monologue
夜明けに向けて
 



あなたは日本の音楽テレビ番組を見るだろうか。わたしは音楽が好きでいつもポップスのオールデイズやクラシックを聴いている。昔は日本の音楽テレビ番組もよく見ていたがある頃から小学校の学芸会のような女の子たちがいつも出演するようになって見なくなった。成長期にこんな歌ばかり聴かされて大人になる日本人は感性が育たないのでかわいそう。芥川龍之介は『文芸鑑賞講座』という作品において以下のような文章を記している。「では何を鑑賞すれば好いか? わたしは古来の傑作を鑑賞するのに限ると思ひます。これは骨董屋の話でありますが、真贋の見わけに熟する為には「ほんもの」ばかりを見なければならぬ、たとひ参考の為などと言つても、「にせもの」に目をなじませると、却て誤り易いと言ふことであります。文芸上の作品を鑑賞するのもやはりこの理窟に変りはありません。傑作ばかりに接してゐれば、勢ひ他の作品の長短にも無神経になることを免れません。これは日常の経験に徴しても、直にわかることでありませう。糞尿の悪臭を不快としないものに薔薇の芳香のわからぬのは当然すぎるほど当然であります。」現在の日本の音楽界は悪臭を快とする人々が牛耳っているのならば哀しい。
fumio

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