monologue
夜明けに向けて
 



前回、藤圭子さんのことを書いてふと「カスバの女」という曲を思い出した。
それはかの女の初めてのアルバムに収録されていて一番好きな歌だった。

数年後、わたしは留学してUCLAで働くユダヤ人癌医師の家にホームステイした。
ある日、奥さんが日本の歌を聴きたいというのでわたしが日本の歌を色々歌っているカセットを聴かせた。するとその中で「カスバの女」が一番気に入ったという。
「これはユダヤメロデイよ。どうして日本の歌なの?」と尋ねられて困った。
カスバの女は昭和30年(1955)、芸術プロの映画『深夜の女』の主題歌で
作詞大高ひさを、作曲久我山明 だから日本の歌のはずだった。
ユダヤメロデイと言われたのは意外だったけれどユダヤ人の耳にはかれらの民族の響きが聞こえるのだ。日ユ同祖説があるほどだからわたしたちは同じメロデイを血に持っているのだろうか。
fumio

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