5月18日(月)
誰が書いたか忘れたが「元日本兵だった老人達が隠匿していた旧日本軍の武器を使って卑劣な暴力団を攻撃して叩きのめす。」という痛快小説を読んだ記憶がある。何てたって老人が主役で悪を倒すというストーリーが、同じ老人として心地よい。
この映画も、老人の元ヤクザが悪徳詐欺組織を攻撃するというストーリーなので、そんな痛快さ期待して観たのだが・・・・主人公の老人元ヤクザ達のガラが悪すぎて共感できぬ。悪徳組織との抗争もドタバタバラエティー喜劇みたいでリアリティー無さ過ぎ、せっかく藤竜也を始めヴェテラン個性派俳優を揃えたのだから、もっと深みと渋さのある映画にならなかったものかと残念だ。北野武監督映画は初めて観たが、このドタバタが彼の特長で狙いとすれば、ちょっとがっかりである。
老人と悪者の対決というストーリーでは、以前クリント・イーストウッド監督・主演の「グラントリノ」という映画を観たが、この映画のラストシーンは凄まじくてスクリーンに思いっ切りのめり込み、手に汗握る思いをした。これに比べると今日の映画、ちょっと安っぽかったなあというのが私の正直な感想だ。