ひまわり博士のウンチク

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『けーし風』93号読者の集い

2017年01月29日 | 本と雑誌

 
 28日土曜日、沖縄発信の雑誌「けーし風」の読者の集いがあった。年4回、発行月の最終土曜日に開かれる。
 本号の特集は、「琉球弧の軍事化に抗するために」で、政府与党が計画している宮古島の自衛隊基地建設についてである。発行後に宮古島市長選挙があり、接戦の末、基地推進派の現職下地敏彦氏が三選を果たした。基地反対派の候補が2名立候補するという、分裂選挙になったために、推進派の下地氏を利するかたちになったわけだが、この結果を見て、自衛隊基地推進の民意が得られたと判断するのはお門違いと言える。
 
 基地が完成して配備される自衛隊員は最大800名。家族を含めると1500〜1600人くらいの人口増となるわけで、小さな島としてはあなどれない経済効果を生み出す。
 反面、マイナス効果はその経済効果をはるかに上回る。基地の施設建設にあたって、地下3〜4回のシェルターとも思える空間を掘り下げる。宮古島の生活水源は地下水なので。水脈に少なからぬ影響が出る他、基地から排出される汚染水によって地下水が汚染される危険をはらんでいる。つまり、基地施設建設によって、宮古島に人が住めなくなる可能性があるのだ。
 ほかに、基地があることで、かえって外国からの攻撃にさらされる危険も考えられる。説明会で自衛隊側は「何のために来るのか」という住民の質問にたいし、「皆さんを守りにくるのです」と答えたという。その答えが欺瞞であることはあきらかだ。莫大な資金を注いで小さな島を守るために基地をつくるわけがない。それに、歴史的経験から、軍隊が住民を守ったことはない。宮古島の人たちはそれを知っているはずだ。
 目的はただ一つ、日米安全保障条約にもとづいて、対中国の共同作戦を展開することである。
 経済か命か、その選択であったはずの市長選挙は、基地反対派が分裂することで失敗した。一枚岩になることは難しいかもしれないが、意地を張っている場合ではない。


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