奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その942)

2019-03-24 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「私の途中下車人生(宮脇俊三著・角川文庫2010刊/1986版の文庫化)」を読んだ。宮脇俊三(みやわきしゅんぞう1926~2003)氏は、東大(西洋史科)卒で、中央公論社で編集長を務めた。1978年に退社し、以後、執筆業に専念した。----

「私の途中下車人生」は鉄道紀行作家としての地位を築いた宮脇俊三氏のバイオグラフィとして貴重な本の一冊となっている。----

これを読むと、宮脇俊三氏が鉄道旅を好きになっていく経緯が良く分かって、氏の紀行本を読む際の理解が深まるので、鉄道ファンには必読の書となっているのではと思った。-----

宮脇俊三氏の前半生である父祖の話から“中央公論社”勤務までの間のお話が淡々とではあるが、戦争を挟んで語られており、とても興味深く読むことが出来た。-----

中央公論社はバブル崩壊後、経営難に陥るが、宮脇俊三氏はそのずっと前に退社されており、在職中は、ヒット作の出版に係わって来られたようであり、中央公論社が自社ビルを建てるまでに利益を上げられてもいる。-----

戦時中に、黒部峡谷鉄道や関門トンネルを訪れるなどされており、子供の時分から鉄道マニアであったのだが、ご両親はそれを許して下さったそうであり、生まれながらにして鉄道ファン人生が約束されていたかのようであり、幸せな一人の人の人生を読むことによって共感させて貰えるのだ。勿論文章は東大仕込だから訴える力も大きいのだが、日本の鉄道が運行される限り、これからも宮脇俊三氏の紀行文は永遠に読み続けられることだろうと思った。

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