されている。
「え、もうこんなの、作っちゃったの?」
 報道ならともかく、レイアウトや編集を必要とする写真雑誌はそれなりの時間を必要とする。大手出版社は別にして、零細企業の版元発行にしては早い。
 「ぬじゅん」とは沖縄の言葉で「載る」という意味なので、衝撃的な記事や写真をどんどん「載せて」行くぞという意味か。
「これから、刺激的な写真をどんどん出すから」
「これ、1冊もらえる?」
「年間購読申し込んでくれたらあげる」
 というわけで、年会費3000円だし、「ま、いいか」と隔月発行の写真雑誌を購読することにした。
 肝心の池田恵理子さんの講演中は姿を見せていなかったので、拡販のために現れたらしい。終了後の懇親会会場には、先に来て待っていた。この教授、こんなところが憎めない。
 (「ぬじゅん」問合:090-8292-1398 比嘉豊光)
 

 
 「アジア記者クラブ」1月定例会は、「女たちの戦争と平和資料館‐wam」館長の池田恵理子さん。
 池田さんが館長を務める資料館が、「朝日赤報隊」を名乗る人物から爆破予告を受けて3か月。「朝日赤報隊」とは1987年に朝日新聞阪神支局を攻撃し、記者を殺害した右翼テロリストである。したがって、ただの脅しとはレベルが違う。
 右派が神経を尖らす「天皇の戦争責任」「南京事件」「従軍慰安婦」問題を取り上げると、マスコミに対しても脅しや圧力があり、資料館も常に危険にさらされている。
 そのような状況のもと、マスコミの対応や政府からの圧力が、実際どのようなものであったのか、実例を挙げながらお話をうかがった。
 今、安倍政権は、「盗聴法」「共謀罪法」などを成立させ、セットで戦前の治安維持法に近い法整備を行い、憲法9条を無視して集団的自衛権を行使できるように、都合良く憲法の解釈を変更し、一歩一歩戦争のための準備を行っている。
 そうした道を歩むためにはどうしても、アジア太平洋戦争を「正しい戦争であった」ことにしなければならない。すなわち、「南京事件」「従軍慰安婦」のような戦争犯罪はなかったことにしなければならないし、天皇の名のもとに戦争を行うために「天皇の戦争責任」などを問われてはならないのだ。
 2001年には、「ETV2001」で予定されていた、「女性国際戦犯法廷」のドキュメンタリー番組が、放送寸前になってズタズタに改変されて放送された事件があった。しかもその番組改変には、当時官房副長官であった安倍晋三の圧力があったことが後に判明している。
 従軍慰安婦問題で活動する池田さんをはじめとした人々のことを、中国・北朝鮮のスパイだと中傷することは日常茶飯事である。
 なんとしても、国民に歴史の真実を知られてはならない、そのためには、マスメディアを萎縮させて報道を自主規制するように導き、資料館など多くの人々に情報を知らせる重要な機関である記念館や資料館の展示を破壊し、その上で教育と報道を抑えれば、国民をコントロール出来ると考えているのだろう。
 
 この定例会の詳細な記録は、3月発行の「アジア記者クラブ通信」に掲載される予定。


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